半分、青い。 (第79回・7/2) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第14週『羽ばたきたい!』の
『第79回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
秋風(豊川悦司)のひと言で再び漫画を描き始めた鈴愛(永野芽郁)。締め切りが迫る中、何とか鈴愛の力になりたいと、裕子(清野菜名)とボクテ(志尊淳)もオフィス・ティンカーベルに集まる。ところが、鈴愛は全く先の展開が思いつかない。焦る鈴愛をよそに時間は刻々と過ぎていき、ついに締め切りの朝を迎える。そのとき、描きかけの原稿を前に呆然とする鈴愛の携帯電話が鳴り、聞き覚えのある懐かしい声が聞こえてきて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
朝から自己チュー鈴愛のメソメソ顔なんて見たくない!
前回の感想は、個人的にかなりぶっ飛んだ「神回」の提案をしてしまったので、今回は真面目に書いてみる。今回のアバンタイトルだが、「惜しい」のは、ネームの有り無しで漫画を描くとどんな違いがあるのか、これまでほぼ説明が無いから、「ネームなしで」と秋風が言っても分かり難い。
そして、鈴愛が「ネームなしで」最初に漫画を描いたことも、当時それ程は強調されて描かれていないから、それが鈴愛の漫画人生に於ける “原点回帰” のきっかけになるように見えない。
脚本家は、「視聴者はネームくらいは分かるよね。一応、鈴愛が捨てた事件でも書いたしね」とか「視聴者は鈴愛がネーム無しで漫画を描くことがどんな意味か分かるよね。最初に書いたネーム無しの漫画は近所で面白いって評判だったって書いたしね」と本気で思っていると思う。
確かに、これまでずっと見て何となく脳内補完して満足している視聴者は「はい、神様の言う通りでございます」となるだろう。また、今回が初見の視聴者なら「漫画の師匠がやり直せ」と発破をかけて応援してるんだ」と見えると思う。
では、3か月間ずっとモヤモヤを抱えながら見て来た私はどう感じたか? 「そもそも鈴愛って漫画の才能あったの? それに、大して漫画を描いてる印象無いんだけど…」だ。
だから、鈴愛の立ち直りなんて、週跨ぎで引っ張る必要なんて無かったのだ。先週の1週間で片付ければ良かった。「朝から自己チュー鈴愛のメソメソ顔なんて見たくない!」と思わせるだけのアバン。だから「惜しい」。でも、もう何ともならないような気がする…
強引に "主人公特権" で主人公らしく見せても無駄
さて、私が書いた土曜日の感想の「6月最後の土曜日を神回にする提案」通りに作っていれば、星野源さんの歌声もオープニング映像も「罪を償ったんだから、鈴愛ちゃん、これから心機一転だね。頑張って!」と見聞き出来たのに…。
さあ、本編が始まった。本編は「惜しい」と「今さら」の二言に尽きる。今さら5日間に亘る鈴愛の漫画との攻防戦を描いても遅いのだ。
これまできちんと見て来た視聴者には、鈴愛の漫画への情熱がそれ程でもないこと(特に恋愛よりも格下扱い)に見えているし、鈴愛が漫画を描いている印象的な描写としては、いつもネームを書く際のアイデア不足に苦戦しているだけ。あとはボクテと裕子、岐阜の家族らの “鈴愛アゲ” によって偽造された “才能” と “プロの漫画家” なのだ。
言い換えれば、前者は鈴愛自身の才能の無さを描き続け、後者は本人以外の力で “才能あるプロ” に見せ続けて来ただけなのだ。要は、これも迷走する脚本家が度々陥る “主人公特権” や “主人公だから” だ。
良い例は、ボクテと裕子。この2人は脇役だから “主人公特権” が適用されなかったから、秋風に引導を渡させてあっさりと「漫画家」として退場した。そう、実は鈴愛もボクテと裕子くらいにあっさり「漫画家」を諦めて岐阜に帰らせるべきだったのだ。
鈴愛の主人公らしい描写と言えば、誰よりも “ポエムな台詞” を喋るだけ。その程度の特徴の登場人物は主人公ではない。だから、無駄に引っ張ってる印象しかない…
今回も、困った時の「ポエムと律と鈴愛」頼みか…
そして、更に困ったのは、締め切りで極限まで追い込まれているはずの展開なのに、律を登場させたこと。その律と鈴愛が意外と電話で長話。
「6月最後の土曜日を神回にする提案」通りに作っていれば、絶対に律から電話なんて掛かって来ないのに、ここでまた律を登場させ、鈴愛に「律」と言わせたために、またストーカーが再燃。どうやら、脚本家はポエムと律と鈴愛を出しておけば、何となくいいシーンになると本気で信じているようだ。
これは、残り3か月を切った本作の現状を考えると本当に恐ろしいこと。だって、鈴愛の漫画家人生が掛っている場面でこの手法を使うんだから、今後も鈴愛の人生の節目みたいな場面は説得力ゼロの雰囲気重視になることが、ほぼ決まったから。
結局は、"甘えと甘やかしの世界" の話じゃないか!?
