イタリア、ウンブリア州ボマルツォにある16世紀に造られた庭園、「サクロボスコ」(イタリア語で「聖なる森」の意)に足を踏み入れると、異世界に迷い込んだ気分になる。
敷地内には、不気味なモンスターの巨大石像や傾いた奇妙な建物が点在し、角を曲がったところになにが潜んでいるのかわからない、驚きや恐怖に満ちた摩訶不思議な場所なのだ。
庭園の入り口には「眉を上げ、唇を引き締めてこの地を行かなければ、世界の七不思議の最たるものを堪能できないだろう」と刻まれた碑文と共にスフィンクス像が鎮座しており、訪問者に謎かけを挑んでいるようだ。
この奇妙で不気味な庭園は、いったい何のために作られたのだろうか?
日本の戦国時代に建てられ、忘れ去られていた怪物たち
16世紀半ばにボマルツォの庭園の建造を依頼したのは、ピエール・フランチェスコ・オルシーニ公爵だ。日本でいうと戦国時代から安土桃山時代にあたる。
建築家はローマ郊外の「エステ荘」などを設計したルネッサンスを代表するピッ
ロ・リゴーリオだ。
約2万8千平方m(東京ドームの6割くらい)の広さに様々な石造や建造物が立ち並ぶ庭園は、その後400年もの間、世間から完全に忘れ去られていた。
だが1954年にイタリア人のジョバンニ・ベッティーニ氏がここを買い取って修復。再び怪物たちがよみがえった。
それにしても、今もって訪問者や学者をの頭を悩ませているのは、この庭園のテーマ性、モンスターたちの背後にある謎だ。
異様に傾いた家、半分女性で半分毒蛇姿の像、倒れた兵士を鼻に乗せて運ぶゾウ、ローマの海の神ネプチューンなどの奇怪な像と共に、いたるところに刻まれている謎めいた碑文がなんらかのヒントを与えようとしているのかもしれない。
怪物庭園を造った理由はよくわかっていない
こんな奇妙な庭園を造った理由は、オルシーニ公が最愛の妻の死の悲しみを癒すためだったとか、古典文学や芸術にヒントを得た寓話を表したかったとか、オルシーニ自身が怪物だったからとか、いろいろな説があるが、真相はわからない。
アルゼンチンの作家マヌエル・ムヒカ・ライネスによる1962年の小説『ボマルツィ』では、オルシーニは妻の不倫に対して復讐を企てる狂人として描かれていて、フィクションなのに妙に真実味があった。
オルシーニの庭園は、彼の内面の見えない悪魔が具現化されたものだったのかもしれない。
オルシーニは人脈が広く、権力のある貴族だったが、その人生は幸せなものではなかったようだ。
庭園の大部分のグロテスクな怪物たちは、妻ジュリアの死後に造られたため、やはり妻の死への悲しみ、喪失の表現だったのではないかと考える人も多い。
もっとも有名な地獄の口
とはいえ、彫刻の中には悲しみだけではなく、ウィットや遊び心がうかがえるものもある。
この庭園でもっとも有名な「地獄の口」はすべてを飲み込む悲しみの象徴としても解釈できるかもしれないが、娯楽の場としても機能したようだ。
口が扉、目が窓、舌がテーブル、歯が椅子として使われ、ここで晩さん会が開かれたと伝えられている。
口の中で蝋燭の明かりを灯すと、遠くからはものすごく恐ろしい顔に見えるという。
庭園内を漂う独特の神秘的な雰囲気
謎を解くカギは、オルシーニ本人ではなく、ボマルツィという地域そのものにあるのかもしれない。
庭園周辺には、神秘的な雰囲気が漂っているという。
暗い木々や大きな岩は不気味な感覚を醸し出し、風景全体に点在する何世紀も昔の遺跡の亡霊がうごめいているような雰囲気がさらにそれを強めているというのだ。
この周辺にはローマ帝国以前の紀元前1000年期に、エトルリア人が住んでいたようだが、記録がほとんどなく、歴史もあまり知られていない。こうした歴史の空白がさらに謎を深めているのかもしれない。
1580年にオルシーニが亡くなると、次第にこの怪物庭園もかえりみられなくなった。
第二次大戦後、サルバドール・ダリ、ジャン・コクトーなど著名人が創作過程でこの庭園に着目したことで、より謎が深まったこの場所が再び注目されるようになり、森の中に放置された怪物たちの起源について訪れる者の想像力を駆り立てた。
庭園に作用している奇妙でミステリアスな彫像たちの暗く捻じれた魔力に魅了される者は、現在も後を絶たない。
単純でわかりやすい説明をあくまでも拒むことが、まさにこの庭園の真骨頂といってもいい。
オルシーニの碑文「それ自身にしか似ておらず、ほかのなにも似ているものはない」まさにそのとおりなのかもしれない。
オルシーニさん、奥さんを亡くしてSANチェックに失敗したのかも知れない
地獄の口には
「納品直前の仕様変更とか勘弁してくれぇぇぇ」
とセリフ入れたくなる
わかる。そのせいでどれだけ終電を逃がしどれだけ徹夜になったことか
おつかれさま
・・・こういうのって秘密の未発見の地下空間とか
たまに発見されるから徹底的に調べた方が良いかもしれない
いやガチであるから
インディジョーンズで有名な
ペトラ遺跡とかあるけどさ
あの遺跡とか15%しか調査出来て無くて
85%は未発掘なんだよね。
30年前に訪れました。別世界のようでなかなか面白かった。
はいざますーー!
庭に作られたグロットってだいたい不気味な装飾あるからなあの頃のイタリア人はこういうの大好きだったんだろう
キングクリムゾンのあれ
この庭園とダリはめちゃくちゃマッチしてるなあ
水木しげる御大が漫画で使ってたなあ