もっと正確に言うと、人権派と陰謀論者の中間、あるいは地域の名物おじさんみたいなものだった。
この家に育って何が起きたか。
それは認めるし、親としては感謝している。
だが、私はこの家に育って、世間とまったく感性が通じないというか、後天的なコミュ障のような人間になった。
少し前に、発達障害者の人たちが「健常者エミュレーター」という概念を紹介していたが、それを見た時、私は膝を打った。
また、統一協会やエホバの証人の二世問題について知った時、私はこれに近いんじゃないかと思った。
自分が世間から見て「おかしい」ことはわかっている。だが、私に植え付けられた何かが、「いや世間なんて」と茶々を入れ続ける。
私の両親は、あらゆる凶悪事件がまるで発生していないか、あるいはまるで被疑者が英雄みたいに私に話すのだった。
大きな例を挙げると、神戸の連続殺傷事件(酒鬼薔薇)について、両親は冤罪説、つまり少年Aは犯人ではないということをしきりに唱えていて、まだ小さかった私にも、「これは嘘なんだよ」「警察はしっかり調べていないんだよ」と吹き込んだ。
私の父は予備校の会報か講師たちの同人誌か、そういう冊子に、そのことをずっと書いていた。そしてそれを小学生の私に読ませた。
食卓で悲惨なニュースを見ながら、「〇〇ちゃんは、人の心について考えられる人間になってね」と、両親は笑顔で私に話しかけるのだった。だが、「人の心について考えられる」というのは、イコール、死刑廃止活動やあらゆる有名な事件にまとわりつく陰謀論に近い冤罪説を信じろ、ということだった。
母は、左翼の地方議員の勝手連みたいなことをやっていて、時々家が集会場所となった。学校から帰ると、おばあさんとかおばさんが五人くらい集まっていて、きついコロンの香りを漂わせていた。
別に悪い人たちではない。本当なら、私よりもずっと世間に貢献している人なのだろう。お菓子やお土産とかもいっぱいもらった。だが、結局のところ、ある宗教の座談会の人権版が家で行われているのと変わらない。そしてこの集まりから何か発展的なことが生まれたようにも見えない。
こういう家に育って、私は中学生のころまで、いわゆる純粋培養で育った。親の言うことが全てという世界で。
極端に聞こえるかもしれないが、世間のあらゆる犯罪は、冤罪であるか、犯人の非ではない何かの理由があって発生した者であり、警察と政府は悪。端的にそう言う世界だった。
ネット上には、死刑廃止運動に絡めて、ある左翼の議員が、「殺されてしまった人よりは、生きている犯人の人権の方が大切なのだから」と発言した、という情報がある。実際はその議員はそんな発言をしていないらしいのだが。
私が初めて、ちょっとした疑問を覚えたのは、小学校高学年の時だった。
それまで放課後開けていた小学校の校門や校庭を、これからは明確に管理しようという話が、小学校で出たらしい。
しかし、私の両親、特に母親が待ったをかけた。というより、その現場に居合わせた。
母親はその情報を知るや否や、私もつれて、なんと校長に面談を申し入れた。
私は校長室の革椅子に座って、横で母親が延々と「開かれた学校という理念はどうしているのか」「治安というのはつまり何を基準に申しているのか」と校長にまくし立てていたのを覚えている。
なぜ私がそこに連れていかれる必要があったのか、そして半分笑顔でねちねちと喋り続ける母の姿は、子供ながらに、不安だった。その時はそういう言葉を知らなかったが、今考えると、敬語を使うだけのモンスターペアレントではないか、と思う。
そして自分が世間と徐々に乖離していると気づいたのは、中学校に上がってからだった。
両親。家の食卓で両親がわざわざ解説してくれるニュース。両親が取ってる新聞。送られてくる雑誌。友達。漫画。それだけが全てだった私に、携帯電話が買い与えられた。
両親は万能ではなかったし、全てではなかった。むしろ、ピエロの様な、少数者だった。
だが私はそれを知っても、どう処理すればよいかわからなかった。
「いい?憲法にはこう書いてある」と両親は時々言っていた。多分、世間一般の人々より、両親は「知的階級」だ。良いことを言っている。正しいことをしている。多分。恐らく。
だが、世間はそう動いていない。そう育てられた私に対しても。
そこで、当時話題になっていた、ある凶悪犯罪を揶揄するネタを余興としてやる男性がいた。
私は、今考えると、自分でもわからないのだが、「そういうのはやめた方が良いよ。まだ犯人だって決まったわけじゃない」と真顔で伝えた。
場はしらけ、そして私は飲み会に呼ばれなくなった。
SNSなら、これはリベラル的な武勇伝となるのだろう。だが私は、はっきり言って、普通に、なりたかった。
人権は、そしてそれを擁護する存在は重要だろう。犯罪だとか治安だとかに対して、「疑う」ことは重要だろう。だが、それは、宗教と同じく、大人になってから自分で学ぶべきことだったのではないか。
ご両親は、視野が狭いのです 戦前司法の横暴のみを挙げつらえば、被疑者や容疑者の人権擁護の必要性は非常に高いという結論になります しかし問題は司法の横暴そのものではなく、裁...
