探査機器とは? わかりやすく解説

探査機器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 19:18 UTC 版)

OKEANOS」の記事における「探査機器」の解説

クルージングフェーズ EXZIT(赤外線観測装置) 口径10可視・近赤外線望遠鏡黄道光及び宇宙赤外線背景放射分光観測を行う。地球から木星圏に向かう途中太陽からの距離対す黄道光輝度スペクトル変化観測し惑星間塵密度組成3次元分布明らかにする木星到達後は、宇宙赤外線背景放射直接観測を行う。 ALDN2大面惑星間塵検出アレイ太陽系ダスト分布その場計測GAP2ガンマ線バースト観測装置ガンマ線バースト偏光観測MGF磁力計磁場観測

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探査機器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:00 UTC 版)

はやぶさ (探査機)」の記事における「探査機器」の解説

宇宙機でのミッション系相当する探査機器類は、受動的なセンサ系能動的なサンプル採取関係のものに大きく分けられるセンサ系小惑星への接近時に用いられる純然たるミッション誘導用と、ミッション内容によらず宇宙空間内での位置方向などを知るための航法用のものがあり、両方兼ねるものもある。 センサ系 外部状況を知るためのセンサには、スタートラッカ (STT) やジャイロ、それに光学航法カメラ (ONC) 系統などの航法センサ類と、探査ミッション関わる対象物科学的データを得るためのセンサ類が搭載された。また、機体内部温度電圧電流といったセンサそれぞれの搭載機器多数配置され制御系測定データ提供していた。航法センサ 太陽センサ 太陽の位置検出することで自機方向を知る、航法センサとしては最も基本的なのであるスタートラッカ スタートラッカ (STT) は、比較明る星の位置を検出することで自機方向を知る航法センサである。地球周回するような近距離では、センサだけ搭載していて星データとの照合地上データ送信することで対応する方法主体であるが、はやぶさでは星図データ搭載して自ら照合する自立同定機能備えていた。本機実体30度×40程度視野角を持つカメラだった。 光ファイバ・ジャイロ 慣性基準装置 (IRU) とも呼ばれる光ファイバ・ジャイロは3軸ごとに機体回転運動測定するIRU実績がある米国製の700グラムほどの製品採用され2台(各3軸計測)が搭載された。 加速度センサ (ACM) 加速度センサ機体直線加速度測定する。3軸方向必要になる理論上直線加速度積算することで宇宙空間内での移動距離判るはずであるが、微小な加速度測定誤差大きくACMだけでは正確な航法・誘導行えない。 光学航法カメラ (ONC) 3台ある光航法カメラ (Optical Navigation Camera) は航法センサであると同時に科学観測用いられる探査ミッションセンサでもある。3台のCCD同種のものが採用され画像処理回路1つだけが共通に備え撮影対象に応じて底面方向 (-z軸) のONC-T(望遠)/ONC-W1(広角)と側面方向 (y軸) のONC-W2(ワイド)という3つのカメラ切り替えて用いられた。 ONC仕様機器レンズ視野角フィルター撮像素子露光時間重量望遠光学航法カメラ (ONC-T)D=15mm, f=120mm F8 5.7°x 5.7° 8バンド分光フィルター 背面照射型CCD1,024x1,024画素有効画素1,000x1,024) 5.46ms - 179s 1.61kg 広角光学航法カメラ (ONC-W1)D=1.1mm, f=10.4mm F9.6 60°x 60° なし 0.47kg 広角光学航法カメラ (ONC-W2)0.91kg アナログ処理回路 (ONC-AE)カメラヘッド駆動12ビットAD変換 1.01kg デジタル画像処理回路 (ONC-E)32ビットRISC CPU+画像処理ASIC 5.66kg 探査ミッションセンサ レーザー高度計 (LIDAR) レーザー測距機とも呼ばれるレーザー高度計 (LIght Detection And Ranging; LIDAR) は、YAGレーザー光を用いた測距装置である。