アメリカでは5~6月が卒業式のシーズンである。名門スタンフォード大学教育部の大学院でも、6月16日に学位授与式が行われた。
この日、将来への夢や希望に目を輝かせる若い卒業生たちの中に、1人の年老いた女性の姿があった。
彼女の名前はバージニア・ヒスロップさん。なんと105歳という年齢で、84年越しの修士号を受けることになったのだ。
戦争で中断された修士課程
バージニア・ヒスロップさんは、今から88年前の1936年、カリフォルニア州のスタンフォード大学教育学部に入学した。
そして4年間の学部生活を終えて教育学の学士号を取得。さらに上の大学院に進んで、修士課程の講義もすべて履修し、残るは修士論文だけとなっていた、その時。
世界は第二次世界大戦に突入し、同じ教育学部の予備役将校訓練課程にいたバージニアさんの恋人、ジョージさんが、戦争に召集されることになった。
そこで彼女は、大きな人生の決断をする。目前に迫った修士号をあきらめて、ジョージさんと結婚し、任地へとついて行くことにしたのだ。
(修士号は)必要があれば、その過程で手に入れられるものだと思ったし、私はいつも学ぶことを楽しんでいたので、あまり気にしていませんでした。
それよりも結婚の方が、私にとっては大きな問題だったんです
それでも彼女の「教育」への情熱は薄れなかった
だがキャンパスを離れ、結婚してワシントン州ヤキマに移ってからも、バージニアさんの教育に対する熱意は衰えることがなかった。
二人の間に生まれた娘のアンさんが小学校に上がると、学校は女の子であるアンさんに家庭科の授業を取るよう勧めた。だがバージニアさんは、それよりも上級英語の授業を受けるよう働きかけた。
料理は家でも覚えられます。学校ではもっと学問的なスキルを学ぶことの方が大切だと思ったのです
そこでバージニアさんは、「子供たちが学校で何を教えられているのか」ということにもっと発言権を持ちたいと思い、ヤキマの教育委員会に加わることにした。
私はすべての子供たちが、自分の可能性を最大限に伸ばす機会を持つべきであり、誰もが望みさえすれば高等教育を受けられるべきだと考えました
13年間にわたって教育委員を務めた後、活躍の場を市から郡、州へと広げていったバージニアさんは、最終的にワシントン州のヘリテージ大学の創設にも携わり、20年間同大学の理事を務めることに。
そんなバージニアさんの背中を見て育った娘のアンさんは、自身も母親の母校であるスタンフォード大学教育学部に進学。そこで出会ったダグ・ジェンセンさんと結婚した。
私が義母から受け取った一番の教えは、「学びには決して終わりがない」ということでした
ダグさんはバージニアさんについてこう語る。
彼女は貪欲な読書家であり、105歳になった今もアクティブに活動しています。「転がる石に苔は生えない」ということわざがありますが、まさに彼女のことのようです
修士号取得の資格はすべて満たしていたことが判明
ある時、生涯を教育に捧げて来たバージニアさんのために、ダグさんは母校であるスタンフォード大学に問い合わせた。彼女があの時あきらめた修士号を、今から取ることはできないだろうかと。
実はスタンフォード大学では、もう何年も前から、修士号取得の際、論文の提出は不要となっていた。
バージニアさんは、修士課程修了に必要な科目は全て履修済み。つまり、修士号取得の要件をすべて満たしていたのだ。
そして6月18日。スタンフォード大学には、現役の学生たちに混じって、学位授与式に出席するバージニアさんの姿があった。
教育学部長のダニエル・シュワルツ氏から、卒業証書を受け取るバージニアさん。この時、周囲からはスタンディングオベーションが起こったそうだ。
私は長年にわたって、地元の学校制度のために貢献してきました。私の仕事が、この学位で認められたのは嬉しいです
文字通り、教育に人生をささげてきたバージニアさんは、現在も4人の孫と9人のひ孫たちに囲まれて、地域活動や読書、庭仕事と、退屈とは無縁の生活を送っているそうだ。
105歳という年齢でのこの熱意には脱帽だ。そして84年という年月を超えて、彼女への学位授与を認めてくれたスタンフォード大学も、素敵な大学だと思う。
人間、死ぬまで勉強だとは、うちの祖父なんかも言っていたけど、それを実践できる人は多くはないと思うんだ。
私なんかも二言目には「もう歳で…」とか言いがちなんだが、そんな言い訳はせず、彼女のように笑顔でカッコよく年を取っていけたらいいな。
References:Lifelong learning: Stanford GSE student collects her master’s degree after 80 years in education / written by ruichan/ edited by parumo
13年間にわたって教育委員を務め、活躍の場を市から郡、州へと広げ大学の創設にも携わり、20年間同大学の理事を務め
現在も地域活動や読書、庭仕事と、退屈とは無縁の生活を送っているってすごい
人生も現在もすごい
自分の信念に則って生きるってカッコいいですね!
こういう人になりたいものです。
苔が生えまくっている身としては恥ずかしい限り
こんな素晴らしい人生には及ばなくてもせめてもう少し充実した毎日を送らねば
ガンジーの名言「明日死ぬかのように生きろ。永劫永らえるかのように学べ。」
30代前半の私、再来月にある国家試験の勉強量にびびってる
この方みたいに学びに貪欲にならなければと頭では思えるのに心はプレッシャー負けしている
おばあちゃん偉大すぎ…
>>6
きっと成功するから頑張ってね
自分も連続して不幸が続かなければ大学中退せず卒業したかった。
>>7
まだ105歳までだいぶ時間あるでしょ
大丈夫大丈夫
誰も記事を読んでいない件
>バージニアさんは、修士課程修了に必要な科目は全て履修済み。
>つまり、修士号取得の要件をすべて満たしていたのだ。
学位授与式に出席しただけ
授業に出たわけではない
>>9
皆授業云々ではなくてバージニアさんが歩んできた人生に感銘を受けてるんだと思うよ
>>9
あなたが読んでいるものは、きっと他の人が読んでいるものと違うんだろうね
アメリカの大学の卒業式ってさ
毎学期飛び級のキッズとおじさんおばさんがいるよね
まあ100歳越えは珍しいけどさ
日本の中学生の年齢とかおばあちゃんおじいちゃんお母さんお父さんの年齢は珍しくない
友達も途中で親父さんが入学して来てたわ…
文武両道ですね。
キャスリンターナーみたい。