「おきゃん娘」な姫から冷徹なナンバー2に 「白頭の血統」金与正氏の半生

青瓦台で韓国の文在寅大統領(右)と握手する金与正朝鮮労働党第1副部長=2018年、朝鮮中央通信・朝鮮通信
青瓦台で韓国の文在寅大統領(右)と握手する金与正朝鮮労働党第1副部長=2018年、朝鮮中央通信・朝鮮通信

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長のパワーがすさまじい。「白頭の血統」でつながる彼女は陰に陽に兄を支えてきたが、ここにきて韓国との融和の象徴だった南北共同連絡事務所の破壊を指示するなど不気味なほどに存在感を強めているのだ。だが、そこには伏線があった。知られざる与正氏の素顔に迫る――。

 幼いころはふっくらし、どこか祖父、金日成(キム・イルソン)主席の面影がある与正氏、そんな彼女を唯一、外部世界で知るのは父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の料理人だった藤本健二氏だ。私は与正氏について彼から何度も聞いたことがある。1987年9月の生まれと言っていた。「ものすごく闊達(かったつ)で、明るく、いわゆるおきゃん娘ですよ。ヨジョン姫を見ていると、つい心がうきうきしてくるんです。私のつくる特製ちらしずしが大好物でね」。周囲からは「コンジュニム(お姫さま)」と王朝スタイルで呼ばれていた。金総書記にとっては高英姫(コ・ヨンヒ)夫人との間にもうけたたったひとりの娘、家族で食事をするときは決まって左横に座らせたという。「可愛いヨジョナ、ヨジョナ」。そう言って溺愛していたらしい。

 こんなエピソードも披露してくれた。2012年7月28日の夜のこと、平壌の柳…

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