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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

紅い涙に染まる花。

2024年11月20日
エッセイ 18
彼岸花02

彼岸花01

彼岸花03

彼岸花05

信夫



 昨年の秋に初めて彼岸花を撮ったが、その切っ掛けは若くして自ら死を選んだ母の想いについて記したかったから。母親の思い出は幼い頃の記憶を探っても何一つ見当たらなかったが母の後ろ姿だけは今も心の中に刻み込まれている。今回は父について…。11月5日は42歳で亡くなった父の命日だった。父(信夫)については過去の記事で何度も書いて来たが、パトカーをタクシー代わりに使って静岡から藤枝に帰った時の事が最も印象深く残っている。
 それは私が15歳の時だった。養護学校を卒業し清水市駒越にあった療養型職業訓練施設に入所していた頃、――静岡県警藤枝署は15日、同県藤枝市本118、住吉会系組織暴力団極東会桜組み幹部・神戸信夫(39)を恐喝容疑で逮捕した。取り調べによると、調理師である山崎忠雄さん(29)に調理の仕事を依頼したが断わられた為、再三に渡り因縁を付け仕事を手伝わなければ金を出せと脅したと言う――。
 上記の内容が静岡新聞朝刊の三面記事に掲載され父の顔写真まで乗っていたため、紛れもない事実だと受け止めるしかなかった。酒に溺れて身を持ち崩してしまった父ではあったが、人様を傷つけるような乱暴を働いた事は暴力団同士の争いは別としても普段は優しく借りてきた猫の様に大人しく優しい父の人柄を考えるとこの記事には疑念が残った。馬鹿が付くほどお人好しで利用され易い人格で、人から依頼ごとを受けると断れない質のため、この時も過去の事件同様に他人の罪を被ったのだろうと思った。刑期を終えて出所日が決まり静岡刑務所を出た後まっすぐ藤枝に帰らず静岡市内の酒場に立ち寄り久しぶりの酒で飲み過ぎてしまい酔った勢いでパトカーを呼び出しそのまま乗り込み藤枝の実家まで送り届けてもらったらしい。酒のせいで気が大きくなりそんな大胆な行動が出来たのだろう。人前では絶対に泣き顔を見せない父だったが、私の前では酔いつぶれながらも顔を涙でグシャグシャにしながら「雪、雪…」と必ず母の名を呼んでいた。それほど母の事を愛していたのかも知れないけれど、母が父の元を去ったのは全て父の自業自得であった。
 葬儀場で最後のお別れで父の顔を見た時、それまでグッと堪えていた悲しみが堰を切った様に溢れ出し涙が止め処なく流れた。待合室で約2時間私は号泣。そんな私を囲む多くの人達は掛ける言葉も見当たらず私の鳴き声だけが葬儀場に響き渡っていた。
※『小説・傷だらけの鎮魂歌』より一部内容を抜粋した。ヒガンバナについて彼岸花曼珠沙華の呼び名がなぜ二つ存在するのか分からなかったため調べてみると正式名は彼岸花であるが、曼珠沙華はサンスクリット語で『赤い花』と言う意味だった。これで少し花音痴から一歩前進した気がする。
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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。Nikon D700を使用。
2020年4月、Nikon D810にアップグレード。
2021年夏、ミラーレス一眼 Z7Ⅱへと更にアップグレード。
2022年10月3度目となる心臓手術を受け、大成功を収める。
2023年8月徐脈性心房細動で心停止(失神)したため、ペースメーカーを植え込む。

コメント18件

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荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

また足の浮腫みで。次回は頸椎のエコー検査となりました。けっかはだいじょうぶとしんs自邸ます。☆彡☆彡

2024年11月20日 (水) 22:51

Comodo

俊樹さん…おはようございます

昨日…コメントでご連絡頂きまして…今朝楽しみに訪問させて頂きました!
想像を超えた幻想的な彼岸花に目が釘付けになりました✨
ぬるま湯のような環境で育った人には出せない才気を感じます

私事で恐縮ですが…クラシックが好きでして
中でもベートーヴェンやシューマンなど
苦労・苦悩しながら生きた作曲家の重みがある作品をよく聴いています
神童・天才と言われ…プレイボーイ的だったモーツアルトの若き日の作品は
妙に明るくて軽くてスルーですが
晩年…苦悩と共に作られた「レクイエム(鎮魂歌)」は
心に響く素晴らしい作品です✨

