情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

TBS、東京新聞が佐藤正久「巻き込まれ」発言が自衛隊としての組織的方針であるとの文書、報道

2007-08-23 07:17:19 | æœ‰äº‹æ³•åˆ¶é–¢é€£
 
 
 昨日、http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6548165e47df4ba6a3a443d58c64dedfで、お伝えした「巻き込まれ」警護の方法について触れている自衛隊内部文書が見つかった件が、佐藤ヒゲ隊長の当初の発言を伝えたTBSのニュース(http://news.tbs.co.jp/20070822/newseye/tbs_newseye3640194.html)で報道された。また、東京新聞も大きく取り上げた。しかし、憲法の根幹、シビリアンコントロールの根幹に関わる問題でアジェンダセッティングさえしようとしないメディアは、自らの報道機関としての意義をいかに考えているのだろうか…。かなり悲しい…というか、この情報を流通しようとしないのは、危険な状況にあるのではないか?

 さて、TBSの報道によると、【イラクに派遣された自衛隊の指揮官を務めた佐藤正久参議院議員が、憲法違反の疑いがある「駆けつけ警護」を、事実上「行うつもりだった」と述べたことに対し、弁護士らのグループが、「個人としての発言ではなく、自衛隊全体の方針である可能性がある」と指摘しました】。

 佐藤氏の元の発言は、【「自分が巻き込まれない限りは、正当防衛、緊急避難の状況は作れない」と】いうもので、【味方の他国の軍隊が攻撃された場合、情報収集を行うという名目で駆けつけ、戦闘に巻き込まれる形を作って応戦する考えだった】。

 これについて、弁護士を中心とする市民有志が「憲法9条をないがしろにする」と批判していたが、この【弁護士グループらは、情報公開で得た資料を基に、「佐藤氏の発言は自衛隊全体の方針ではないか」と指摘しました】

 問題の資料の一部は冒頭のとおり。

 まず、「他国部隊が襲撃を受けた場合」には、憲法上の問題で、「救援できない」。しかし、「戦闘状態に巻き込まれた場合」は可能だとする。

 では、どうやって巻き込まれるのか?そのヒントが、「離れたところにいる者の救助」のページにある。離れたところにいる者の救助も「積極的な武器使用」にあたるため、憲法上救助できない。しかし、「武器を使うことについての積極的な意思がなければ、武器を持って駆けつけることは構わない」というのだ。

 この論理の延長上にヒゲ隊長が発言した方法、他国部隊についても、武器を使うことについての積極的な意思がなければ、武器を持って「情報収集」に行くことはかまわず、そこで巻き込まれてしまえば攻撃はできる…ということになるのだ。

 記者会見した中山武敏弁護士は「資料に書かれている内容は佐藤氏の発言と同じ、つまり(駆けつけ警護の肯定は)個人の思いではなく、陸上自衛隊全体の方針だった」と指摘した(東京新聞)。 

