2014-12-12-10-08-09

先日から、プリウスのシフトパターンが事故を増やしているのではないか? というネット系の記事がバズっているようで。

こちらの画像はプリウスαのそれですが、たしかにBレンジというエンジンブレーキを強くするレンジがあります。そして、これを「バック(後退)」と読み間違えるから危ない、という指摘の模様であります。

しかしながらプリウスとしては2代目から10年来共通の操作系であって、混乱を来さないための筋の通った対応という印象あり。高齢者だから間違えてしまうという指摘も含まれているようですが、後退はリバースであり、Rというアルファベットで示すというのは、ほとんどのクルマがMTだった時代から続いているものであって、いまさら後退はBと考えるという指摘こそ、いかにも無理筋と思うのです。

そして肝心な話をすれば、トヨタが使っているアイシン系のCVTにおいては、これまでもエンジンブレーキを強くするという意味でBレンジが存在してきているのでありました(汗)

たとえば、ヴィッツのシフトパターンに「Bレンジ」は確認できるのでありました。
vit1404_09


しかもプリウスのR・N・D配置は旧来のATのそれを思わせるもので、むしろ同社の乗り換えユーザーでいえば、自然に操作できる、といえるのかも?
もっとも、同じトヨタハイブリッドでもカローラやアクアでは従来型のATに似たジグザグ型のゲートタイプとしているという点で一貫性がないという見方もありましょうし、その事実はプリウスの操作系が最適解ではないといえる証明なのかもしれませんが。そして、そのアクアやカローラにしてもBレンジは存在しているわけです。





10842106_10152949679052439_677497775684633209_o

たしかにホンダ系のハイブリッドや多段AT(画像は9速ATのCR-V欧州仕様)では、BレンジではなくLレンジやSレンジを使っているので「Bをバック」と読んでしまうようなミスは考えられないとはいえ、基本的な操作感はプリウスのそれと似ているもので、この種の操作系は車種特有ではない、あるカテゴリにおけるディファクトスタンダードになっているという印象もあり。

ディファクトスタンダードだから正しいというつもりはありませんし、ニュートラル位置に戻ってしまう設計はブラインドタッチでポジションがわかりづらいという指摘もありましょう。とはいえ、メーカーを超えて広がりつつあるデザインを理由にミスが起きるという指摘に、また無理を感じてしまうのでした。


そもそも、前進と後退を間違えた上に、アクセルとブレーキの操作も間違えて駐車場から店舗に突入してしまう事故におけるプリウスの比率がどれほどなのか? という疑問もあり。印象ではなくファクトとしての数字で見た記憶がないものですから。さらに、そもそも論でいえばシフトパターンが主たる事故原因であれば、通常のAT車では起きてしまうことはないはずの事故ですが、ニュースなどで検索すると車種を問わず発生しているようであります……。

すでにスーパーカーなどではスイッチとパドルシフトを組み合わせシフト操作系もありますし、インホイールモーター(に将来性があるかどうは別として)などトランスミッションもディファレンシャルギヤも存在しないクルマの可能性もあるわけで、ミスの起きづらい操作系を確立していくことは重要ですが、そのためには適切な指摘でなければ歪んだ方向に進んでしまうかもしれないな、と思うのでもありますが、さて?
 


am_lg1411003L

 
精進します。









人気ブログランキングへ