半分、青い。 (第80回・7/3) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第14週『羽ばたきたい!』の
『第80回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
原稿を仕上げられなかった鈴愛(永野芽郁)を救ったのは秋風(豊川悦司)だった。鈴愛が描けなかったときを想定し準備されていた原稿は、鈴愛の原作に秋風がアレンジを加えた、ふたりの合作だった。日が変わり、締め切りから解放された鈴愛は、岐阜の実家に電話をかける。受話器をとった仙吉(中村雅俊)に鈴愛は、漫画を辞めるかもしれないと打ち明ける。鈴愛の苦しみを感じた仙吉は、これまで語らなかった自らの過去を話し出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
たった3つを描くだけで、不快感を与えて矛盾三昧にする?
第76回の感想で、鈴愛の能力不足と、幼馴染で以前にプロポーズされた律が先に結婚して驚いたと言う事、たったこれだけのことを書くだけで、ここまで視聴者を不快にするか…と書いた。そして、今回も書く。
●弟子である鈴愛の能力が無いから師匠の秋風が助け
●落ち込んだ鈴愛を裕子とボクテが救い
●漫画を辞める決心を仙吉に伝える
たったこの3つを描くだけで、視聴者に不快感を与え、矛盾三昧にするのかって思ってしまった15分間だった。
「甘えの構造」が売りの本作で、突然「傷口に塩」か…
アバンタイトルから「神」は、おすっ飛ばしあらせられた。アバンで、菱本にこんな台詞を言わせたら、夢も希望もないじゃないの。もちろん、いろんな意味で。
菱本「先生は こういう事もあろうと思って
危機管理と言う意味で これをお描きになっていました」
確かに、秋風は超売れっ子漫画家の設定だから、原稿に穴を空けることがどんなに無礼なことかご存知だから、やったのは分かる。でも、今の精神状態及び漫画の才能の無さの鈴愛に、この言葉を浴びせるのって、傷口に塩も同然。
これまで散々「甘えの構造」で “鈴愛アゲ” をして来たのが本作なのだから、アバンで傷口に塩をやったら、誰だって主題歌明けは「傷口に砂糖」いや「傷口にアドバンテーム(砂糖の2万~4万倍の甘味度)」な展開になるのが、予測出来てしまう。どうして、この脚本家はこんなにも浅はかなのか?
頑張り過ぎたために、鈴愛に対して怖さや気味悪さしかない
そして、その主題歌明け。鈴愛を労わる? 裕子の言動だが、労わるとか慰めるとか応援するとか言うよりも単純に “百合の世界” に見えてしまった。演出家も「神」の少女漫画世界観に侵されたってことか。まっ、いいや。
具合が悪そうなのに、ここでの鈴愛は最近封印していた “ポエムな台詞” を大放出。イオンの「お客様感謝デー」でもないのに大盤振る舞いだ。でも言ってる内容を冷静に精査すれば、「秋風はプロ、鈴愛はプロもどき」と言っているだけ。これだけでも尺伸ばしにしか思えないのに、今度は、裕子から衝撃の一言が発せられる。
裕子「鈴愛 頑張ったねえ」
ほお! 裕子にはそう見えたんだ。「神」はそのようなおつもりで執筆されておられたのか。
●正人に恋して
●律にストーカーして
●時々寝ずに漫画を描いて
確かに、上記3つの個々の案件について「頑張った」のは間違いない。しかし、3つを鈴愛の一貫性のある言動として捉えると、“漫画そっちのけで、恋に突っ走り、恋心がご乱心した” と言うのが正確では? それも「9年間も」だ。何のために上京したのかも意味不明だし、ヒロインに対して怖さや気味悪さしかないのだが…
"鈴愛アゲ" の次は、"鈴愛ちゃんが可哀想アピール" か…
続いて驚いたのが、ボクテの台詞だ。
ボクテ「鈴愛ちゃんを漫画から解放してあげて下さい。
(中略)
先生の期待を一人で担おうと
したんじゃないんでしょうか?」
元師匠に対して無礼千万なのは、おバカなボクテだから許すとして、鈴愛が「秋風の期待を一人で担おう」としているなんて、1ミリも本作で描かれていない、いや全く印象に無いのだが。
本当、このボクテの台詞をフォローする「私も思っていました」と言う菱本といい、ここまで唐突に “鈴愛ちゃんが可哀想アピール” を矢継ぎ早にやられると、おいおいと突っ込みたくなるし、益々本作の「甘えの構造」が強調されて、鈴愛を応援したいと言う気持ちが封印されてしまうのだが。
