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2024年、希望の光となった自然界の10のうれしいニュース

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 2024年も残すところあとわずか。自然災害や紛争、事件、事故など、悲しいニュースばかりに目を奪われがちだが、未来に希望をもたらすうれしいニュースもたくさんあった。

 自然界に目を向けると、新種の発見や絶滅したと考えられていた種の再発見、本来の生態系に戻すための再導入プロジェクトが成功した事例などがいくつもあった。

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 ここでは、カラパイアで取り上げた自然界の「うれしいニュース」の中から、特に人気を集めた10のトピックスをランキング形式で振り返ってみよう。一年の締めくくりに、心温まる自然界の物語をぜひ楽しんでほしい。

10. ヨーロッパでウミガメの産卵数が記録的増加

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Photo by:iStock

 地中海沿岸でウミガメの繁殖状況が増加した。特にギリシャ沿岸ではで過去最高レベルに達してたという。

 同国では2023年以降、年間10,000か所以上のウミガメの巣が確認されている。これは数十年の長きにわたる保護活動の成果の現れだ。

 地中海ウミガメ保護協会(MEDASSET)は、せっかく生まれた赤ちゃんの命を絶やさぬよう、営巣地にカメラを設置して、天敵であるカニやカモメの来襲を監視するとともに、海洋汚染を減らすべく今後も見守り続けるという。

9. 74歳のコアホウドリが新たな伴侶を得て卵を産む

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image credit:X @USFWSPacific

 知られている中では世界最高齢であるコアホウドリのメス、ウィズダムは今年74歳となった。

 愛する伴侶を失い未亡人となった彼女だが、第二の伴侶が見つかり、魚類野生生物局 (USFWS)の専門家たちは、2024年11月下旬、ウィズダムの産卵を確認

 ウィズダムの卵が無事に孵化するよう、学者たちも祈りながら見守っている。

 コアホウドリの卵は64~65日の期間を経て孵化するのが一般的だ。2025年早々に、ヒナが誕生というさらにうれしいニュースが舞い込むかもしれない。

8. 絶滅の危機に瀕するメガネグマの赤ちゃんの元気な姿を確認

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 南米にのみ生息するクマ科のメガネグマは絶滅の危機に瀕しているが、コロンビアのアンデス山脈にかかるチンガザ国立自然公園(CNNP)で、メガネグマの子供が元気に遊びまわる姿が確認された。

 この子グマの行動は、保護活動が生態系に良い影響を与えている証拠だ。資源が豊富なとき、メガネグマたちは食べ物を探して現れるため、木で遊ぶ彼らの姿を目にすることができたのだ。

 メガネグマは雑食性だが主に植物(特にフライレホンの木や葉)を食べる。

 メガネグマがフライレホンの木などの植物を食べることで、公園のあちこちに種子が広がり、地域の自然を豊かにする重要な役割を果たしている。

7. アメリカで巨大ダムの撤去に踏み切り、サケが川に戻ってくる

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 2024年10月、アメリカ最大級のダムの撤去が完了したクラマス川の上流でサケの産卵が確認された

 かつてサケの産卵地だったクラマス川にサケを呼び戻すため、思い切ってサケの生息を阻んできた4基のダムを完全に撤去したのだ。

 するとその1カ月後。サケたちが驚異的な早さで上流に戻り、オレゴン州の魚類野生生物局が、クラマス川の上流で産み落とされたサケの卵を発見し、115匹のサケ(キングサーモン)の産卵を発表した。

 2000年初めに始まったダム撤去計画の中心は、クラマス川とともに暮らしてきたユーロック族、カルーク族、クラマス族などの先住民族だ。それに各州と政府機関が協力する形で推進された。

6. スペインオオヤマネコが絶滅の危機から復活

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 スペインとポルトガルにしか生息していない希少なネコ科、野生のスペインオオヤマネコの個体数が増加し、絶滅危惧種からぎりぎり脱出することができた。