人権に興味を持ったり庶民の立場で政治に関与することをさも悪いことのように語る増田の本当の目的は何なんだろう
「イエス様に興味を持ったり信者の立場で教祖に奉仕することをさも悪いことのように語る増田の本当の目的は何なんだろう」
あなたの両親は間違ってない あなたの友人や教師が間違っているのです 負けないで下さい
リアルか怪文書か微妙なライン
犯罪者人権ガーって、一般人の人権を蹂躙するためにいるようなもんだからなぁ
何言ってんだ?
うん、あなたは間違って いないですよ。世間が 病魔に冒されて いたとしてもあなたは純真 無垢なままでいてください。
人間は環境の奴隷で、多数派だって多数派の価値観を植え付けられただけに過ぎない。 大人になって家庭で植え付けられた常識を疑う、というプロセスは誰でも変わらない。 他の人はそ...
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でもこう言う人たちがいなければ袴田事件の再審無罪もなかったんだよな
いい歳して人のせいにしてて草 ガソリン代が値上げと聞いてまず直感的に「車乗らねーから関係ねぇな」と思った後に「いや流通コストも値上がりするから国民全員関係あるな」と思い...
「完璧な倫理」を持った親などいない 「大人になってから学ぶ」とは居酒屋でやった失敗そのものでは?そうやって学んでいくものなので恥でもないし親は関係ない
一生自分の失敗を親のせいにしてろよ
酒鬼薔薇は冤罪と主張ってことは、両親は革マル系?
親が警察官の家の人も大変そうだったな
うちは娘に自力で幸せになりなさいと教えているけど、大人になれば他人の稼ぎで幸せになりたい人間の多さに驚くだろう そうやって他を知ることで「自分はどうしたいか」を学んでく...
大きな例を挙げると、神戸の連続殺傷事件(酒鬼薔薇)について、両親は冤罪説、つまり少年Aは犯人ではないということをしきりに唱えていて、 あれの冤罪説に執着してるのって特定...
フェミニストが息子や娘の育て方の話をしてるのってよく見るけどさ、今の社会の価値観から外れたことを吹き込んでも社会不適合コミュ障になるだけなんじゃねーの?って思っちゃう...
はてサの模範コメントやんけ ここでは「普通」でいられるぞ 「そういうのはやめた方が良いよ。まだ犯人だって決まったわけじゃない」
はてサはそういうの揶揄して遊ぶのにね
世の中に疑問なんて誰でも持ってる 世間一般が繰り出して盛り上がる不謹慎ギャグだって全部そう その事に増田は既に気がついたのでもう普通 言い訳してる暇があるなら自分を作って...
草津町長を性犯罪者と決めつけていたブクマカらが「君の飲み会での対応は正しいよ😀」みたいなこと言ってるの笑止千万なんだよなああああ
宗教はおとなになってから自分の判断で入信するのが正しいって価値観、どうなん? 宗教なんか先祖代々の文化として受け入れるか、そうでなかったら無宗教であれよと思うけどな 意識...
自分は両親ともに保守党員で、保守でなければ人でない、という地域に生まれ育ったけど、入った職場が革新でそのまま自分も革新。 両親とは仲良しだが、政治的な話題になると全く感...
アメリカ人ってこと?
「保守党」が当然のように昔から現在まで存在するのってイギリスだけでしょ 他国は他の呼び方をするか、もっと新しい
イギリスで保守でなければ人でない、という地域なんかあるの?
反人権派が「普通」だと思うなら、今からでも遅くはない、反人権派になればいい。 ただし、あなたがいつか無実の罪で逮捕されることがあっても、あるいは病気などで生活保護を必要...
宗教2世もそうなんだろうけど、 親がなにかにハマってた時の子への悪影響は大きいよな 宗教、反ワクチン、陰謀論、人権家 全部そうなのかな もっと多様な価値観を認められるようにな...
価値観の多様性は憲法上の人権によって護られるものだけどね。 反人権派の理想国家である北朝鮮や中国やロシアに「価値観の多様性」など存在しない。
他の国のことは優先度が低いというか、興味がないというか、どうでもいい 自分の身の回りが、多様な価値観を尊重して生きやすくなってくれればそれでいい
はてなでも草津で犯罪が確定していないのに誹謗中傷した連中は謝れ!と人権派の人達が大騒ぎじゃないですか。ご両親は立派なかたですよ。間違っても「クルド人はー」「女はー」「...
自称人権派とやらは犯罪者応援ばっかりしてるの何でなん? 他人の人権が踏みにじられるのがそんなに嬉しいんかね? 自分が被害にあって来いよ。
在特会やチーム関西などによる犯罪を弁護するのは右翼団体や右翼弁護士。いわゆる反人権派。 犯罪被疑者や被告人の支援をしている勢力は「人権派」だけじゃないぞ。
そこまで理解しているなら「両親が指定する悪の側」の理屈にも「意味がある」と考えてみれば良い。 人権も弱者の都合なら、政府や法律のやっていることも何かの「都合」だぞ。 出版...