地表反射率測定する科学機器としての運用想定されていた為、計測距離は50m - 50km広範囲また、着陸降下時の距離測定値を利用しイトカワ重量密度推定が行われた。 レーザーレンジファインダー (LRF) レーザーレンジファインダー (Laser Range Finder) は、レーザー光用いた測距装置であり、LRF-S1とLRF-S2の2台がある。 LRF-S1:LIDAR比較長距離担当するに対してLRF-S1は近距離担当し30度ほどの角度持たせた4本のレーザー光用いて対象面の傾き測定する70メートル以下でLIDAR併用し互い誤差確認しながらLRF-S1の測定切り替えるLIDARレーザーパルス波用いて反射されて来るまでの伝播時間計測するに対してLRFではFM変調し連続レーザー波を送信して反射波との位相差計測する。 LRF-S2:サンプラーホーン長さ測る着地時などにホーン押されて縮むが、機体側からホーン先端部との距離を計測することで小惑星との接触検知するようにした。S1/S1共通のデータ処理回路部 (0.91kg) が別にあり、切り替えて使用するためにS1とS2同時に使えないLIDARLRF仕様機器測定目標計測レンジ誤差計測周期重量LIDAR機体の高度 40m - 60km ±1m(50m時)±10m(50km時) 1回/秒 3.67kg LRF-S17 - 100m ±10cm(10m時)±3m(100m時) 5回/秒 1.45kg LRF-S2サンプラーホーン長さ 0.5m - 1.5m ±1cm 20回/秒 0.41kg ファンビームセンサ (FBS) ファンビームセンサ (Fan Beam Sensor) は、レーザー光利用した障害物検出器であり、送信機受信機セット探査機両側面に各2か所、合計4セット配置されていた。イトカワへの着地タッチダウン)では、探査機本体未知地形降下するため、起伏予想以上に大き場合備えて太陽電池パネル下方空間レーザービーム扇状スキャンすることで10cm大程度岩石突出部がパネル接触する前に上昇して接触回避できるように考えられていた。 近赤外分光器 (NIRS) 0.8 - 2.1μm近赤外線領域測定する分光器である。InGaAs素子による64画素が1列に並んだ光学的な検出器である。視野角0.1度×0.1度で取り込んだ検出光を、透過型回折格子によって波長ごとに分散させ、0.8 - 2.1μm領域64バンド光量検出するイトカワ構成する岩石などの組成を知るために、太陽からの反射光小惑星表面測定し、主にケイ酸塩鉱物による吸収スペクトル線を知ることで、組成に関する情報を得るものである。AMICAの可視光領域情報合わせればより詳細鉱物組成推定できるNIRSとXRSはコントローラ電源共有している。 蛍光X線スペクトロメータ (XRS) X線蛍光分光器とも呼ばれるXRS (X-Ray Spectrometer) は、3.5度×3.5度の視野角持ち1.0 - 10keVのエネルギー帯域のX線を160eVの分解能検知することができる。本来の小惑星組成検知する底面取付けられセンサー部にはX線CCD素子が4用いられており、太陽活動によってX線放射量が変化するのを補正するための側面飛び出した位置にある標準試料捉えている別に1枚使用され合計5X線CCD素子搭載されている。センサー部だけで1.7kg重量であり、センサー部とは別にXRS用の電子回路が共通電回路部内収納されている。