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うれしいニュース、100種を超える新種の海洋生物がチリの海底山脈で発見される

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 新種発見のニュースは心躍らされるものだが、今回発見されたのは100種を超える深海の海洋生物だ。 南米チリからイースター島まで横たわる海底山脈で見つかったという。

 珍しい深海の生物たちは、サンゴ・ガラス海綿・ウニ・端脚類・ロブスターなどバラエティ豊かだ。また、新種ではないが、ユニークで奇妙な魚やイカなどとの出会いもたくさんあった。

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 海は地球の表面積の約70%を占めるが、ほとんどが探査されていない。海洋生物はまだほんの一部しか発見されておらず、今後も新たな発見が続々とありそうだ。

Seamounts of the Southeast Pacific | 4K ROV Highlights

深海の海底火山で100種を超える新種の生物を発見

 今回発見された、新顔の生物たちは、チリ沖からイースター島まで続く全長2900kmの海底山脈「ナスカ海嶺」と「サラス・イ・ゴメス海嶺」にそってそびえ立つ海底の山々で見つかった。

 カトリカ・デル・ノルテ大学(チリ)のハビエル・セジャーネス博士らが率いる探検チームは、水中ロボットを水深4500mまで潜航させ、200座ある海山のうち10座からデータを収集した。

 すると驚いたことに、海山にはそれぞれまったく異なる生態系が営まれていることがわかったのだ。

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 海山とは読んで字の如く、海底からそびえ立つ山のことで、その多くはすでに活動しなくなった死火山の名残だ。だが、その表面はしっかり固く、エサや栄養も豊富なため、豊かな生態系が織りなされている。

 今回発見された生態系には、深海のサンゴ礁や海綿の群生地もあったが、その多くはすでに脆弱になっている可能性もあるという。

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スクワットロブスターの新種と考えられている。水深669mのサンゴで発見 / image credit:chmidt Ocean Institute

海にはまだたくさんの知られざる生物が潜んでいる

 研究チームは、今回の発見によって海を保護する必要があることに気づいてもらえたらと願っている。

 これについて、セジャーネス博士は次のように語る。

この探検は、期待以上のものでした。遠くにあるあまり調査が進んでいない海では、新種の発見が期待されるものですが、海綿をはじめ、実際に発見できた量は信じられないほどです

こうした活発で健全な生態系は、ナスカ・デスベントゥラダス海洋公園とファン・フェルナンデス海洋公園では、デリケートな海洋生息地がうまく守られていることを示しています

 こうした生物の正体をはっきりさせるため、研究チームは標本の体や遺伝子を分析し、本当に新種かどうか確認しているところだ。

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水深516mで発見されたウニ(Dermechinus)の仲間 / image credit:chmidt Ocean Institute

 それはこれから何年もかかる根気のいる作業となる。だが新しい発見があれば、研究チームから報告があるはずなので、楽しみに待っていよう。

 なお、2月24日からサラス・イ・ゴメス海嶺での2回目の探検が予定されている(なので順調ならすでに始まっているはずだ)。

 その海の冒険の様子は、シュミット海洋研究所のYouTubeチャンネルで紹介されている。ライブ配信もあるので、もしかしたら新種発見の瞬間を目撃することもできるかもしれない。

 シュミット海洋研究所が目標とするのは、今後10年間で10万種の新種の海洋生物を発見することだ。

References:Scientists Confirm Underwater Mountains Harbor Abundant Life Off Chile’s Coast – Schmidt Ocean Institute / More Than 100 New Species of Stunning Marine Life Found Near Underwater Mountains (LOOK) / Over 100 Never-Before-Seen Species Discovered Along Deep Sea Mountain Range | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント、33件

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  1. 発見数の目標はともかく、期待しております。

    しかしこれだけ私らと違う姿をしていると、地球外から来て住み着いているというと信じられそう。 互いにあまり影響のない生活をしていて交流がないからほとんど異世界ですけど。

  2. こういう写真を見てると、カンブリア期の海底はこんな感じだったんだろうかと思いを馳せてしまうな

    1. >>6
      ダイバー自分からしたら、伊豆の水深20mとチリの水深4500mは思ったほど大きな差はないだなって印象

      そいや伊豆のカエルアンコウもモフモフの子いるけど、赤いカエルアンコウでモフモフしてる子見たことないな。黄色やオレンジのモフモフちゃんは見た事あるけど。濃いオレンジの子あたりからモフモフさん見た事ない気がする。

  3. この生物達が人間にとってなんの利用価値もないことを祈る。
    今まで生きてこれたのは、人間に見つからないでいたからだよ。

  4. これ見るとやっぱり深海はまだまだ何がいるかわからないなあ
    サブノーティカみたいな未知の巨大生物とか潜んでそう

  5. メンダコっぽいタコも可愛いな
    意外と可愛い生物多くてびっくり

  6. 暗闇なのに何で鮮やかな生き物がいるんだろう?
    発光するタイプが通った時おどろかせるため?

    1. >>16
      派手な色は浅いところにいけなかった(浅いと地味な方が生き残りやすいから)残党かもしれない

    2. >>16
      赤は深海で見ると黒く見えるので、保護色なんですね。カイメンとかはわからん。

  7. もれなくキモくて凄い
    赤いやつは新シーマン出たら出演してほしい

  8. 鮮やかなのは見た感じ赤が多いからたぶん波長的に見えにくいとかかな

  9. サムネの赤い魚はカエルアンコウの仲間かな? 目がやけにマンガチックでかわいい。

  10. ウミグモみたいのは脱皮直後かな。
    足下に元の?表皮っぽいのがある

  11. 赤い魚はパプワくんに出てくるタンノくん(網タイツの魚)みたい!

  12. 赤いの全く新しいと思ったけど
    日本語ならフサアンコウ英語ならrosy coffinfishで似たのが出てくるな
    勉強が足りなかった

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