半分、青い。 (第70回・6/21) 感想 ※追記あり

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第12週『結婚したい!』の
『第70回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
裕子(清野菜名)のことを相談をしようと、鈴愛(永野芽郁)は人気漫画家となったボクテ(志尊淳)を喫茶・おもかげに呼び出す。そこに偶然、秋風(豊川悦司)が現れる。3年前の破門騒動以来の再会。鈴愛とボクテの密会に秋風は怒るかと思いきや、ボクテの力で裕子を助けてやってほしいと伝える。数日後、漫画ばかり描いていないで合コンした方がいいという裕子と鈴愛は口論になる。激しい口論の中、二人の本心があふれ出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回こそ、演出家がカメラアングルに拘るべき回だった…
秋風「今週号の『女光源氏によろしく』
3ページ目4コマ目のアングルが弱い」
私が本作の担当ディレクターだったら…なんて、とんでもない自意識過剰な超がつく妄想で書くのだが。「何事も最初が肝心」だ。だから、この第70回の序盤の序盤の2分で、秋風の台詞の中に「アングルが弱い」と言う言葉が入っていたら、この回のカメラアングルには細心の注意を払わないと、作品の世界観を崩壊させてしまう…と、気合を入れると思う。
では、今週の演出担当である田中健二氏はどうだったか? 因みに、演出の田中氏は、現在再放送中で、今のところ私にとって名作の可能性大である(まだ観終えていないから断言はしない)の『カーネーション』のチーフ・ディレクターでもある。
ボクテの奥にいた2人の女性客は何なの?
さて、その秋風が喋る喫茶店のシーンで、早くもアングル、と言うか画面サイズ的に不可解なものがあった。それは、ボクテの奥にいた2人の女性客。こちらをボクテたちをチラチラと何度も見るのだが、あれが誰だか気になって話しが頭に入りづらい(入らないとは言わない)。
これが、秋風やボクテのファンと言う設定でも分かっていれば腑に落ちるが、ただ存在しているだけだと前回の律のくだり同様に目障りだけ。無い方がスッキリすると思うが…
撮影と編集がチグハグ過ぎて "裕子の真意" が分かり辛い
場面は、「秋風ハウス」で鈴愛と裕子のやり取り。ここのシーンは、カット割りがめっちゃ適当。画面の手間の隅っこに被写体を僅かに入れ込むことを「ナメる」と映像用語で言うのだが、その「ナメる」具合がとても中途半端。裕子の主張を鈴愛と視聴者に届けるなら、鈴愛は「ナメる」べきでない。なぜなら裕子とは違う考えの人だから。
逆に鈴愛の寄りのカットの時は、鈴愛が裕子に押され気味なシーンだから、鈴愛のカットに裕子が割り込んでもおかしくない。しかし、このシーンではほぼ全カット「ナメる」のが逆になっている。特に酷いのが横並びの2ショット。これでは、2人が対等の立場に見えてしまう。だから、裕子の真意が全く伝わって来ない。
●裕子は漫画を描いているのが嫌で、結婚に逃げたってこと?
●結婚したいから、漫画を捨てたってこと?
超好意的な脳内補完をすれば、どちらかだと考えることは出来るが、これまで裕子が漫画家を継続することや、結婚や結婚相手について、それこそ自身の将来について悩んでいる場面が、1つでも印象に残っていれば、どっちかであることは分かったかも知れない。
しかし、苦悩が描かれずに、結果だけを号泣しながら見せられても、こちらは口をポカーンと開けるしかない。まっ、どっちが裕子の真意でも、つい先日は「お互いを戦友」みたいに描いていた本作が、まだ連ドラとして崩壊の一歩を辿るのは間違いないような…
今回で "鈴愛の漫画愛" を描くのは "場違い" では?
だが、『結婚したい!』と言うサブタイトルから想像すると、明らかに「結婚したいから、漫画を捨てた」のだ。なのに、劇中の鈴愛は、「漫画家は機械じゃない。漫画も漫画家もスゴイ」みたいな論調で裕子を説得しようと11分過ぎまで描写が続く。これ、おかしいでしょ。裕子は「結婚したいから、漫画を捨てた」の。
要は、裕子にとって漫画より結婚の方がプライオリティーが高いってこと。だから、「漫画がスゴイ」で説得されるはずがないのだ。脚本家も演出家も、鈴愛の漫画、漫画家への情熱を “今さらながら” 描いたつもりだろうが、このシーンでやっても的外れも甚だしい。単に永野芽郁さんの涙の演技の無駄遣いだった…
裕子のアップに映り込んでいたピンボケのアシスタントって必要なの?
