Andrew Hill / A Beautiful Day
Label: Palmetto Records
Rec. Date: Jan. 2002
Personnel: Ron Horton (tp), Dave Ballou (tp), Laurie Frinck (tp), Bruce Staalens (tp), Charlie Gordon (tb), Joe Fiedler (tb), Mike Fahn (tb), Jose D'Avila (tuba), Aaron Stewart (ts), John Savage (as, fl), Marty Ehrlich (as, cl, bcl), J.D. Parron (bs, bcl), Andrew Hill (p), Scott Colley (b), Nasheet Waits (ds)
1. Divine Revelation
2. Faded Beauty
3. Bellezza
4. 5 MO
5. New Pinnochio
6. J DI
7. A Beautiful Day
8. 11/8
Marty Ehrlich / Line on Loveに続いて、彼が参加したAndrew Hillのリーダーアルバムを取り上げます。
ジャズを聴き始めた頃はちっとも面白いと思えなかった1960年代Blue NoteのAndrew Hillでしたが、いつ頃からか、何の抵抗もなく聴くようになっていました。とは言っても、それほど熱心なリスナーではありません。リーダーアルバムでは、1960年代Blue Note以降は、1990年前後にGreg Osbyが参加した新生Blue Noteの2枚「Eternal Spirit(1989)」と「But Not Farewell(1990)」、それに本作、それくらいしか所有していません。2007年に亡くなったことも、この記事を書くまで知りませんでした・・・そう言えば、そんなニュースを聞いたような気もしますけれど。
彼が率いるビッグバンドのNYはBirdlandでのライブです。ビッグネーム(?)のAndrew Hillと言えども、こういう「マニアック」なビッグバンドのライブに一体どのくらいお客さんが入るのでしょうか?
当然ながら全曲Andrew Hillの作・編曲(1曲目のみトランペット奏者として参加しているRon Hortonのアレンジ)で、かなりハードな曲想の"Divine Revelation"(「神のお告げ」といった意味でしょうか?)という曲からスタートします。
彼のピアノのソロ、アレンジともに、我が道を行くAndrew Hill。テーマ部は比較的緩い(とは言っても、いかにもAndrew Hillらしい「ひねくれ」が効いていますが)アレンジで、アドリブ・コーラスに入るとかなり自由なスペースに突入して、リーダーやリード・ホーン奏者が自由なソロを展開する・・・基本的にこのようなペースで演奏は進みます。クラリネット、フルート、チューバもうまく利用して、100%Andrew Hillの世界を構築していきます。
超有名どころというかスター・プレイヤーは参加していませんが、いずれも、このバンドのサウンドにマッチした優れた、そして力強いソロを披露します。さすがに名門Birdlandのライブで、メンバーのやる気が感じられます。Marty Ehrlichも、2曲目ではバスクラによる味のあるバラードプレイ、7曲目では激しいアルトソロを聴かせます。
こういうビッグバンドでのScott Colley、Nasheet Waitsというのは珍しいと思いますし、この二人の組み合わせというのも本作以外には思い当たりませんが、名手二人はAndrew Hillの意図を踏まえて、ベースは堅実に、ドラムはかなりハードに、ビッグバンドを支え、鼓舞しています。
聴き手を選ぶサウンドですが、Andrew Hillの妥協を許さない音楽に対する真摯な姿勢を感じますし、メンバー全員がリーダーの目指す方向に向いて演奏していることが伝わってくる優れたビッグバンドのライブです。
Rec. Date: Jan. 2002
Personnel: Ron Horton (tp), Dave Ballou (tp), Laurie Frinck (tp), Bruce Staalens (tp), Charlie Gordon (tb), Joe Fiedler (tb), Mike Fahn (tb), Jose D'Avila (tuba), Aaron Stewart (ts), John Savage (as, fl), Marty Ehrlich (as, cl, bcl), J.D. Parron (bs, bcl), Andrew Hill (p), Scott Colley (b), Nasheet Waits (ds)
1. Divine Revelation
2. Faded Beauty
3. Bellezza
4. 5 MO
5. New Pinnochio
6. J DI
7. A Beautiful Day
8. 11/8
Marty Ehrlich / Line on Loveに続いて、彼が参加したAndrew Hillのリーダーアルバムを取り上げます。
ジャズを聴き始めた頃はちっとも面白いと思えなかった1960年代Blue NoteのAndrew Hillでしたが、いつ頃からか、何の抵抗もなく聴くようになっていました。とは言っても、それほど熱心なリスナーではありません。リーダーアルバムでは、1960年代Blue Note以降は、1990年前後にGreg Osbyが参加した新生Blue Noteの2枚「Eternal Spirit(1989)」と「But Not Farewell(1990)」、それに本作、それくらいしか所有していません。2007年に亡くなったことも、この記事を書くまで知りませんでした・・・そう言えば、そんなニュースを聞いたような気もしますけれど。
彼が率いるビッグバンドのNYはBirdlandでのライブです。ビッグネーム(?)のAndrew Hillと言えども、こういう「マニアック」なビッグバンドのライブに一体どのくらいお客さんが入るのでしょうか?
当然ながら全曲Andrew Hillの作・編曲(1曲目のみトランペット奏者として参加しているRon Hortonのアレンジ)で、かなりハードな曲想の"Divine Revelation"(「神のお告げ」といった意味でしょうか?)という曲からスタートします。
彼のピアノのソロ、アレンジともに、我が道を行くAndrew Hill。テーマ部は比較的緩い(とは言っても、いかにもAndrew Hillらしい「ひねくれ」が効いていますが)アレンジで、アドリブ・コーラスに入るとかなり自由なスペースに突入して、リーダーやリード・ホーン奏者が自由なソロを展開する・・・基本的にこのようなペースで演奏は進みます。クラリネット、フルート、チューバもうまく利用して、100%Andrew Hillの世界を構築していきます。
超有名どころというかスター・プレイヤーは参加していませんが、いずれも、このバンドのサウンドにマッチした優れた、そして力強いソロを披露します。さすがに名門Birdlandのライブで、メンバーのやる気が感じられます。Marty Ehrlichも、2曲目ではバスクラによる味のあるバラードプレイ、7曲目では激しいアルトソロを聴かせます。
こういうビッグバンドでのScott Colley、Nasheet Waitsというのは珍しいと思いますし、この二人の組み合わせというのも本作以外には思い当たりませんが、名手二人はAndrew Hillの意図を踏まえて、ベースは堅実に、ドラムはかなりハードに、ビッグバンドを支え、鼓舞しています。
聴き手を選ぶサウンドですが、Andrew Hillの妥協を許さない音楽に対する真摯な姿勢を感じますし、メンバー全員がリーダーの目指す方向に向いて演奏していることが伝わってくる優れたビッグバンドのライブです。