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むしろ公式じゃなかったことにびっくり!ハクトウワシがアメリカの国鳥に正式認定

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アメリカの国旗の前に立つハクトウワシこの画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock

 アメリカを象徴する鳥といえば、堂々とした姿が印象的なハクトウワシを思い浮かべる人が多いだろう。

しかし意外なことに、このハクトウワシはこれまで「国鳥」として公式に認められていたわけではなかった。伝統的に国鳥扱いされてきたものの、法律で正式に制定されたものではなかったのだのだ。

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 そんな中、2024年12月24日、ジョー・バイデン大統領がハクトウワシを正式に「国鳥」として認定する法案に署名。これにより、建国から250年近い時を経て、ついにハクトウワシがアメリカの国鳥として正式認定されたのだ。

ハクトウワシを国鳥に正式認定、満場一致で法案可決

 2024年7月、アメリカの上院では超党派の議員によって提出されていた、「合衆国法典第36編(愛国的及び全国的な行事、儀式及び団体)を改正し、ハクトウワシを正式な国鳥にする」法案が全会一致で可決された。

 さらに12月に入ってからは、下院でも同法案が可決し、大統領の署名を待つだけとなっていた。

 今回、バイデン大統領が署名したことにより、この改正法案は正式に成立し、法律上もハクトウワシが国鳥として定められることになったのだ。

 そもそもハクトウワシは国璽(こくじ)のデザインとして、パスポートの表紙はもちろん、紙幣やコインにも使われるくらい、アメリカの象徴とされてきた鳥だ。

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image credit:Pixabay

 アメリカ国立イーグル・センターのジャック・デイビス氏は、今回の法案成立について次のように述べている。

250年近くにわたり、我々はハクトウワシを国鳥と呼んできましたが、公式にははそうではなかったのです。しかし、今やその称号は正式なものとなりました。これほどふさわしい鳥は他にいません

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Photo by:iStock

一時は絶滅の危機にあったハクトウワシ

 だがここに至るまで、ハクトウワシにも苦難の歴史があった。

 開発による生息地の減少や狩猟、そして殺虫剤であるDDTの影響で、急速に個体数を減らして行った。1963年には繁殖可能なペアがわずか417組にまで激減したそうだ。

 特にDDTはカルシウムの代謝を阻害し、不妊になったり孵化できないほど卵の殻が薄くなったりといった弊害をもたらしたという。

 この状況を受け、アメリカでは1967年にハクトウワシを絶滅危惧種に指定。1972年にはDDTの使用を禁止することに。

 その後、個体数は徐々に増えていき、2007年には無事にレッドリストから外れることとなった。現在では北米全体で数十万羽にまで回復したと言われている。

 ハクトウワシは北米大陸に広く分布する猛禽類で、胴体の全長は約80~110cm、翼を広げた翼長は約2mに達する大型の鷲である。

 白い頭と白い尾羽、黄色いクチバシが特徴的。まさにアメリカを象徴する堂々とした姿だ。

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image credit:Pixabay

ネイティブアメリカンにとっても聖なる鳥だった

 アメリカ合衆国が建国される前から、ネイティブアメリカンにとっても、ハクトウワシは聖なる生き物だった。

 彼らはハクトウワシの羽を集めて飾り物にしたり、宗教的な儀式に使ったりしていたそうだ。

 現代においても、純粋にネイティブアメリカンの祖先を持つと証明された人のみが、スピリチュアルな目的のためにハクトウワシの羽を所有できるんだとか。

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各国の「国の象徴」を見てみよう

 ちなみに日本の国鳥はキジということになっているが、実はこれも法的な裏付けはなく、1947年に民間団体の日本鳥学会によって国鳥に選ばれたのだそうだ。

 ついでに他の国の国鳥も見てみよう。何となく聞いたことのありそうな鳥が国鳥になっているところをリストアップしてみた。

アイスランド:シロハヤブサ
アルバニア:イヌワシ(国旗になっている)
アルメニア:コウノトリ
イギリス:ヨーロッパコマドリ(マザーグースの「クックロビン」がこの鳥だ)
インド:インドクジャク
ウズベキスタン:カワラバト
オーストラリア:コトドリ
オーストリア:ツバメ
韓国:カササギ(非公式)
ギリシャ:コキンメフクロウ
クロアチア:サヨナキドリ
チリ:コンドル
中国:キンケイ、タンチョウ(非公式)
ナイジェリア:カンムリヅル
ニュージーランド:キーウィ
バハマ:フラミンゴ
フィンランド:オオハクチョウ
ブータン:ワタリガラス
ポルトガル:ニワトリ
メキシコ:カラカラ
モーリシャス:ドードー(既に絶滅している)
モンゴル:オジロワシ