ついに、脚本家が物語を創ることを完全に諦めたか…
それにしても、今回はほぼ全員が “ポエムな台詞” を大盤振る舞いしたお陰で、逆に何を言っても上っ面なドラマであることが、更に証明されたのに、最後の最後で中村雅俊さんの弾き語りのプレゼント。これ、本気で今回は「神の視聴者様感謝デー」のつもりで書いているのか。
選曲も「あの素晴らしい愛をもう一度」なんて、到底ドラマの内容と無関係で、完全に雰囲気重視になっていた。雰囲気重視にしたのは良いが、悲しいかな感動的にしたつもりなのに、こちらには全く感動とやらが湧いて来ない。仙吉の優しさも、鈴愛の安堵感もな~んにも伝わって来ない。
これ、ついに脚本家が物語を創ることを完全に諦めたと捉えた方が良さそうだ。“ポエムな台詞” を出来るだけ並べて、最後に弾き語りをバックに鈴愛が泣いたら、視聴者が感動するとでも思ったのか?
分かっているのにやらないのは世間では "手抜き" と言う
感動させたいなら、きちんと基礎工事、いや設計図からしっかりと計画と準備をしなくてはいけない。そのことは、劇中でネームの大切さを描いたのだから脚本家も重々承知のはず。分かっていることをやらないのは世間では “手抜き” と言う。
こんな中途半端な漫画家人生を書いて終わらせるなら、この2か月間は無くても一緒。いや、最初から必要だった? だから、先週土曜日の感想の鈴愛がストーカ容疑で逮捕され出所すると言う「6月最後の土曜日を神回にする提案」通りに作れば良かった。この位のリセットをしないと、鈴愛の印象は変わらないから。
仙吉と電話するのが "女優・永野芽郁" に見えてしまった…
いろいろ書いたが、今回で何気にがっかりきたのが、仙吉を電話をしている鈴愛。残念ながら、鈴愛には見えなかった。電話を掛けているのは「女優・永野芽郁」だった。
そう言えば、昨夜放送された『鶴瓶の家族に乾杯』をチラ見したら「半分、青い。SP 永野芽郁と長崎県雲仙市ぶっつけ本番旅(該当サイト)」とのタイトルだったが、すぐにチャンネルを変えてしまった。永野芽郁さん、好きな女優さんだったのに。本作がやっていることは、そう言うことなのだ。
あとがき
今回の鈴愛と仙吉のやり取りから察すると、鈴愛は秋風ハウスを出ても岐阜には直帰しないんですね。それで東京でバイトでもして男と出会うってことですか。
いつまで経っても、鈴愛は “待ち” の状態で「甘えの構造」に助けられて、何となく時間が経過していく(ドラマが進むのでない)だけみたいですね。流石に毎日、この体たらくでは感想を書くのが辛いです。せめて、15分間に1つでも褒めることがあれば良いのに…
最後に。前回の感想に、96回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。長文のコメントを頂くようになり、こちらの返信の手が間に合いません。大切に読ませて頂いておりますので、ご了承下さい。
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【これまでの感想】
第1週『生まれたい!』
1 2 3 4 5 6
第2週『聞きたい!』
7 8 9 10 11 12
第3週『恋したい!』
13 14 15 16 17 18
第4週『夢見たい!』
19 20 21 22 23 24
第5週『東京、行きたい!』
25 26 27 28 29 30
第6週『叫びたい!』
31 32 33 34 35 36
第7週『謝りたい!』
37 38 39 40 41 42
第8週『助けたい!』
43 44 45 46 47 48
第9週『会いたい!』
49 50 51 52 53 54
第10週『息がしたい!』
55 56 57 58 59 60
第11週『デビューしたい!』
61 62 63 64 65 66
第12週『結婚したい!』
67 68 69 70 71 72
第13週『仕事が欲しい!』
73 74 75 76 77 78
第14週『羽ばたきたい!』
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