11分過ぎのティンカーベルでのシーンもしっくりこない。このシーン、いつもより引きの画(その場所全体が映り込むようなカメラサイズのこと)が多いだけで気になるのに、劇中ではそれなりに重要な話を秋風と裕子がしているのに、その背景となるアシスタントや鈴愛に対する演出的な配慮が…酷い。
まず、裕子のアップのずっと後ろにピンボケのアシスタントの男性が映り込む必要性は無い。冒頭で書いた喫茶店の女性客と同じで、画面に集中させない役割しか果たしていない。なぜ、こんなことをするのか全く分からん…。もしかして秋風の「単行本になった時に直しておきなさい」の通りに、総集編とDVD化で修正するの?
結局、演出と編集と俳優が "ポエムな台詞" の犠牲者に
結局、脚本家は “ポエムな台詞” ばかりに拘り、演出家は真意が分かり辛い “ポエムな台詞” の解釈に困って抵当な雰囲気作りで撮影し、そんな映像だから編集はさらに困って、今回のようにブツ切れの連続みたいになっちゃう。俳優が気の毒なのは間違いないが、視聴者としてそんなことを言って見ている訳には行かない…
あとがき
まるで、裕子が今さっき漫画家生活の怖さを知ったかのような口っぷりで熱弁をしていましたね。それに対して鈴愛もここぞとばかり漫画愛を爆発させていましたが、ここに至る過程、経緯が見たかったのです。なぜ裕子が辞めるに至ったのか。なぜ、鈴愛は裕子を必死に止める気持ちになったのか。そこが見たかったのに、結果だけ見せられてもなぁって感じでした…
最後に。前回の感想に、60回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。作家は漫画家と言う職業や、当時の女性の結婚観など、ちゃんと調査して書いたのでしょうか。でも、今回の唯一の救いは、秋風が言ったことが結構まともだったことです。それだけに秋風以外の台詞が空を切って終わって残念です…
【追記 2018/06/21 15:00】
冒頭の喫茶店のシーンで、ボクテの背後にいた女性2人は、第69回でボクテのファンとして登場していました。私の度忘れでした(謝)
しかし、あれれ?さんの拍手コメントで目が覚めました。最近、ほぼ惰性で見ている上に、ボクテの話ななんてどうでも良いと思いながら見ているので、忘れるのです。このミスで、今週いっぱいで感想を打ち切るか決める決心がつきました。永野芽郁さんを応援し続けたい気持ちは今でもありますが…
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 半分、青い。 Part1 (NHKドラマ・ガイド)
【Amazon.co.jp 限定特典/クリアファイル付き】「永野芽郁 in 半分、青い。」PHOTO BOOK
「永野芽郁in半分、青い。」PHOTO BOOK―2018年度前期連続テレビ小説 (Tokyo news mook)
半分、青い。 上 (文春文庫)
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11509/
【これまでの感想】
第1週『生まれたい!』
1 2 3 4 5 6
第2週『聞きたい!』
7 8 9 10 11 12
第3週『恋したい!』
13 14 15 16 17 18
第4週『夢見たい!』
19 20 21 22 23 24
第5週『東京、行きたい!』
25 26 27 28 29 30
第6週『叫びたい!』
31 32 33 34 35 36
第7週『謝りたい!』
37 38 39 40 41 42
第8週『助けたい!』
43 44 45 46 47 48
第9週『会いたい!』
49 50 51 52 53 54
第10週『息がしたい!』
55 56 57 58 59 60
第11週『デビューしたい!』
61 62 63 64 65 66
第12週『結婚したい!』
67 68 69
- 関連記事
-
- カーネーション:再放送 (第66,67回・2018/6/21) 感想 (2018/06/21)
- 突然コマーシャルドラマ「名探偵コジン」 (2018/6/20) 感想 (2018/06/21)
- 半分、青い。 (第70回・6/21) 感想 ※追記あり (2018/06/21)
- カーネーション:再放送 (第64,65回・2018/6/20) 感想 (2018/06/20)
- 半分、青い。 (第69回・6/20) 感想 (2018/06/20)