 これは20年以上に及ぶ保護活動の成果で、2002年にはわずか62頭しか確認されていなかったが、現在は約2000頭に増加したという。

 スペインオオヤマネコの数が激減した理由は、彼らのおもなエサであるアナウサギの数が減少したせいだ。

 ウサギは伝染病や農業に与える被害のために駆除されておりその数を減らした。

 スペインオオヤマネコの個体数を回復させるため、まずは生息地の復元が行われ、アナウサギの個体数を回復させた。

 それと並行して繁殖プログラムが行われ、人工的に繁殖させたスペインオオヤマネコは、徐々に生息地へ戻されていった。

5. 南米で新種の鹿を発見、シカ科最小種プーズーの仲間

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 南米ペルー、アンデス山脈中央部の乾燥地帯で新種の鹿が発見された。この新種は「プーズー」というシカ科最小種の仲間で体高は38cm程度。

 これまでプーズーは、ペルーやエクアドルなど北部に生息する「キタプーズー(Pudu mephistophiles)」と、チリやアルゼンチンなどの南部に生息する「ミナミプーズー(Pudu puda)」の2種だけだと考えられてきた。

 発見された鹿も当初はキタプーズーだと思われていたが、遺伝子検査や形態学的分析で新種であることを確認。

 南米では約60年ぶりとなる新種の鹿は「プデラ・カルラエ(Pudella carlae)」と名付けられた。

4. クロマグロが予定より10年早く個体数を回復

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 一時は絶滅が危惧されていた太平洋に生息するクロマグロだが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の報告によると、クロマグロを漁獲しつつ、個体数の増加も見込める持続可能な水準を10年早く達成することに成功したとのことだ。

 クロマグロ(ホンマグロ)は、乱獲のせいでほんの十数年前まで歴史的な低水準にまで数を減らしていた。

 だが、各国の漁業関係者が協力して保全活動を行ったことで、当初2034年を目処に掲げられていた回復目標をすでにクリアしていることが判明した。

3. 絶滅したと思われていた野生のオオタカを55年ぶりに発見

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Image credit: © WWF-Pacific / Tom Vieru

 パプアニューギニアの自然の中で55年ぶりにタカ科の「オオハイガシラオオタカ(Accipiter princeps)」の姿が目撃され、撮影に成功した。

 この鳥の最後の科学的な記録は「1969年7月にアメリカ自然史博物館に収蔵された標本」で、以来55年間、目撃したという話はあったものの、実際に証拠となる写真や動画、音声や標本はなかった。

 オオハイガシラオオタカが生息するニューブリテン島では、これまであまり生物多様性の調査が行われてこなかった。

 そのため新種が発見される可能性も高いが、そこに暮らす生き物たちも他の地域同様、絶滅の危機が迫っており、すぐにでも保全活動が必要だ。

2. スコットランドでマルハナバチの数が116倍に急増

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image credit:Pixabay

 花粉媒介という自然界で重要な役割を持つマルハナバチだが、イギリスではその数が激減している。生息地の喪失、農薬の使用、気候変動などが原因だ。

 健全な生態系が失われていることを危惧したスコットランドの自然復元団体「リワイルディング・デンマークフィールド」は、再生プロジェクトを実行。

 その結果、激減していたマルハナバチの数が2年前より116倍も増え、見事な復活をとげたという。

 プロジェクトが管理するエリアの畑に生息するマルハナバチは、大麦の単一栽培だった2021年にはわずか35匹しかいなかった。ところがわずか2年間でマルハナバチの個体数が4056匹に増加し、種も増えたという。

1. イースター島の海底山脈で新種の生物が続々発見されている

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Image credit: ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute

 南米チリ、イースター島沖の海底山脈では2024年、数百種を超える生物が続々と発見されている。

 そのうちの100種以上は、これまでこの場所で目撃されたことがなく、さらに50種以上は新種の可能性があるという。

 チリのイースター島(ラパ・ヌイ島)沖で行われた海底山脈の探検は、2024年1月と、2月24日から40日間行われた。

 この周辺は過去に科学的調査されたことがなく、それぞれに独自の生態系が育まれているようで、今後も新たな発見が期待できそうだ。

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この記事へのコメント、4件

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  1. パルモさん、今年も一年ありがとう!
    来年も楽しく記事を読ませてもらいます

  2. ダム撤去のような規模の大きい活動が行われ始めたのは良い兆しだと思う

  3. めでたいこといっぱい ヽ(^o^)ノ
    本年もお世話になりました
    来年も楽しい記事をお願いね 

  4. 毎日楽しませていただいています。ありがとうございます!来年も楽しみにしています。

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