3万円で済むはずが600万円 あるリフォーム業者に“影の勢力”

男性所有のアパートをリフォームした業者が、通路に新設した給水管。壁の外部に手すりのように設置された=東京都内で2024年10月22日午前11時39分、菅健吾撮影
男性所有のアパートをリフォームした業者が、通路に新設した給水管。壁の外部に手すりのように設置された=東京都内で2024年10月22日午前11時39分、菅健吾撮影

 所有するアパートの水回りの工事をリフォーム業者と約600万円で契約した。工事をしたが納得がいかず、別の水道業者に聞いたら「2、3万円で済む工事」と言われた。依頼者が「悪質」と訴えるこのリフォーム業者。背後には「ある勢力」の影が浮かぶ。

ネットサイトで「高評価」の業者

 「洗濯機の給水管付近の壁の中から異音がする」

 東京都内に2階建てアパートを所有する男性は、今年の年明け早々、住人から相談を受けた。当時は両親からアパート経営を引き継いだばかり。水道修繕業者などをまとめたインターネットサイトで、高評価とされた近場のリフォーム業者に工事を依頼した。

 間もなく、担当者が訪ねてきた。壁の異音を確認した担当者から「水道設備が劣化し、漏水している可能性がある。全て交換する必要がある」と説明された。

 当初、費用は約300万円で、工期は約3日間との見積もりだった。それが、数日後には費用が約600万円に引き上げられ、工期も1カ月ほどに延びた。

「2、3万円で済む」はずが、600万円も

 工事は2月中旬に完了した。ところが住人から「工事で開いた穴が塞がれていない」「壁紙が破れている」との苦情が相次いだ。

 別の水道業者に相談した。すると、壁の中に給水管がある場所で、さらに壁の外に「手すり」のように給水管を追加されたり、ネジが飛び出たまま放置されたりするなど、さまざまな「ずさん」な施工が明らかになった。

 この水道業者からは「漏水の痕跡もなく、異音も給水管が壁にぶつかっていたことが原因だろう。2、3万円で済む工事だったのではないか」と指摘された。だが男性は既に工事費の半額にあたる約300万円を支払っていた。

 男性は6月にリフォーム業者を相手取り、東京地裁に提訴した。住人への補償や給水管を壁の中に戻す再工事の費用を含めれば、計約1200万円の損害を被ったと主張し、それらの返還を求めている。

 これに対し、リフォーム業者は「1階の下から激しい水流音が聞こえ、給水管のどこかで水漏れが発生していることが明らかだった。男性もそれを確認している」などとして、請求の棄却を求めた。さらに、工事費の残金約300万円の支払いを求めて反訴した。

暴力団や「半グレ」の影

 このリフォーム業者は東京の都心に本社がある…

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