ROOKIES
ROOKIES(るーきーず)とは、流行の一周を信じ敢えて古めかしいスタイルを選んだ漫画作品である。
概要[編集]
1980年代の週刊少年ジャンプでは「ジャンプにマガジンの読者を誘引する」という目的で、当時マガジンが得意としていたジャンルの作品を故意犯的に模倣する連載作品が一気に増加した。その中で頭角を表したのが、「不良」「喧嘩」「番長」を三本柱とする『ろくでなしBLUES』で一躍ジャンプにヤンキーブームを築いた森田まさのりだった。
しかし88年の連載開始から何年も経ち90年代も半ばに入ると、「マガジンを追い落とせ」と気を張るどころか600万部発行の日本最大手週刊少年誌となった少年ジャンプにおいては森田の作風はあまりにも古くさくなってしまっていた。一応ストーリーはあるものの基本何処から読んでも「延々と飽きることなく老け顔の男子高校生が喧嘩しているだけ」というろくでなしBLUESは、それこそジャンプのろくでなしに成り果ててしまったのである。連載10年を機にろくでなしBLUESを終わらせ、心機一転次の作品に取り組もうにも森田は高校卒業と同時に漫画業界に沈んで以来社会人経験が全く無く、描けるジャンルは非常に狭かった。その中で、更に古臭い古臭いと言われ続けた作風で次は何をするべきか。
「流行は常に変わるが、いずれ一周する。リバイバルブームや懐メロブームのように、古さを売りにすればいい」。それはまさに天恵であった。かつて一世を風靡しすっかり古ぼけたスポ根というジャンルを1998年になって掘り起こし、繊細さの欠片も無いゴツい画風で描かれたのが不良少年が野球で更生するという「古臭すぎて逆に新しい漫画」ROOKISEなのである。
時代遅れと呼ばれて尚[編集]
そもそも不良をスポーツで更生させる熱血教師、という題材は1960年代に大流行したものである。というのも当時は進駐軍の占領政策もあって栄養状態が改善された戦後生まれ世代と、同じく占領政策によって伝家の宝刀である体罰が禁止され単なるサービス業に落ちてしまった教師たちの関係が悪化しており、せめて創作物の中でだけでもそれを是正し「大人が子供をちゃんと導く姿」を描こうというのが流行ったためである。そういった作品の教師たちは「体罰による懲戒免職さえ恐れない、時代錯誤の熱血教師」というのが定番だった。
ROOKIESの主人公となる熱血教師川藤幸一もそのパターンだが、60年には既に「時代錯誤」とされていたキャラクター性を1990年代も終わり頃になって掘り出した為最早化石に近い。彼は「技術より情熱と根性」という当時のスポーツ観そのままに、ルールさえロクに知らないまま野球部顧問となって体当たりで生徒と向かい合い、夢の甲子園へと歩んでいく。その教え子となる不良たちも、60年代の「不良生徒は感受性が強すぎるだけ、本当に悪い子供などいない。大人が真剣に向き合えば必ず伝わる」という古臭い教育感覚を彷彿とさせる設定になっており、彼らは野球を通じ川藤の真剣な眼差しによって更正していく。
勿論当時を知る中年世代にしてみれば今更感溢れる漫画に仕上がったが、そうではない世代にとっては「知らない世界」であり、ROOKIESは約五年の連載でコミックス24巻総売上2100万部突破という輝かしい実績を上げている。
実写化[編集]
連載終了から五年後、実写版『THE3名様』でジャンボ(原作では「ふとし」)役を演じた佐藤隆太を川藤役として実写ドラマ化されている。シナリオは若干変更されたものの、その古臭さは健在であり「夢にときめけ! 明日に煌めけ!」という60年代青春ドラマのような台詞は多くの中高年世代に若かりし日々を思い出させた。
また劇場版は当時としては珍しく邦画撮影の専門家でなくテレビ版スタッフが作成しており、特番としてのテレビ放映を主眼に置いているのが特徴である。この劇場版の作成スタイルはその後の邦画界を一変させており、2020年に『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』に抜かれるまでジャンプ版権の映画では興行収入1位(85億5千万円)を獲得[1]し、邦画批評を多く行う「映画秘宝」から『くたばれ!ルーキーズ』という非常に挑発的なレビュー集が発行される程広い方面へ大きな影響を与えた。
脚注[編集]
- ^ 現在でも漫画を原作とした実写映画(国内)では1位である。
関連項目[編集]
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記事は面白ければいいんだ。面白いものは削除されない。当たり前だ。
だが この「ROOKIES」は面白くない。
面白さを視野に入れるなら特に内容だな。誰でもいいから面白い記事を期待しているぞ。 (Portal:スタブ)