なんだかとても残念な話。
大学の研究の都合でサーバーの構築が必要に。Linux未経験の女子学生が立候補。彼女をバックアップするためにラボ一丸となって準備に奔走する。
けれど、後に、他にサーバー管理ができる子がいたことがわかって、たいそうショックを受け卒倒しそうになりました、ということです。
この「サーバー管理ができることを隠す」という気持ちは、なんとなくわかります。僕自身も学生時代、能ある鷹は爪を隠す、とまでは言わないけれど、同じ雰囲気を感じたためか、サーバー管理ができることを大っぴらにはしていなかったように思います。現に、大学時代の友人の中には、僕がサーバー管理ができることを今更ながらに知って驚いた人もいます。
それでも、上の話のような事態にならなかったのは、他にもLinuxが好きな子がいて、その子は率先してマシンに触りたいタイプの人だったので、特に困らなかったというだけ。
自分自身を鑑みて、元の話の彼が「サーバー管理ができる」と言い出さなかった理由はいくつか思い付きます。
「自信がなかったから」 うん。これはありそう。まだプロじゃないだろうし、クラックされてすべて自分の責任にされてはたまりません。
「自分がいなかったらどうするんだろう?」という興味。大学のラボでは、なにかとサーバー管理をする子が必ず一人はいるようになっていて、どうしてそれが成り立つのかいつも不思議に思っていました。もし、誰もサーバー管理ができなかったら、この状況をどうやって乗り切るのか、とても興味があります。別段、皆を困らせたいわけではないのだろうけど。
「Linuxが使えるのだから」と言われることへの嫌悪感。Linuxが使えるというだけで、サーバー管理者になることが既に決まってしまっているというのは、その人がサーバー管理能力を身に付けるためにLinuxと戯れた時間や英文セキュリティレポートを読む努力にタダ乗りしているようなもので、フェアではないと強く感じます。あわよくばタダ乗りしようとしていたのを棚に上げて、皆で努力していた間、隠していたのは何事だ、というのではあんまりです。
一方、サーバー管理ができることを隠していたがために、悔しい思いをしたこともあります。とある業者にシステム一式の納入と設定を依頼したときのこと。やってきた担当者の知識がとにもかくにも足りないわけです。けれど、その時は研究する時間を確保する方が大事だったので、担当者ができないことなぞ気にも留めていませんでした。
すると2か月たっても設定が終わらないので、その業者に問いただしたところ、
「Linuxは設定が大変なんですよ。知らないんですか?」
と言うのです。このときばかりは、はらわたが煮えくりかえりました。その見下した態度はなんだ。単にDNSの設定すらできないだけじゃないのか、と。(隠しているこっちもこっちなので、おあいこなのですが)
とまぁ要するに、最後の可能性として、その業者の
「技術力が低かった」
だけなのかもしれません。元も子もないですね。お後がよろしいようで。
(この話はフィクションのはずです)
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