データ処理
データ処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 08:40 UTC 版)
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データ処理(データしょり、英: Data processing)は、英語Data Processingの前半をカタカナ語とし、後半を漢語訳した語である。情報処理やコンピューティングとほぼ同様の意味で、特に科学的に意味がある区別は無いが、情報処理の「情報」やコンピューティングの「計算」という語にある数理的色彩が比較的薄いデータベースの処理などといったものを指す。コンピュータ以前にはタビュレーティングマシン等の機械により、それ以前には人手により行われていたが、コンピュータ以後はもっぱらコンピュータによるそれを指す。バズワード的には、1960年代や1970年代にはコンピュータ業界(のうち主にいわゆる「企業システム」向けベンダ等)を指す語として多用されていたが(たとえば業界ネタを集めた『The Devil's DP Dictionary』という題の本がある)、近年は「IT」などの語に置き換えられあまり見なくなった。
データを情報や知識に変換するコンピュータ処理全般を指す用語。データ処理は通常コンピュータ上で自動実行される。データは正しく表現されれば便利で実用的な「情報」となるため、データ処理システムは実用性を強調するために情報システムとも呼ばれる。これらの用語はほぼ同義であり、データ処理システムがデータを操作して情報を生成するのに対して、情報システムはデータを入力として情報を出力する。
かつて、コンピュータシステムを指す用語として「データ処理システム」という用語がよく使われた(1970年代)。その後、「情報」という単語を使った新たな用語(情報システム、ITシステム、経営情報システムなど)が生み出され、データ処理システムという用語を代替していった。
データ処理において、データは数や文字として定義され、観測可能な現象の測定値を表す。1つのデータ(datum)は観測された現象の1つの測定値である。測定情報は、複数のデータからアルゴリズムによって導出されたり、論理的に演繹されたり、統計的に計算されたりして求められる。情報とは、クエリへの意味のある応答として定義される。
より一般化すると、「データ処理」とはデータをある形式から別の形式へと変換する過程と定義できる。しかし、そういった意味では「データ変換」という用語の方が適切であろう。この観点では、データ処理は情報をデータに変換する過程とデータを情報に変換する過程を指すということになる。データ処理とデータ変換の違いは、データ変換では応答すべきクエリを必要としないという点にある。例えば、英語の文を形成する文字列形式の情報は、キーボードのキー押下から「符号化」されてハードウェア向きのコードとなり、さらにはASCIIコードとなり、フォントに変換されてディスプレイに表示される。この例は、キーボードでのキー押下に連動した電流の有無が変換されて、最終的に人間が理解できる意味のある情報になる例である。
しかし、このような例はデータ処理というよりも組み込みシステムやオペレーティングシステムによるハードウェア制御という観点で語られることが多い。一般に「データ処理」という用語が使われるのは、業務のための多数のデータを集積し、それらを情報利用者にとって使い易い有意義な情報として提示する過程に対してである。
科学技術的データを集めて処理する場合、データ処理よりももっと正確な用語として「データ分析」が使われる。この場合、ビジネスの分野ではあまり見られない、非常に専門的で正確なアルゴリズム的導出と統計計算を指す。この文化の違いはデータ処理とデータ分析での数値表現にも表れている。データ処理では整数または固定小数点数や二進化十進表現での実数表現が用いられるのに対して、データ分析では浮動小数点数で実数を表現することが多い。
自然界に発生する様々な過程も圧力や光などの情報によって観測されるデータ処理システムと見ることもできる。それらの情報は人間の観察者によって神経系内の電気信号に変換される。無生物同士の相互作用さえもある種の情報処理システムと見ることができる。データ処理や情報システムという用語の一般的用法は、ビジネス環境で繰り返されるアルゴリズム的導出、論理的推論、統計的計算に限定され、実世界でのあらゆる情報の変換過程を指すわけではない。
参考文献
- Linda B., Bourque, Linda B., Bourgue, Virginia A., Clark, Processing Data: The Survey Example (Quantitative Applications in the Social Sciences), Sage Publications, Inc. (2006年12月14日) ISBN 0803947410
