Peter Bernstein / Monk
Label: Xanadu Records
Released in 2008
Personnel: Peter Bernstein (g), Doug Weiss (b), Bill Stewart (ds)
1. Let's Cool One
2. Pannonica
3. Work
4. Brilliant Corners
5. In Walked Bud
6. Monk's Mood
7. Well You Needn't
8. Bemsha Swing
9. Played Twice
10. Ruby, My Dear
11. Blues 5 Spot
12. Reflections
ギタリストPeter Bernsteinのモンク集です。
Peter Bernsteinは贔屓のドラマーBill Stewartがらみで私のコレクションには度々登場するギタリストですが、このふたりにLarry Goldingsのオルガンが加わったトリオは、手元ではDavid "Fathead" Newmanがゲスト参加した1991年リリースの「Larry Goldings / Intimacy of the Blues（Minor Music）」が最も古いアルバムで、その後も多くのアルバムを発表し、今年に入っても新譜を発表していますので、かれこれ30年近くにわたり共に活動を続けていることになります。
本アルバム「Monk」では、そのLarry GoldingsがベースのDoug Weissに替わるギター・ベース・ドラムによるトリオで、Peter BernsteinとBill Stewartの共演でこの編成というのはおそらく本作のみと思われます。
それともう一点、本アルバムはXanadu Recordsから2008年にリリースされています。Xanaduと言えば1970年代にいわゆる「ハードバップ・リヴァイヴァル」のアルバムを多く発表したことで知られるレーベルですが、今世紀まで生き延びていたんですね。
このアルバムを新譜で入手して最初に聴いたときには何だか録音がイマイチでピンとこないな、と思って放っておいたのですが、しばらくして（数年後に）聴いてみて、モノラル録音であることに遅ればせながら気がつきました。ライナーノーツにも"Jeff's (※エンジニアのJeff Hoffmanのこと) meticulous stereo mixes were folded to mono..."とちゃんと記載されています。いかにいつもいい加減にジャズを聴いているかということの証左であります。
以上のように、Peter Bernstein - Bill Stewart共演ではおそらく唯一のギター・ベース・ドラムのトリオであること、昔懐かしのXanaduの新録である（あった）こと、そして敢えてモノラル録音としたこと、以上三点が本アルバムの特徴と言えます・・・声を大にして言うほどのことはない些細な事柄ではありますが。
話を戻しますと、モノラルで編集された本アルバムを、諸般の事情を許す限りボリュームを上げて聴くと、悪くないなと言うか、なかなか味のある録音だなという印象を受けます。上に書きましたようにリーダーのPeter BernsteinをBill Stewartがらみで今までずい分聴いてきた私の耳からしても、個性際立つというレベルのギタリストではないと思いますが、正確なピッキングで趣味の良いフレーズを丁寧に弾くタイプで、そういう彼のスタイルと、さらにギタートリオによるモンク集というテーマに、このモノラルの録音はピッタリとマッチしていると思います。
贔屓のBill Stewartのドラムでさえ、いつもよりもはるかにコンベンショナルと言うかクラシックに響いて、三人がタキシードを纏ってお行儀良く演奏するモンク集・・・これが制作者の戦略だったかどうかはわかりませんが・・・として成功しているのではないでしょうか。敢えて再び申しますが、リーダーのギターはハッとするような個性はないものの、このアルバムでも丁寧に気持ちを込めてモンクを弾いていることが聴き手に伝わってきて好感が持てます。トリオによるトラックだけでなく、ギターソロの6曲目"Monk's Mood"、10曲目"Ruby, My Dear"、ギターの多重録音の12曲目"Reflections"の三つのトラックも実に懇ろに演奏されていてなかなか聴かせます。
今世紀の録音を敢えてモノラル・ミックスした変わり種のアルバムですが、かえって個性的なギタートリオによるモンク集になっているのではないかと思います。
Released in 2008
Personnel: Peter Bernstein (g), Doug Weiss (b), Bill Stewart (ds)
1. Let's Cool One
2. Pannonica
3. Work
4. Brilliant Corners
5. In Walked Bud
6. Monk's Mood
7. Well You Needn't
8. Bemsha Swing
9. Played Twice
10. Ruby, My Dear
11. Blues 5 Spot
12. Reflections
ギタリストPeter Bernsteinのモンク集です。
Peter Bernsteinは贔屓のドラマーBill Stewartがらみで私のコレクションには度々登場するギタリストですが、このふたりにLarry Goldingsのオルガンが加わったトリオは、手元ではDavid "Fathead" Newmanがゲスト参加した1991年リリースの「Larry Goldings / Intimacy of the Blues（Minor Music）」が最も古いアルバムで、その後も多くのアルバムを発表し、今年に入っても新譜を発表していますので、かれこれ30年近くにわたり共に活動を続けていることになります。
本アルバム「Monk」では、そのLarry GoldingsがベースのDoug Weissに替わるギター・ベース・ドラムによるトリオで、Peter BernsteinとBill Stewartの共演でこの編成というのはおそらく本作のみと思われます。
それともう一点、本アルバムはXanadu Recordsから2008年にリリースされています。Xanaduと言えば1970年代にいわゆる「ハードバップ・リヴァイヴァル」のアルバムを多く発表したことで知られるレーベルですが、今世紀まで生き延びていたんですね。
このアルバムを新譜で入手して最初に聴いたときには何だか録音がイマイチでピンとこないな、と思って放っておいたのですが、しばらくして（数年後に）聴いてみて、モノラル録音であることに遅ればせながら気がつきました。ライナーノーツにも"Jeff's (※エンジニアのJeff Hoffmanのこと) meticulous stereo mixes were folded to mono..."とちゃんと記載されています。いかにいつもいい加減にジャズを聴いているかということの証左であります。
以上のように、Peter Bernstein - Bill Stewart共演ではおそらく唯一のギター・ベース・ドラムのトリオであること、昔懐かしのXanaduの新録である（あった）こと、そして敢えてモノラル録音としたこと、以上三点が本アルバムの特徴と言えます・・・声を大にして言うほどのことはない些細な事柄ではありますが。
話を戻しますと、モノラルで編集された本アルバムを、諸般の事情を許す限りボリュームを上げて聴くと、悪くないなと言うか、なかなか味のある録音だなという印象を受けます。上に書きましたようにリーダーのPeter BernsteinをBill Stewartがらみで今までずい分聴いてきた私の耳からしても、個性際立つというレベルのギタリストではないと思いますが、正確なピッキングで趣味の良いフレーズを丁寧に弾くタイプで、そういう彼のスタイルと、さらにギタートリオによるモンク集というテーマに、このモノラルの録音はピッタリとマッチしていると思います。
贔屓のBill Stewartのドラムでさえ、いつもよりもはるかにコンベンショナルと言うかクラシックに響いて、三人がタキシードを纏ってお行儀良く演奏するモンク集・・・これが制作者の戦略だったかどうかはわかりませんが・・・として成功しているのではないでしょうか。敢えて再び申しますが、リーダーのギターはハッとするような個性はないものの、このアルバムでも丁寧に気持ちを込めてモンクを弾いていることが聴き手に伝わってきて好感が持てます。トリオによるトラックだけでなく、ギターソロの6曲目"Monk's Mood"、10曲目"Ruby, My Dear"、ギターの多重録音の12曲目"Reflections"の三つのトラックも実に懇ろに演奏されていてなかなか聴かせます。
今世紀の録音を敢えてモノラル・ミックスした変わり種のアルバムですが、かえって個性的なギタートリオによるモンク集になっているのではないかと思います。
