ミシシッピに戻った107歳=國枝すみれ(デジタル報道グループ)
毎日新聞
2023/12/17 06:00(最終更新 12/17 06:00)
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黒人のメイミー・カークランドさんが米国南部ミシシッピ州エリスビルから北に逃げたのは1915年、7歳の時だ。
夜、職場から帰宅した父親が言った。「今すぐここを出なくてはいけない。お前たちは朝一番で汽車に乗れ」
父と友人のジョン・ハートフィールドさんにリンチの危険が迫っていた。英語でリンチとは、集団暴行の意味ではない。超法規的になぶり殺しにすることだ。
一家は二度とミシシッピに戻らなかった。
だが、一緒に逃げたハートフィールドさんは4年後、父の反対を押し切って故郷に戻った。その彼を、町民は犬を使って追い回し、撃った。病院に担ぎ込んだのは「公開処刑」の時まで生かしておくためだ。
19年6月26日、田舎町はお祭り騒ぎだった。地元紙ミシシッピ・デイリーニューズが1面で報じたからだ。「ジョン・ハートフィールドが今日午後5時、エリスビルでリンチされる」
黒人がリンチされるのを見物しようと、1万人以上の白人が集まった。
ハートフィールドさんは首縄をかけられ、木からつり下げられた。揺れる体に2000発以上の銃弾が撃ち込まれた。…
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