人通りの絶えない仙台市中心部、一番町のアーケード街を歩いていると、だしの利いためんつゆの香りが漂ってきた。空腹で敏感になった嗅覚を頼りに出所をたどると、白地に青色で丸印をされた「神」の文字が書かれた看板に行き着いた。市内に5店舗を構える立ち食いそば店である。
券売機で買った食券を厨房(ちゅうぼう)に手渡し、そう広くはない店内で隅のカウンターに落ち着く。従業員が手際よくそばをゆでたり器に盛り付けたりする姿は見ていて飽きない。先客がそばをすする音が、絶え間なく聞こえ、味への期待を一層高める。
ほんの数分で、注文した「冷し野菜かき揚そば」が出てきた。サクサクに揚がった細切りニンジンのだいだい色が鮮やかだ。そばは角が立っていて、細いながらもしっかりとしたコシがある。急いでいるわけではないのに箸が止まらず、あっという間に食べ終えた。
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