夜の街で働く人々を支える薬局 「歌舞伎町の保健室」として コロナ下、感染や失業で募る不安
毎日新聞
2021/8/27 東京夕刊
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新型コロナウイルスで「夜の街」はクラスター(感染者集団)の発生源として、たびたび矢面に立たされた。東京・新宿の歌舞伎町はその代表格だ。そんな街で働く人々を深夜営業で支える調剤薬局がある。「歌舞伎町の保健室」とも呼ばれる場所で、コロナ禍はどう映ったのだろうか。
歌舞伎町のど真ん中にある「ニュクス薬局」。代表で管理薬剤師の中沢宏昭さん(43)が一人で切り盛りする。薬局名はギリシャ神話に登場する夜の女神ニュクスから取った。歌舞伎町という街の活動サイクルに合わせて午後8時~翌午前9時に営業してきた。週2日(日曜と月曜)の定休日と、年末年始の休み以外は、お盆やゴールデンウイーク期間中でも店を開ける。
客の大半は20~30代の若者だ。処方箋はほとんどがうつや睡眠障害の薬で、市販薬は滋養強壮剤や二日酔い予防の薬などがよく売れる。客の8割が女性で、その多くがキャバクラや風俗店などに勤める。男性はホストやバーテンダーがほとんどだ。
「中沢さーん、PCR検査キットってこれかなあ」。取材した7月上旬の午後9時ごろ、ホットパンツにサンダル姿の女性が来店した。20代で風俗店で働いているという。「どうしたの?」と中沢さんが聞くと、…
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