半分、青い。 (第11回・4/13) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第2週『聞きたい!』
『第11回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
一生、左耳の聴力が回復することはないと告げられた鈴愛(矢崎由紗)だったが、何事もなかったように明るく過ごす。気丈にふるまう娘の姿に、晴(松雪泰子)は母親としての責任を感じ、夜な夜な涙する。宇太郎(滝藤賢一)と仙吉(中村雅俊)は、そんな母娘を支えようとするのだった。ある日、小学校の授業で鈴愛に災難が降りかかるが、ピンチを救ったのはやはり律(高村佳偉人)だった。そんな律の前で、鈴愛は初めて涙を流す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回のアバンも前回の繋がりでなく、話を前進させた…
前回のラストが、片耳失聴を知った鈴愛が部屋で天井を見上げるシーンで終わったから、そのまま夜になって布団の中で考えるシーンででも今回のアバンタイトルが始まるかと思いきや、早速時間経過させて話を進めて来た。それも、前回で「帰れ」と言われた律と鈴愛が並んで座ってる。こんなさり気ないシーンがホッとする。
律を通して鈴愛を描くのがいい…
さて、アバンでは引き続き律を描く。いや、律を通して片耳失聴になってしまった鈴愛を描く。そして鈴愛を思う律を通して、律と言う人間がどんなものかを描く。冒頭のナレーションもいいじゃないか。誰もが分かっていることだけど、「律を描いて鈴愛を描いて、それでまた律を通して鈴愛を描く宣言」みたいだから…
N「律君は 鈴愛に近づこうとしていました」
母親同士、不安な気持ちを語り合える友だちがいる…
主題歌明けは律の家に晴と和子。やっと病気の子を持つ親の心情を “普通に” 描くシーンが挿入された。前回までは親も子も気を張った場面が多かっただけに、本編の冒頭でこのようなシーンが入ると落ち着ける。と言うか、不安な気持ちを語り合える友だちがいると言うシーンがあることで、なんか救われると言うか…
「感じ」は分かるが「漢字」は分からない…?
場面変わって川岸。渡し舟の船頭と鈴愛が話してる。どうやら片耳失聴になった自分を鈴愛は自分なりに解釈、咀嚼して自分の事として受け入れよう、取り込もうとしているようだ。自分の状況を口に出して言うと言うのは、そう言うことだと思う。そんな鈴愛を船に乗せての船頭との会話がいい。鈴愛を探しに来た晴の遠くの声が聞こえない…
鈴愛「聞こえんくても 大体分かるな。言っとる事」
船頭「以心伝心ってやつやな」
鈴愛「いしんでんしん… 何それ?」
船頭「心が通じ合ってるって事や」
この会話の前段で、船頭が自分の妻も空襲で左耳が聞こえなくなり死んだと言うのを鈴愛に話すくだりがあった。その時鈴愛は「ごめいふくをいのる」と字幕表記は全て平仮名で書いてあった。音として使う場所は知っているけど、漢字は分からない。「感じ」は分かるが「漢字」は分からん。これが「以心伝心」でも行われた。
私も、つい「感じ」は分かるが「漢字」は分からないと言葉遊びのように書いてしまったが、実は「感じ」が分かると「心が通じ合う」はちょっと似てやしないだろうか? 川の真ん中の船の上と川岸で互いを呼び合い母と娘のシーンを見て、ちょっとそう思ってしまった。
体育の授業とマグマ大使の笛で「以心伝心」を描く…
体育の授業のシーンも脚本と演出が良かった。「あと5分」と言う時間制限を設けて、その中で鈴愛の緊張感や不安感と、律の優しさや勇気、そして鈴愛と律の「いしんでんしん」をしっかり描いた。更にそれを「マグマ大使の笛」になぞらえて見事に回収。
"鈴愛と律の心のトキメキ" に、川面への逆光の反射が呼応する…
その後の川の三角州みたいなところの木のベンチに座る鈴愛と律のシーンも幻想的だ。まず、逆光で川全体が見渡せるが二股に分かれるような場所に2人を配置。これによって、2人だけの世界を作ると共に孤独感もちょぴり加わる。カメラがゆっくり2人の背後から寄ったかと思うと正面受けになり…
耳を近づける2人がまるで恋人同士が頬を寄せ合うようなカットになる。夕日が2人を明るく照らし、またカメラが後ろに回り込むと、逆光が更に強くなっており、その輝きがまるで “2人の心のトキメキ” と反応し合っているように映る。そして、今回の一件で初めて鈴愛が声を出して泣く。グッと来た…
鈴愛「帰ってもいいぞ」
律「いいよ つきあうよ」
スローモーションの2人の水切りと永野芽郁さんの台詞が秀逸!
2人で水切りをして遊ぶカットがスローモーションになった。手持ちカメラで揺れた映像で、逆光を受けて恐らく2人はまぶしくて仕方ないのに、水切りを続ける。互いに感じる「不安」などを忘れたいように。そこへ成長した鈴愛のナレーション、と言うかこの時を思い出した鈴愛の心の叫びのようにも聞こえた台詞が入った。
お蔭で、船頭との会話から体育の授業、川岸での出来事ら全てが、鈴愛の回想にもなり、ドラマとしてはロマンチックでもありファンタジックでもあり、なかなか見応えのある15分間だった。
あとがき
最後の永野芽郁さんの声による語りの言葉選びは、さすが北川悦吏子さんらしいなと思いました。如何にも、これからドラマが始まる予感を掻き立てる感じで。でも、でもね。もっと雰囲気でなく鈴愛を描いて欲しいと言う希望はあります。今はまだ始まったばかりで情報量が少ないから良いけれど、話が進んでいくと雰囲気で視聴者に想像させるだけでは物足りなくなるはずです、きっと…
また、前回の感想に、78回ものWeb拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。律と言う人間が描かれたのが良かったです。明日はいよいよ永野芽郁さん登場かな? 今の鈴愛役の矢崎由紗ちゃんがとても良いので、どう切り替わるのか楽しみです。
最後に、数日前から、『朝ドラ』と『夕ドラ』の感想記事が同時進行になっており、コメントをたくさん頂戴するのですが、返信が追いつきません。なにせ、1つ1つコピペしないと作業が進みませんので。返信が遅いのは、どうかご容赦下さい。書ける時に書きますので、待って頂けると助かります。
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