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Dave Ballou / Amongst Ourselves

Label: SteepleChase
Rec. Date: Sept. 1997
Personnel: Dave Ballou (tp), Tony Malaby (ts), Michael Formanek (b), Jeff Williams (ds)
Ballou Dave_199709_Amongst
1. All about Joey [Ballou]
2. Blake's Vision [Ballou]
3. Amongst Ourselves [Ballou]
4. Phone Queen [Ballou]
5. Boom Boom [Ballou]
6. The Great Matter [Ballou]
7. 7.5 [Ballou]
8. Line [Ballou]
9. J.W. [Malaby]
10. Bidu [Malaby]
11. Skuds [Ballou]

 Andrew Hill / A Beautiful Dayにトランペット奏者として参加していたDave Ballou(1963年Rhode Island出身)のリーダーアルバムです。

 贔屓のTony Malabyとの共演ということで目にとまったアルバムで、本作の後のアルバム「On This Day(2001、SteepleChase)」にもTony Malabyが参加しています。SteepleChaseのカタログの中でTony Malabyの名前が登場するのは、おそらくこの2枚のみではないかと思われます。その他にDave Ballouが参加している手元のCDでは「Kenny Werner / Beauty Secrets(1990、BMG France)」、「Mario Pavone / Arc Suite t/pi t/po(2010、Playscape)」、「George Schuller / Tenor Tantrums(1998、New World Records)」でTony Malabyと共演しています。
 ベースは私のコレクションの中でしばしば登場するMichael Formanek、ドラムは1970年代にDavid Liebmanらと活動していたJeff Williamsです。

 このピアノレスのカルテットは、「淡々とした」或いは「飄々とした」というのでしょうか、聴き手に対してオープンに語りかけてくるような雰囲気は希薄で、とてもクールで独特な舌触りのサウンドです。リーダーのDave Ballouはビッグバンドでの活動の多いトランペッターのように認識していましたが、このアルバムではいわゆる「決まり事」はあまり多くなく、和声楽器がいない分、ポカーンと自由なスペースが用意されて(ベースとドラムのリズムは基本キープされますが)、フロントの二人が絡み合うようなアドリブを展開する・・・基本的にこのような構図のサウンドです。
 演奏されるのは全てリーダー又はTony Malabyのオリジナルで、どこまでがテーマでどこからがアドリブなのかわからにような、なんとも不思議な(或いは変テコな)楽曲ぞろいです。そしてフロント二人はそれほど熱くはなりません。Tony Malabyは、実に深い音色でいつものように「情念」という単語が思い浮かぶようなラインを、いつもより「静かに」吹きます。これはこれで紛れもないTony Malabyの個性でしょう。また、Dave Ballouのトランペットをこれだけ集中して聴く機会というのもそうないと思いますが、どこかDave Douglasを思い出させる、普通のラッパ吹きとは違う「ズレ」みたいなものを感じさせるプレイは、この人の持ち味だと思います。かなり「屈折」していますけれど。

 SteepleChaseのカタログの中でも異色作といってよいでしょう。Dave BallouとTony Malabyの「普通のプレイヤーとはだいぶん違う」感をたっぷり味わうことができて、不思議な魅力のあるアルバムです。

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Author:sin-sky
半世紀ジャズを聴いている新米高齢者♂です

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