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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

徐脈発作と東京タワー。

2024年02月25日
心臓病 17
東京タワー01

東京タワー03

東京タワー04

東京タワー05


 この東京タワーは昨年の7月に撮影したものだが、その頃と言えば徐脈性心房細動で緊急入院し、生きるか死ぬかのドタバタ劇を繰り返していた時期。つい最近の様な気もするがペースメーカー植え込みから半年が過ぎ、今はほぼ元気な毎日を送っている。正確に記すと7月22日の朝、前日に撮影した写真をRAW現像しようとパソコンの前に座った途端、いきなりの目眩、頭がクラクラし一瞬だったが気を失ったかも知れない。デスクの角に頭をぶつけた事を覚えているのだが、その前後がどうだったかハッキリしない。自分の身体に異変が置きている事だけは確信したが、連日の撮影で少し疲れたのだろうと軽く考えており、余り気にも止めなかった。
 その日も撮影の予定を入れていたので目眩の事は無視してカメラ機材をバッグに詰めて出掛けた。自宅から駅までの道程で何度も目眩を起こし「ちょっとやばいかも…」とふらつく身体を何とか気力で支え電車に飛び乗った。体調に異変があるのだから止めればよいものを、「撮りたい」と言う気持ちを抑えきれなかった。まるで欲しい玩具を見つけてそれを強請る我儘な子供状態であった。
 東京タワーライトアップが平日と土日では色が変わる事を今回の撮影で初めて知った。御成門ではなく芝公園で下車し、公園内を散策しつつ時間を潰し暗くなるのを待った。歩いている最中も度々意識が遠のく感じがし、その都度その場にしゃがみ込んで休憩。心不全なら呼吸が苦しくなるので直ぐ分かるが痛みもなく、動悸がする訳でもないのでまさか徐脈発作を起こしているなんて事は夢にも思わなかった。夜の帳が降り始め東京タワーの赤と星の様に輝く電球が夏の夜空に浮かび上がった。待ってましたとばかりに三脚にカメラを固定し、長時間露光撮影を開始。様々な場所から美しい女性の様な脚線美を持った東京タワーを撮りまくった。移動中、何度も気を失いかけていたが、そんな事もおかまいなしでの撮影。「知らぬが仏」とはまさにこの時の状態だった。
 東京タワーと言えばやはり思い出すのは父との事である。以前にも記事で紹介したが、刑務所帰りの父と一緒に帰りの電車の窓から眺めた東京タワーが脳裏に焼き付いている。雨粒が車窓に当たり弾けて流れ落ちる姿が涙の様に思えた。約二年ぶりの父との再会を東京タワーが祝ってくれている様な気がした。そう言えばあの時、私の隣にいた綺麗なお姉さんは、今でも健在なのだろうか?お腹を空かしているだろう事を察して、「これあげる」と優しく幼い私に一切れのパンをくれた女性…。人の優しさに飢えていた子供時代ではあったが、親切な大人たちに囲まれて育った私は決して不幸ではなかったと思う。
 それにしても東京タワーの夜景撮影中、失神しなかったのは運が良かったの一言に尽きる。きっと東京タワーが昔の事を覚えてくれていて、私を見守ってくれていたのかも知れない。
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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。Nikon D700を使用。
2020年4月、Nikon D810にアップグレード。
2021年夏、ミラーレス一眼 Z7Ⅱへと更にアップグレード。
2022年10月3度目となる心臓手術を受け、大成功を収める。
2023年8月徐脈性心房細動で心停止(失神)したため、ペースメーカーを植え込む。

コメント17件

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2024年02月25日 (日) 18:16

ネルメル

東京タワーの写真も見事ですが、お話も1篇の小説を読んだような気になりました。
時間の大切さを思い知らされます。
また、素晴らしい写真を撮って下さい。
楽しみにしております。

2024年02月25日 (日) 21:15

桜子

http://sakurako18.blog113.fc2.com/

私も東京タワーが好きです。
でも、無茶して写した写真なんですね。
夏の写真なのにクリスマスツリーの様にも見えて
何だか素敵です。
私が見たことに無い位置からの撮影なのかな~
こんな東京タワー初めて見る気がしますよ~