さ~て。律が鈴愛に電話を掛けるのも無神経だし、妻が結婚報告のハガキを誰に送ったのかを知らないのも無神経だし無責任。漫画の原稿も結局は秋風が書いてフォロー。と、書けば聞こえは良いし、永野芽郁さんが何とか演じた完全に心が折れた鈴愛がいたから(まだまだだと思いますが)、表面的に見ている人は感動出来たかも知れない。
しかし、多くの視聴者口をポカーンと開けたのではないだろうか。「結局は、“甘えと甘やかしの世界” じゃないか!?」って。そう、「甘えの構造」こそが本作の根底に第1回から脈々と流れているのだ。だから、努力も苦悩も最終的に必要はない。誰かに依存し誰かが助ける。それが本作。今回から、そう言う作品だと思えば、全てを「惜しい」「イマイチ」と思えるかも…
あとがき
前回で、秋風にネームを見せて、何も言われないと「どうして どうして前みたいに『何だ この紙クズ』と言ったり こうして カラスの羽みたいに放り投げないんですか?何でですか!?これ クズですよね」」と逆ギレしましたよね。まあ、まだペエペエの弟子ならともかく一応プロで飯を食った人間なら、クズと分かっている物を秋風に提出するのもどうかと思いましたが…
今回は、もうアイデアを貸すことは出来ないと宣言した裕子に、「じゃ ボクテに」と自分で言っておきながら、「何で止めないの?」を声を裏返してまでしての逆ギレ。混乱している鈴愛を描きたいのは理解しますが、前回で混乱した結果、完全にストーカーになった鈴愛を描いてちゃっていますから、混乱していると言うより「甘えん坊のかまってちゃん」にしか見えなくなりました。やはり「甘えの構造」を何とかせねばいけないと思います。
最後に。前回の感想に、91回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。これで漫画は最後らしいですから、終わるのを待ちますか…
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 半分、青い。 Part1 (NHKドラマ・ガイド)
【Amazon.co.jp 限定特典/クリアファイル付き】「永野芽郁 in 半分、青い。」PHOTO BOOK
「永野芽郁in半分、青い。」PHOTO BOOK―2018年度前期連続テレビ小説 (Tokyo news mook)
半分、青い。 上 (文春文庫)
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11550/
【これまでの感想】
第1週『生まれたい!』
1 2 3 4 5 6
第2週『聞きたい!』
7 8 9 10 11 12
第3週『恋したい!』
13 14 15 16 17 18
第4週『夢見たい!』
19 20 21 22 23 24
第5週『東京、行きたい!』
25 26 27 28 29 30
第6週『叫びたい!』
31 32 33 34 35 36
第7週『謝りたい!』
37 38 39 40 41 42
第8週『助けたい!』
43 44 45 46 47 48
第9週『会いたい!』
49 50 51 52 53 54
第10週『息がしたい!』
55 56 57 58 59 60
第11週『デビューしたい!』
61 62 63 64 65 66
第12週『結婚したい!』
67 68 69 70 71 72
第13週『仕事が欲しい!』
73 74 75 76 77 78
第14週『羽ばたきたい!』