オンボードコンピュータ(OBC)としてSTRAIGHTプログラム開発されたSH-OBCを採用し当時惑星探査用としては高速だったSH-3(SH7708)の三重冗長系によって観測画像機上解析実現した可視分光撮像カメラ (AMICA) AMICA (Astroid Multiband Imaging Camera) は、航法カメラ"ONC-T"の別名であり、航法では元々不要な機能である分光用の8域の分光フィルターホイール探査用として備わっている1つバンド航法用い場合350 - 950nmまでの全域通過させるものであり、残る7つフィルターが、360nm, 430nm, 545nm, 705nm, 860nm, 955nm, 1025nmを通すようになっている偏光フィルターCCD四隅備えられていて、小惑星接近した時に表面粒子サイズ検出することになっていた。 ターゲットマーカー はやぶさイトカワ上に短時間だけ接地し岩石等の試料採集するが、その着陸安全に行うために、広角カメラ"ONC-W1"の撮影によって横軸方向移動速度を安全値である毎秒8cm以内収めるよう降下軌道制御するが、その際良好な画像を得るのにターゲットマーカー用いられるイトカワに30m程まで接近したはやぶさは、底面ぶら下げた状態のターゲットマーカー固定ワイヤー火工品、つまり火薬焼き切るはやぶさRCSで自らは減速することで、ターゲットマーカー先に着陸地点となるイトカワ上に落としておき、ゆっくり接近しながら、"ONC-W1"はフラッシュ照らした画像と照らさない暗い画像簡単な内部演算することで、ターゲットマーカー位置を知る。複数回この処理を行うと、横方向移動速度を知ることができる。 ターゲットマーカー重力小さなイトカワ上で弾まずに確実に定着するように、薄いアルミ製の袋にポリイミド粒を収めたお手玉のような構造作られており、転がり防止用の4つのとげが付けられていた。フラッシュに対して明る反射を得るため、表面再帰性反射シート民生品)で覆われていた。 サンプラー系 イトカワ表面からサンプル採取するサンプラーは、5つサブシステムから構成されている。プロジェクタ サンプラーホーン サンプルキャッチャー/カプセル蓋 搬送機構 サンプルコンテナ プロジェクタ プロジェクタ弾丸(プロジェクタイル)を下方向けて打ち出しイトカワ表面岩石などを飛散させてサンプルとしてホーン内に飛び上がらせる役割を持つ。3本の棒状の発射装置サンプラーホーン基部外面に備わり、電気発火によって推進薬点火されることで、5gタンタル製の弾丸が各1発ずつ順番発射される秒速300m飛び出してイトカワ表面を打つ。ホーン基部にはアルミ箔の膜が付いた穴が3か所開いており、それぞれのプロジェクタがこれらに合わせて取り付けられている。点火後、弾丸推進薬圧力によってアルミニウム製サボと共に前進し弾丸プロジェクタから飛び出すが、サボプロジェクタ内に留まり変形して銃口を塞ぐので、発射ガスホーン内に吹き込まれサンプル地面汚染することはほとんどない弾丸は穴からホーン内に入射されると、下部ホーン下端中央付近に飛ぶよう照準されている。弾丸タンタル製であるため、小惑星岩石組成とは区別付きすいとされる。プロジェクタ発射命令は、ホーン長さ測るLRF-S2が1cm短縮検出することで出されることになっていた。 サンプラーホーン サンプラーホーンは、先端部の内径が20cmで全長1mほどのほぼ円筒形をした中空の管である。上部ホーン下部ホーンアルミニウム製円錐形であり、ホーン全体外形保ちながら、舞い上がったサンプル最上部へと誘導する働きをする。中部ホーン耐弾性がある布を円環支えた蛇腹構造になっていて、打ち上げ時には畳まれ宇宙空間伸ばされるようになっている舞い上がったサンプルホーン破って機体損傷与えないように強靭な布が選ばれており、機体自身地面接触しないように距離を稼ぐと同時に接地時の衝撃吸収担っている下部ホーン周囲にはダストガートというスカートがあり、ホーンに入らなかったサンプル機体側に飛び上がって障害起こさないように考慮されている。 サンプルキャッチャー/カプセル蓋 サンプルキャッチャーは直径48mm、高さ57mmの円筒形容器であり、内部はA室とB室に隔てられている。上部ホーンから導かれサンプル45度に傾いた反射板に当たることで進路横向き修正されて、1回目サンプル収集ではB室に格納され次にA室に格納される。