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半分、青い。 (第5回・4/6) 感想

連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第1週『生まれたい!』 『第5回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


妻を亡くしてからふさぎがちな祖父・仙吉(中村雅俊)のため、律(高村佳偉人)と「川をまたぐ糸電話」大作戦に取り掛かる鈴愛(矢崎由紗)だったが、川の広大さを目の当たりにし、呆然と立ち尽くす。一方、鈴愛の両親・晴(松雪泰子)と宇太郎(滝藤賢一)も仙吉を鼓舞しようとするがうまくいかない。そんな中、鈴愛たちは同級生の手を借りて糸電話を川の対岸に渡すことに成功。対岸の律に向かって、鈴愛が全身全霊で声を届ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「発明」と「鈴愛」が関わるのはだいぶ先のことでしょ?

鈴愛「私は それで ばあちゃんと話す。
   じいちゃんは ばあちゃんが死んでから元気がない。
   鈴愛は じいちゃんと ばあちゃんを糸電話で話させてやる!」

前回のラストで鈴愛はこんなこと↑を言って、川幅の広い木曽川の川岸で、律が仲間を呼んだと言って、ブッチャーこと龍之介が登場。それをそのまま今回のアバンタイトルの冒頭に持って来た。そして、前回の続きで「糸電話」の話が続く…

これ、どうなんだろう? 以前にも書いたが、NHKの公式PRに「ヒロインが故郷である岐阜県と東京を舞台に、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明を成し遂げるまでの約半世紀の物語」とあるから、律が発明好きであることを描くのは普通だし、数多い登場人物の設定として前回で描いたのは否定しない。

ただ、この「発明」と「鈴愛」が関わるのはだいぶ先のこと。恐らく放送の時期としては 4か月以上先の夏頃のエピソードだ。それを『生まれたい!』とまでサブタイトルにした主人公誕生の物語を描くべき第1週でやる必要があるのかなってこと。

「糸電話」でこんなに尺を取るより、話を前進させるべき!

これがね、鈴愛自身が、おじいちゃんの元気がないのは、おばあちゃんと話が出来ないからだと子どもながらに勝手に決めつけ、この世とあの世を繋ぐ糸電話を完成させると明言しているなら良いのだ。しかし、前述の通りにそこまでは言い切っていない。「元気がないから話をさせる」で留まっているのだ。

だから、このエピソードが必要なのかなって思う。律の段取りにしてもそう。律の正確なら龍之介の他にもう1人連れて来なければ出来ないことは簡単に想像できると思うのだ。しかし、脚本家はそれをせず、敢えてまず龍之介だけにして、ふくろう商店街のシーンを挿入して、龍之介の家族の紹介シーンを割り込ませた。

お蔭で、折角前回のラストと今回のアバンを繋げた意味が無くなった。そう。鈴愛が菜生を呼びに行ったくだりが、話を遮ったのだ。確かに、聖子ちゃんの歌など80年代らしさを描いた効果は認めるが、全体に時代背景を匂わせるよりも、今は話を確実に前に進めるのが先決では? だって、まだ第1週目なのだから。

『まれ』と『わろてんか』との良くない共通点が多い!

それにまだ気になることがある。登場人物の多さだ。まず、単純に脇役がかなり多い。今後の主人公にどう係わるのか現時点では全く分からない脇役それも子役時代も含めて、かなり多い。そしてその人物説明も多い。また、主人公と一緒に鈴愛の父・宇太郎と母の晴も描き込もうとしている。両親を盛り込むのは『まれ』を思い出す。

そして、第1、2週目の序盤で主人公の鈴愛よりも、相方の律のエピソードの方が面白味があって興味深いのは、『わろてんか』の初期のてんと藤吉の描き方に似ている。『まれ』と『わろてんか』との良くない共通点が多いことは決して良いことでない。

「糸電話」で鈴愛の家族思いの心情を描けば良かったのに…

今回の終盤で龍之介がこんなこと↓を言う。

龍之介「川挟んで 名前大声で呼び合うとか
    愛やないの? 違うの?」

これ、明らかに恋バナの伏線なのだ。でも、やはり思ってしまう。第1週目だからこそ、この「糸電話」のエピソードは、主人公が寂しがってるじいちゃんのことを心配して、幼馴染の律に相談して、まずは木曽川のこっちとあっちを繋げて、そんな孫の優しさに癒されるじいちゃん、そして勉強は不出来でもそんな娘を褒める両親で…

なんか、想像していたのと違うのだ。とにかく、もっともっと鈴愛を描くべき。脇役や時代背景はその次で良い。特に子役時代から永野芽郁さんに切り替わる前後で、しっかりと丁寧に鈴愛と言う人間の原点を描かないと、『わろてんか』の二の舞になる。まさか、それを補うために律も亡霊で大発明を支える訳ではあるまいし…

あとがき

全体的には、『ドラえもん』や『じゃりン子チエ』あたりのテイストを演出は狙っているんでしょうかね。それはそれで、オープニング映像と星野源さんの主題歌の世界観と合っていると思います。でも、私が感じるのは、前作同様に脚本家の真意を演出家が正しく汲み取っているか? と言う不安と言うか疑問。

脚本を読んでいないので、どう編集で改変されているのか想像するしかありませんが、ちょっと演出(編集)で全体の流れを切り刻み過ぎているように思うんです。この5回分を見ても、記憶に残るのは鈴愛と律が同じ病院で同じ日に生まれたことだけで、話は進んでません。鈴愛の名付けのくだりでもあれば、印象が違ったのに… そう言うことです。

最後に。第4回の感想に、60回ものWeb拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。『半分、青い。』と言うタイトルですが、『半年分、長い。』と感じなければ良いなと思いました。この引き延ばし感とぶつ切り感がそう思わせる原因です。でも、子役さんたちの演技や存在感が自然でほんわかしているのが救いです…

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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