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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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手詰まりのウクライナ戦況、今後どうなる 小泉悠氏の分析

ウクライナの戦況について話す東京大先端科学技術研究センターの小泉悠准教授=東京都目黒区で2023年12月6日、和田大典撮影
ウクライナの戦況について話す東京大先端科学技術研究センターの小泉悠准教授=東京都目黒区で2023年12月6日、和田大典撮影

 ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」で、ウクライナ軍の反転攻勢の開始から半年が過ぎた。ウクライナ側は占領地域の奪還で目立った成果を上げられないまま、再び冬を迎えた。さらなる長期化が予想される戦闘の行方はどうなるのか。東京大先端科学技術研究センターの小泉悠准教授(ロシア軍事分析)に話を聞いた。【聞き手・山衛守剛】

 ――戦況は手詰まり状態と見えます。

 ◆現在、どの戦線においても、どちらか一方が著しく有利という状況にはない。ウクライナはロシアを自国領から追い出すこと、ロシアはウクライナを屈服させることが戦略目標だが、いずれもハードルは高い。

 ウクライナ軍は大規模な反転攻勢を始めた6月から10月ごろまでは主導権を握り、どこで戦うかを決められていた。反攻の「本丸」としていた南部ザポロジエ州の戦線では8月末~9月初め、露軍の第1防衛線を一部突破し、さらにその周辺で第2防衛線の一部も破った。

 一気に進軍するかとも思われたが、露軍は防衛線が破られた2カ所に各1個の空挺(くうてい)師団を送り込み、穴を塞いでしまった。それ以降、戦況はほとんど動いていない。

 一方、東部ドネツク州アブデーフカ周辺では10月ごろから露軍が激しい攻勢をかけて、じわじわと前進している。ウクライナ側は苦戦しているが、政治的制約もあって都市を放棄するという決断ができないでいる。

遅すぎて中途半端だった欧米の軍事支援

 ――ウクライナ軍の反攻が失速した理由は。

 ◆ウクライナ側は、この戦争の前半は守備中心で複雑な攻勢作戦の必要がなく、比較的しのげていた。しかし、占領地域奪還のため、露軍が守りを固める地域に攻め込む作戦となると難度は高かった。露…

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