中東に自由の女神を!
世界を明るく照らす平和の象徴でもある自由の女神像。定説ではないが、そのモデルとなっているのはアラブの女性だと言う説…。当時、スエズ運河を航行する船舶の安全を守る灯台として建てられたのが起源だとか。アメリカの独立100周年を記念してフランスから寄贈された像だと言うのは誰もが知るところであり、灯台としての役目も担っていた。
その右腕を天に向けて高く掲げその手に持つトーチで暗雲立ち籠める世界を照らし、自由の女神は愛と自由と平和のシンボルとして今なお健在ではあるが、その女神の視点から世界の情勢を見詰めてみよう。ウクライナ紛争は依然として解決とは程遠く、双方とも一歩も譲らず膠着状態が続いている。
そして新たな火種が勃発した。連日ニュースが伝えているイスラエルとハマスの抗争である。長年に渡りパレスチナ問題を抱え中東の火薬庫と呼ばれる地域では、宗教や民族問題などが発火点となり過去にも幾度となく軍事衝突が勃発しており、それらが発端となって世界中に悪影響を及ぼし国際社会の分断を招いている。ガザ地区を実行支配しているイスラム過激派組織ハマスの後ろにはイスラエルが最も恐れるレバノンを拠点として活動している武装組織ヒズボラの存在がある。そしてまたそのヒズボラの後ろにはイラン・カタールなどのアラブ諸国が控えており、今後の成り行きによっては第四次中東戦争の二の舞いになる懸念が渦巻いている。
人質を盾にしてゲリラ線を展開するハマスに対し、イスラエルはその圧倒的軍事力を持ってガザ地区からハマスを一掃しようと連日連夜無差別的な空爆を続け、人質奪還に向けてあらゆる方向から地上戦を展開しており、民間人の犠牲者は今後も更に増え続け、ウクライナとロシアの様な長期戦、中東各国を巻き込んだ泥沼の戦争へと発展する懸念も含んでおり、中東情勢から眼を離せない状況である。
この様な悲惨極まる状況を見詰め女神は嘆き悲しみ血の涙を流しているのではないだろうか…。過去の歴史を紐解けば我が国日本も戦争に邁進した暗黒の時代があった。敗戦のどん底を体験しつつも持ち前の忍耐力でその苦難・国難を乗り越え、平和の尊さを最も実感している日本だからこそ何かしらの役割があるのではないかと思うのだが。これらの紛争が一刻も早く収束し、平穏な日常と子どもたちに笑顔が戻る事を願うばかりである。
※お台場の自由の女神像は季節によってライトアップの色が変わるが、冬の時期は暖色系だったと思う。お台場の夜景も実に美しいが、何処か哀愁を帯びた夕暮れ時の風景が気に入っている。