刑期を終えたらお酒だと思います!
パトカーをタクシーにして…家に帰れて良かったです
私…夜の仕事もしていて結構見てきたので…懐かしくなりました^^

2024年11月21日 (木) 07:59

☆AMEX☆

こんにちは

彼岸花って撮影するのがあまり好きではなかったです。
人生の悲哀のような物まで感じ取れていたのかも知れません。
彼岸花ではないけど昭和48年頃静岡でバイトしていた時、新静岡センター北にあったスナックに良く行ったのですが店内にジュークボックスがあり3曲100円でしたが良く掛けました。
当時ヒットしてていた小柳ルミ子の「私の城下町」、エンゲルベルト・フンパーディンクの「太陽は燃えている」、そして当時ヒットしていた鶴田浩二の「傷だらけの人生」の3曲で特にこの曲は大好きでした。
本当は優しいのに不器用にしか人生が送れなかった人間味を若いのになぜか感じて聞きました・・。

2024年11月21日 (木) 12:21

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

慣れるに従い、良い面と悪い面が出てきますねー。頭が痛み、頸椎検査をしますが、1ケ月後で大丈夫なのでしょうかねー。☆☆

2024年11月22日 (金) 19:54

山田

こんばんは

大変悲しい過去があったんですね
幼少期は大変でしたね
私の父は組には入っていませんでしたが
けんかが強くて暴力団と何度もけんかになって
斬られたり、斬ったりのけんかを何回もしていました

父が生きている間は大変でした、特に母が苦労しました
後に私が一番苦労することになるとは想像もしていませんでした

2024年11月22日 (金) 20:38

雪野繭

人間の一生はドラマだと言う人もいますが、
俊樹さんもいろいろと御苦労をされて来たのですね。
私の両親も離婚とか、父の自殺とか、辛いことがたくさんありました。
今はドールの世界に逃げ込んでいますけど、
本当はもっと前に出なければならないのです。
1度きりの人生ですから、御自分を活かせる分野に進まれてください。
それが親孝行になると信じて。

2024年11月23日 (土) 09:46

apricot・a

悲しい過去を読ませて頂き、何とも言葉がありません。
私の母はよく「人生はプラスマイナスゼロ」だと言います。
私はそれを信じていて、俊樹さんにもプラスの事がたくさんおありかと思います。
もしくはこれから。
何よりも写真の才能をお持ちなのはステキです。

彼岸花のお写真、とても迫力あり圧倒されますね。

2024年11月23日 (土) 16:08

ネリム

こんばんは
彼岸花綺麗ですね。

2024年11月23日 (土) 18:07

sado jo

曼珠沙華の深紅の色は女の情念か?

曼珠沙華を秋の彼岸に咲く不吉な花として忌み嫌うのは日本人だけでしょうか?
曼珠沙華はジメジメした墓場(多湿を好む)で、死者の血を吸って赤く咲くと言う作り話もあります。
でも自分は…「♪曼珠沙華 恋する女は 曼珠沙華 罪作り 白い夢さえ 真っ赤に染める~」
(▼)女の情念がこもった山口百恵の『曼珠沙華』の歌がとっても好きだったりします。

https://www.youtube.com/watch?v=93IklDWYioQ 山口百恵の『曼珠沙華』(LPバージョン)

2024年11月24日 (日) 15:50

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

浮腫みが治らないのは、塩分だけではなさそうですね。怖いのは、腎臓に来ることですねー、☆彡☆

2024年11月24日 (日) 18:24

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2024年11月26日 (火) 21:31

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2024年11月28日 (木) 14:14

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

修理中のパソコンが、電源んが落ち映らなくなり修繕に再度来ます。おまけにスマホが、2回解除、してまたロックされました、初めてのことです。パズルのような画像です。急に変わるものでしょうかね。☆彡☆彡

2024年11月28日 (木) 19:12

みけ

タイトルと
お写真
そして 文を読み終え
あらためて
彼岸花の写真を見ると
いろんな思いが
溢れてくるようでした。

彼岸花の紅い色は
ただ美しいだけではない
何かがあるのか
咲いてる姿を見るだけで
心奪われてしまいます✨(*´ω`*)

2024年11月28日 (木) 20:20

こまちょんた

彼岸花って、こんなにきれいだったのですね!
ちょっと感動的なお写真です。
そうですか、曼珠沙華は「赤い花」という意味なのですね。
全く知らなかったし、調べようとも思っていませんでした(^^;)
教えていただき、ありがとうございます。

想像もできないような、お若い時代を送られたのですね。
これからの人生に、良い事がたくさんありますように!

2024年11月30日 (土) 17:27

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

パソコンも、人間と同じく、メンテナンスが必要」本等にその通りでした、お祖かったです、☆☆

2024年11月30日 (土) 18:21

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2024年12月03日 (火) 15:45

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

修繕は上がってきたのですが僕が留守の時で説明を聞いていませんので、さっぱりわかりません。撮影開始ですねー気を付けていってください。☆彡☆彡

2024年12月03日 (火) 19:57