韓国捜査当局、大統領公邸の敷地内に突入 尹氏の逮捕に向け

逮捕状の執行を改めて試みるため、大統領公邸の敷地内へ入る高官犯罪捜査庁の捜査員や警察官ら=ソウルで2025年1月15日、ロイター 拡大
逮捕状の執行を改めて試みるため、大統領公邸の敷地内へ入る高官犯罪捜査庁の捜査員や警察官ら=ソウルで2025年1月15日、ロイター

韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」の宣布を巡り、内乱などの容疑で尹氏に対する逮捕状を取った高官犯罪捜査庁(高捜庁)の検事らが15日早朝、ソウル市内の大統領公邸で逮捕状の再執行に着手した。聯合ニュースによると、高捜庁と警察部隊は午前7時40分ごろ、大統領警護庁側が設けたバリケードをハシゴを使って乗り越え、公邸敷地内に突入した。

 公邸はメボン山の中腹にあり、建物は正門から約500メートル先にある。ここに尹氏がいるとみられる。聯合によると、警察部隊は警護庁が設置した二つ目のバリケードも迂回(うかい)する形で突破し、徐々に公邸に近づいている。警察の機動隊はメボン山の登山路の側からも公邸への突入を試みているという。メボン山の登山路からは、公邸につながる小道がある。

 

 公邸周辺では、逮捕を求める市民と反対する市民の両方が集まり、スローガンを叫んでいる。聯合ニュースによると、逮捕に反対する与党「国民の力」の議員約30人も、逮捕状執行に抗議しているという。また尹氏の代理人を務める尹甲根弁護士も公邸付近で、逮捕状は不法だと訴えている。これに対し警察は「逮捕状執行を妨げれば、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕される可能性がある」と警告放送を続けている。

 警護庁の要員らは公邸の周囲に鉄条網を敷くなどし、尹氏の逮捕を阻止する構えを見せてきた。

 高捜庁トップの呉東運庁長は3日の1回目の逮捕の失敗後、「2回目が最後になるという異例の決意で、しっかり準備する」と強調していた。【ソウル日下部元美】

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