2室の切り替え120度(1/3回転)ごとに2方向開口部を持つ回転ドア式の回転キャップによって行われ最後の1/3回転によってこれがそのままとなる。サンプルキャッチャーの一方にはカプセル固定されている。 搬送機構 サンプルキャッチャーをサンプルコンテナ内に移動させるのが搬送機構役割である。サンプル収集終えて、サンプルキャッチャーをサンプルコンテナ内に移動するには、まず、サンプルキャッチャーに挿入されているホーン上端部を下げる。次に形状記憶合金製のバネ通電してサンプルキャッチャーとカプセル押し、これらをサンプルコンテナ内に挿入する。ラッチ・シール機構に対して信号送りラッチによってカプセルカプセル固定する動作と、Oリングによる真空シールを保つ動作同時に行う。カプセル側と結んでいた信号ケーブル火工品によるワイヤーカッター切断したサンプルコンテナ サンプルコンテナ帰還カプセル内の中央位置しており、サンプルキャッチャーを格納する容器である。宇宙空間でサンプルキャッチャーを収容したサンプルコンテナは、サンプルキャッチャー側の2重のOリングと共にサンプルキャッチャーとサンプルコンテナとの狭い間隙真空に保つことで地球帰還時の再突入高温から熱伝導断ち同時にサンプルコンテナ内まで真空に保つことで地球大気からのサンプル汚染も防ぐようになっている帰還カプセル 帰還カプセルは、直径40cm、質量16.3kgの中華鍋のような形状をした耐熱容器で、サンプルコンテナなどを除けばヒートシールドパラシュートインスツルメント・モジュールといった要素から構成される帰還カプセルサンプルコンテナ収容後、分離地点到達したところで止められていたラッチ火工品により解除し18本のヘリカルスプリングが再突入カプセル回転をつけながら押し出すしくみである。地球帰還時には最大、約43,000km/時(約12km/秒)の速度大気進入するため、主に断熱圧縮による空力加熱受けて前面空気温度最大では2万ほどになる。15MW/m2ほどの加熱率と見込まれる地球帰還後月軌道付近本体から分離し実際に70,000kmまたは 74,000kmで分離した)、突入角12.0度、秒速12.2kmの超軌道速度再突入するヒートシールド ヒートシールドは、主に炭素繊維強化プラスチック (CFRP) によって作られ耐熱性カバーであり、前面ヒートシールド背面ヒートシールド2つ円盤状の部品から構成される最大2万になる熱に耐えながら、内部への熱の侵入を断つことが求められた。前面ヒートシールドは、落下中の減速効果姿勢安定性両立させるために曲率半径20cmの部分球面状外形選ばれた。高熱耐えるための外面形成するCFRPの層は「アブレータ」と呼ばれる前面側では25 - 36mmほどのアブレータ層の内側には10mmほどの断熱層が形成され背面側では11mmのCFRPになっている表面にはアルミ蒸着カプトンの薄膜が貼られている。背面ヒートシールドにはパラシュート一端つながりヒートシールド分離破棄する過程パラシュート引き出されることになる。 パラシュート 再突入カプセルは、大気落下中の高度5 - 10km付近ヒートシールド捨てポリエステル製のパラシュート開いて落下速度を7m/秒程度にまで減速させるインスツルメント・モジュール インスツルメント・モジュールサンプルコンテナ取り囲むように配置されている電子機器であり、リチウム一次電池によってパラシュートの開傘命令電波ビーコン送信が行われる。加速度センサタイマーによってパラシュートの開傘タイミング決め、開傘後に地上落下してからはUHF帯ビーコン送信する高熱や開傘時の50Gほどの衝撃にも耐える必要から、基板間は樹脂満たされ固められている。 @media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important} 探査機「はやぶさ」相模原市立博物館 2010年7月撮影同左相模原市立博物館 2010年7月撮影同左相模原市立博物館 2010年7月撮影

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