【企業分析】ラクスルから学ぶ次世代のプラットフォームビジネス【印刷通信販売】
【企業分析】ラクスルから学ぶ次世代のプラットフォームビジネス【印刷通信販売】
自動車、建設、繊維業界に代表されるように、
日本のビジネスの現場では、下請け企業が多重に重なり合っていて
必要以上のマージンの発生や、リードタイムなどの遅れなどが顕著な課題となっています。
また、これからの少子高齢化の時代においては、
人手不足も相まって、そのような複雑なサプライチェーンの仕組みは、
崩壊寸前かもしれません。
そのような状況に対して、印刷業界という視点で、
新たな活路を見出したのが、「ラクスル」という企業です。
ラクスルとは?
ラクスルは、印刷、物流、広告などのデジタルプラットフォームを運営する会社です。
特にその中でも、収益の柱となっている印刷通販事業にクローズアップしてフレームワーク分析を行っていきたいと思います。
様々な企業が抱える問題の一つとして、「案件ごとに最適な印刷会社に依頼ができていない。」ということがあります。
理由は、国内に無数に存在する印刷業者ごとの品質や時期ごとの価格設定にかなりバラつきがあり、結局なじみの業者に発注してしまうという慣習が根付いていたからです。
その問題に対して、印刷業者をデータベース化し、見積もりをネット上で一覧できるサービスを始めたのがラクスルです。
また、そのデータベースを活用し、
注文⇒入稿⇒納品までの一貫した印刷通信販売を行っています。
ラクスルの経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
「中小企業」
一般的に大企業では潤沢な予算をかけて様々な施策に取り組むことができます。
しかし、中小企業などのスモールビジネスを行っている企業では、
限られた予算と情報も少ない状況で、マーティングを行っていかなければいけません。
印刷(チラシ・ポスティング・DM)という切り口でそのような制約からの解放という点において、ラクスルのビジネスモデルは、中小企業にマッチしていると言えます。
バリュー
「産業構造の変化」
印刷業界における従来の多重構造化した下請けのシステムにおいては、
年間の各業者の稼働率は40%という非常に低い数字だと言われています。
しかし、ラクスルのテクノロジーを用いることで、
残り60%の非稼働時間に、注文を受注することが可能になるのです。
ケイパビリティ
1.オペレーション
サプライチェーンに深く入り込んでともに生産ノウハウを作ることで、低コストでの生産を実現しています。
2.テクノロジー
一般的な印刷会社では外注していることも多いシステムを自社で内製することで柔軟に開発を行っています。
3.マーケティング
広告代理店を極力使わず、自社でウェブ広告やテレビCMを企画して放映しています。
収益モデル
「印刷業者」と「印刷をしたい企業」をマッチングする際の、
中間手数料で利益を得るビジネスモデルです。
中間業者を省くことで、
印刷業者にとっては、利益を多く確保することができ、
顧客にとっては、費用を安く抑えることができる。
という3者にとってWin-Win-Winのサービスだと言えます。
また、ラクスルは、「物流」や「広告」の分野でも、
マッチングサービスに進出しており、
日本発のプラットフォーマーとしてますます存在感を強めています。
まとめ
参照
- ラクスル:https://raksul.com/
- CNETJAPAN:https://japan.cnet.com/article/35120730/
- 事業構想:https://www.projectdesign.jp/201509/businessmodel/002413.php