でもくれぐれも無理しないでくださいね。

2024年02月26日 (月) 12:44

sado jo

身体からのメッセージ

痛みは「身体のどこかが危険な状態だ」と知らせるメッセージであり、眩暈は「弱った身体を動かさない様にする」為の作用です。
下痢症の自分が最近知った事は「腸の中に入った細菌などの毒物を体外に排出する洗浄作用」で、寧ろ下痢しない方が危険だそうです。
異常があると本人に知らせてくれるメッセージは、何億年にも渡って生物が生存する為に進化させてきたとても大事なものです。
身体からのメッセージを受け取ったら、無理をしないでその指示に従ってください。

2024年02月26日 (月) 15:47

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

メールを頂きありがとうございます。!29日、一応の結論が出ます。
よき診断が得るよう祈るのmです。徐脈が出たようですが、頑張っていますね^^。☆☆。

2024年02月27日 (火) 09:13

雪野繭

俊樹さん、やっぱり徐脈発作の前触れがあったのですね。
危なく、東京タワーのお写真が「遺作」になるところだったとは、
知りませんでした。
とにかく今は無事で良かったです。
そろそろ桜の季節も近いので、色々と予定を練っている頃かと思います。
撮影は本人が元気であることが前提なので、
どうかご自愛ください。

2024年02月27日 (火) 12:36

山田

こんばんは

非常にやばい状態ですね
良く分かります、私も末期癌の上、腎不全で最悪ですが、病院の治療以外東洋医学の治療を受けています

そのために癌進行は止まっていて写真もどんどん撮りに行けますが、無理をすると家に帰れるのかどうか
分からない位の疲労になって足が動かなくなります
写真を撮っているとつい無理をしてしまいます
同じ気持ちです
くれぐれもお気をつけて撮影して下さいね

2024年02月27日 (火) 18:58

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2024年02月27日 (火) 19:41

ネリム

こんにちわ
東京タワー綺麗ですね。

くれぐれも無理はしないで下さいね

2024年02月28日 (水) 14:40

Kのコココレいいじゃん

素晴らしいテクニックですね

素敵な画像ですね。
東京タワーの色と木々の緑色、しかも夜景で素晴らしいです。
どのようにしたらこのように撮れるのか 悩みます。

2024年02月29日 (木) 19:32

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

遂に、肺がんの検査入院となりました。涙。☆☆

2024年02月29日 (木) 23:31

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2024年03月01日 (金) 18:47

みけ

そんなときの写真なんですね…
今思えば 強気の撮影でしたが
そんな事も 元気になられた今だからこそ
思えるもの…e-446

東京タワーのブルーの色が
綺麗ですe-420

これからも
どうぞお元気で
俊樹さんの東京タワー
撮り続けていって欲しいです(´ω`*)

2024年03月02日 (土) 14:43

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

3月19日に、入院が決まりました。肺の裏側に水が溜っているらしく、
何らかの癌があるらいいです。決めつけられて、予約日ががすぐ決まりましたが、
早すぎたに驚きました。☆☆もし帰宅できたらと思えば、涙が出ます。☆☆

2024年03月02日 (土) 21:07

apricot・a

私はスカイツリーより東京タワーの方が好きです。
年齢的にやはり昭和の時代からシンボルとされているからでしょうかね(笑)。
お写真、美しいです。
でも、ご苦労あっての撮影だったご様子、無理せずご自愛くださいね。
気力!って凄いですね~。

2024年03月03日 (日) 09:53

こまちょんた

とてもきれいな東京タワー。
でもご無事で何よりです。決して無理はしないでください。
読んでるだけで怖くなりました。
元気でいなければ写真も撮れませんよ。

2024年03月05日 (火) 14:02

荒野鷹虎

俊樹さんへ!!

野球青sく、名人がが2勝2敗タイに持ち込みました。☆☆

2024年06月01日 (土) 00:06