 国を象徴するシンボルとしては、他にもさまざまなものが考えられている。日本の場合は「国花」は桜か菊。「国石」は翡翠あるいは水晶らしい。

 さらに「国獣」…はいなくて「国魚」がニシキゴイ、「国蝶」がオオムラサキ、「国果」は柿ということになっているみたいだ。どれも非公式のようだけど。

 公式・非公式にかかわらず「国の象徴」ということで、国旗や通貨にシンボルとして使っている国も多く、やはり愛着を持たれているようだ。

 今回、法的にアメリカ合衆国の国鳥に制定されたことで、ハクトウワシにとって何かが変わるということはないかもしれない。

 だがアメリカという国にとっては、ハクトウワシを象徴として扱うことに法的な裏付けができたわけで、歴史的な意味は大きいのだろう。

Birds of a Feather: The Afterlives of America’s Eagles

References: Bald eagle gets officially sworn in as the national bird of the US

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この記事へのコメント、20件

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  1. これを機会に風力発電が見直されるといいね。
    渡り鳥の通り道なのに人間が後から建てて、避けれないから激突死してる。

  2. ハクトウワシは増えすぎたところではカラス並みにゴミあさってるらしいけど。

  3. >ネイティブアメリカンにとっても、ハクトウワシは聖なる生き物だった。

    「ネイティブアメリカン」という言い方はエスキモーやハワイ原住民も含む表現だから、この文脈では正確ではない。

    1. 通常の文脈に於いてネイティブアメリカンという場合、アラスカやハワイの先住民を指しません
      なぜなら、ネイティブアメリカンという言葉は、コロンブスの誤解によって名付けられたインディアンと言う語を、差別的であるとして否定するために生まれた言葉だからです

      そのような明確な事実に基づいて生まれた複合語を、わざと分解して別の意味であると強弁し文章が間違っていると言う態度は、卑怯卑劣な詭弁と言います
      記事の内容そのものにとっても重要で無い枝葉末節の、本来間違っていない用法を無理矢理なこじつけで非難の対象とする、そのようなことをしたところで記事の価値は下がりませんしご自身の立場が上がるわけでもありません
      他者を否定するだけの昧い悦びに浸るより、自らの蒙を啓いて自らの過ちを正す努力をすべきです

  4. 日本の国花を『桜』と『菊』から選べと聞かれたら『菊』に一票かな。
    地元が菊まつりやってたこともあって馴染みが深いのもあるけど、趣味の競馬で一番好きなのが『菊花賞』なんでね

  5. 国鳥一覧、画像検索で見てきたけど大別すると5種類あって
    ハヤブサやワシなどかっこいいもの
    クジャクやキンチョウなど優美なもの
    キーウィやドードーなどおそらくほぼその地域特有であろう珍しいもの
    サヨナキドリやクックロビンなど可愛らしいもの
    カワラバトやニワトリなど普通っぽいのもチラホラいた
    イギリスなんてすごい威厳のある鳥を出してきそうなのにクックロビンなんだね

  6. 日本に首都が無いとわかった時くらい驚いた
    アメリカの白頭鷲はそれくらい刷り込まれてたわ

  7. >むしろ公式じゃなかったことにびっくり!

    ほんとびっくりだよ

  8. 君が代が日本の国家に制定されたのも1999年で、え?なってなかったの?みたいな感じだったよね

  9. ハクトウワシはすでに国鳥だと思ってた

    あと非公式とはいえ日本の国果なんてあったんだなあ
    そういえば童話に登場する確率が高いのも柿だね さるかに合戦とか

  10. ハクトウワシの英語名が禿げてるワシなんだよねなんちゅう名前をつけたんや

  11. 日本は当たり前すぎて明文化していないことがたくさんある。
    さっこん話題の、首都を定める法律がない件とか(でも首都圏は法律でさだめられている)。
    公用語も定めていないので、世界で日本語を公用語とするのはパラオ共和国のアンガウル州のみとか(パラオ語、英語、日本語が公用語だが、日本語話者はいないそう)。

    これからは明文化しないといけないのかもしれないね

  12. こういうのは習慣法なので明文化されてないものが世界的には一般的なんだよね。

  13. 1947年に民間団体の日本鳥学会によって国鳥
    てっきり法律でキジになったのかと思った

  14. 中国:キンケイ、タンチョウ(非公式)

    タンチョウツルを国鳥にしたいが、学名が「Grus japonensis」なので心理的に嫌→学名を変えろと駄々をこねるがそんな子供じみた要請を聞く国も学会も無い(笑)
    じゃあそれならばと、トキを国鳥にしようとしたが学名が「Nipponia nippon」で(以下略

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