Field of Cosmos!
昨年はコスモスの咲く時季に入院・心臓手術と大変な時期を過ごしていたため、撮影どころではなかった。退院後、何としてもコスモスを撮りたくて無茶を承知で浜離宮恩賜庭園へ行ったものの時季既に遅くまともな撮影は出来なかった。その時のリベンジと言う訳ではないが、今回かなり気合を入れて撮った積りである。都内にあるコスモス畑は浜離宮恩賜庭園くらいしか思いつかず一応行ってみたがキバナコスモスが乱雑に咲いているだけで、撮影意欲は失せてしまい、殆ど何も撮らず帰宅。やはり広大なコスモス畑と言えば立川の昭和記念公園だろうと思ったが、兎に角広すぎる公園はコスモス畑がある『みんなの原っぱ』まで立川ゲートからだと徒歩30分は優にかかってしまう。歩き疲れて撮影に没頭出来なければ、元も子もないので、今回は青梅線の西立川駅まで行く事とした。然し、西立川ゲートからでも目的地まで徒歩20分もかかり、今更ではあるが改めて公園の広さを思い知らされる結果となった。撮影日は10月7日なのであるが、今年は異常な暑さが長く続いていた事で、花たちの開花時季にも影響があり多分見頃のピークは過ぎていたような気がする。
秋を代表する花と言えばコスモスくらいしか思い付かないほど相変わらずの花音痴の私だが、一眼レフを始めて最初に撮った花がコスモスだったと記憶している。時期的にNikonの一眼レフD700を手に入れたのが2019年9月2日で、そこからカメラ生活がスタート、昔の日記を見ると毎日のように何処かへ撮影に出掛けていた。花の撮影に向いているレンズは何か等とそんな事も知らず風景写真を撮りたくて20mmの超広角レンズを使って撮影のイロハを身に付けて行った。誰からも教えて貰う事なく独学だった。そんな時に出会ったのが運河を撮影するため出向いた『しながわ花街道』に咲いていた一輪の可憐なコスモス。その時その花がコスモスだとは知らなかったのだが…。普通に真上から撮っても詰まらないので敢えて下からローアングルで見上げる様に撮った。背景を暈す様な技術も知らず構図のみに専念していた。
あれから4年の月日が流れたが、私の撮影技術は向上しているのだろうか?この4年間でカメラもレンズも大きく変わった。カメラを始める前は花などに全く興味もなく、道端に咲いている小さな花にさえ視線を合わせる事はなかった。だが、今は自分の身の回りにあるものたち全てが被写体と成り得るのである。自分の人生にひと味もふた味も違う味付けをしてくれたカメラに感謝している。
ところで、コスモスを漢字で書くと秋桜と言うのは誰もが知っている事なのだが、コスモスをじっくり観察して見ると色は違えど何処となく桜に似ていると思うのは私だけだろうか?色々調べて分かった事はこの『秋桜』の名付け親があの『さだまさし』だと言うではないか。昭和52年に山口百恵が歌って大ヒットしてからこの漢字が定着したと言う。さだまさしは優れたミュージシャンでありそして詩人でもあるから頷ける。因みにさだまさしの歌で一番私が気に入っている曲は『檸檬』。―食べかけの檸檬聖橋から放る 快速電車の赤い色がそれとすれ違う―このフレーズが特に好きである。撮影にはタムロンの望遠レンズ70-300mmを使用した。