 資料には、「危害射撃の可否判断の具体例」とのタイトルのもと、40頁以上にわたって、具体的に攻撃可能な事例が検討されているが、ずべて黒塗りでの公開だ。
 
 皆さんの声を結集して、公開を迫りましょう。シビリアンコントロールを取り戻すためにも…。

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海上自衛隊のインド洋上派遣の重大問題 (ゴンベイ)
2007-08-23 07:38:46
テロ特措法による海上自衛隊のインド洋上派遣、こちらも駆けつけ警護暴走の重大危険があると考えていましたが、安倍のインド訪問時の日印共同声明で、その本質がシーレーン防衛の実績作りにあると確信しました。
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駆けつけ警護は過剰防衛殺人にあたる (眠り猫)
2007-08-23 08:16:27
 「駆けつけ警護が出来ないようでは、何のための軍か?」と言う内部論理むき出しで、入隊時の宣誓も憲法も無視した、自衛隊内部論理の暴走に危惧を覚えます。
 もし、この駆けつけ警護で、武器行使をして、死者を出した場合、確実に過剰防衛による殺人に該当すると思われます。
 大体、「駆けつけ警護」のどこに、日本の国益があるのか?単に自衛隊の軍としての自尊心肥大と、武器を使用したいという原始的欲望に捕らわれての言動ではないかと思う次第です。
 今回の論点とは違いますが、冷戦末期に書かれた、岩波新書赤本の「核先制使用症候群」と言う本が、武器と言うものを持った者が陥る、陥穽を示すものと思います。
 安倍の首相就任前の先制攻撃容認論なども同じ理屈です。
 結論として、国民にとってもっとも危険なのは、他国ではなく、自国の軍であることを今日の私のブログ記事に書きました。自衛隊の内部論理の横行を絶対に認めてはならない。そう思う次第です。
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Unknown (m-maki)
2007-08-23 12:34:07
陸自は、この黒塗りの資料の内容を、だれにも見られなければ違憲と思わないのでしょうか。悲しいかな、佐藤正久さんだけでなく、自衛隊は信用に値しないということですね。
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リンク切れ (ふらふら)
2007-08-23 16:26:02
こんにちわ。
本文中のTBSのニュースのニュースですが、リンクが切れています。
こちらをどうぞ。
http://news.tbs.co.jp/20070822/newseye/tbs_newseye3640194.html
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ありがとうございます (ヤメ蚊)
2007-08-23 17:28:21
早速修正しました。
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佐藤氏は虚言を繰った! (愚樵)
2007-08-23 20:02:14
ヤメ蚊さんの『佐藤正久発言、you tubeにアップ~「日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろう」』にコメントさせていただいた愚樵です。
それにしても酷い事実が明らかにされたものですね。私は先のコメントで「立法の精神」なる言葉を使って佐藤氏を擁護しましたが、これでは佐藤氏の「立法の精神」を認めるわけにはいきません。
また私はあのコメントで、佐藤氏個人はまだ罪を犯していないと擁護しましたが、佐藤氏個人と自衛隊という組織では別問題です。個人ならば仮にその意志があっても現に罪を犯さなければ犯罪とはならないが、組織は違う。そうした意志を示す証拠があれば罪を問うことができるはずですよね? ましてや、この組織は武力を行使する組織ですからね。関係者は厳重に処罰されなければなりません。

佐藤氏は“法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろう”いった。しかしこうしたマニュアルがあったのなら、もし犯罪が行われたとしても佐藤氏個人に罪を問うわけには行きませんし、また、佐藤氏個人の罪に矮小化してしまったらこれはこれで大問題です。それを踏まえての佐藤氏のあの発言であったなら、それは虚言といわざるを得ません。

いずれにせよ、自衛隊は罪を犯した。ならば喜んで裁かれてもらおうではありませんか!
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Unknown (DT)
2007-08-23 20:14:39
このようなことがホントに自衛隊としての方針だとすると、自衛隊は解体しないとダメでしょう。

しかし、現実的には戦闘が出来ないにも関わらず、戦闘が起こりそうな地域に行かされた事を考えれば、自衛隊としては、身を守るためにの有力な選択の一つと考えられる。

政治的に無理というか無茶な選択が行われていたがそもそもの原因であるので、責任を自衛隊に持っていくのは酷のような気がするが、明らかにシビリアンコントロールから離れているからねぇ。
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自分達が当事者でなく、別の部隊の… (田仁)
2007-08-29 15:58:30
自分達が当事者でなく、まるで別の部隊への「駆けつけ警護」が、何処を如何したら「身を守るための有力な選択の一つ」に…?
一寸意味が判りませんねぇ。
しかし、仄聞すれば、自衛隊車両が実際に路傍爆弾に遭遇した事はあり、目撃証言によれば一切(米軍のような)ヒステリー性の銃乱射も行わず、凄い勢いで基地に引き返したそうですよ…!
レジスタンス系メディアには「腰抜け」と見る向きも有ったが、如何にも自衛隊らしい光景です(人殺しはせんで良い!)。
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