データ処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 08:59 UTC 版)
冗長化されたシステムは、大きく分けてデュアルシステムとデュプレックスシステムに分かれる。 デュアルシステムは、同じ処理を2組のコンピュータシステムで行い、その結果を照合機でクロスチェックし、処理の正しさを確認しながら処理を進行していくシステム構成。サーバー本体のみならず、電源やケーブル、データベースなど全てを二重化する。コンピュータ・システムにおいては、一瞬の停止も許されない、例えば金融機関や交通機関の運行管理などのシステムで冗長化を行うことが多く、システム内部に相似形のサブシステムを常に並列して稼動させておき、片側に障害が生じたときでも停滞なくもう片側だけで基本的なサービスが行えるように設計・運用されているのがデュアルシステムである。障害発生時には、問題のある側のシステムをメイン処理から切り離し、残された側のシステムのみで処理を続行しつつ、障害からの回復を図る。故障時の切り換えだけでなく処理結果の比較によって異常検出や多数決が行えるのも特徴。 デュプレックスシステムは、主系(稼働系ともいう)と副系(待機系ともいう)からなる2系列の処理システム構成で、ホットスタンバイとコールドスタンバイに分かれる。ホットスタンバイは、待機系をいつでも動作可能な状態で待機させておき、障害発生時に直ちに切り替える方式。コールドスタンバイは、通常時は稼働系でオンライン処理、待機系でバッチ処理を行いながら待機させるが、主系の障害発生時には、主系で行っていたオンライン処理を副系に引き継ぐことで処理を継続する。つまりそれぞれのサブシステムで互いに異なる処理を行う構成。コールドスタンバイは障害発生時まで電源を停止している場合もある。 クラスタシステムは、2つの用語があり、「高可用性クラスタシステム」、つまりフェイルオーバーができるデュプレックスシステムを指す場合と、複数台が同時に稼動して負荷分散しながら並列に処理をする「負荷分散クラスタシステム」を指す場合がある。この用語を使用する場合、どちらを指す言葉なのかを明確にするために、「クラスタシステム」という用語の前に、「高可用性」か「負荷分散」を付けて明確化する必要がある。後者の負荷分散クラスタシステムは、結果的に全体を1台の高性能のコンピュータであるかのように利用する。連携しているコンピュータのどれかに障害が発生した場合には、ほかのコンピュータに処理を肩代わりさせることで、システム全体として処理を停止させないようにしている。 また、特に重要なシステムでは、災害や広域障害などに備えて複数のシステムを例えば東京と大阪などのように離れた場所に設置するようになっている。 こういった冗長化は、サービスの継続性が高められるという点で有用であるが、多額の費用がかかることから、完全な冗長化が施せるシステムは費用対効果の面で限られる。一般の消費者向けや企業でも通常の事務処理で用いられるパソコンでは、瞬時の停止を避けるほどの冗長化を施すことは稀であり、ほとんど唯一、比較的脆弱とされるハードディスク・ドライブの故障だけは作成・保存されたファイルすべてが失われる危険性があるのでRAIDによって冗長化が行われることがある。
※この「データ処理」の解説は、「冗長化」の解説の一部です。
「データ処理」を含む「冗長化」の記事については、「冗長化」の概要を参照ください。
「データ処理」の例文・使い方・用例・文例
- 電子データ処理
- データ処理は外注してしまうという手もある。
- 電算機はデータ処理に役立つ.
- データ処理のほとんどを行うコンピュータの部分(マイクロプロセッサ・チップ)
- データ処理の結果を印刷する出力装置
- データ処理システムのオペレーションを監視、統制、制御、確証するプログラム
- データ処理装置のネットワーク構成を作る(データフォーマットとデータ処理を含む)設計原理の仕様
- 会計または商売の管理におけるデータ処理
- コンピュータによるデータ処理
- 制御作業はそのデータ処理を始めた
- 大きな既存のデータベースでのパターンと相関関係を発見するために高度なデータ検索能力と統計アルゴリズムを用いるデータ処理
- 機能の一部が別々の場所で実行され、通信設備によって接続されるデータ処理
- 統計カードやパンチテープを用いない、電子的な手段による自動データ処理
- データ取得と他の段階または処理がコヒーレントシステムに統合された自動データ処理
- 結果が規則によって完全に指定されるデータ処理(特に単一命令から生じる処理)
- 実行されるオペレーションが優先事項のシステムによって決定されるデータ処理
- 外部処理の速度を維持するのに充分な早さのデータ処理
- 時間的尺度因数が1を超える時に、データ処理で使用される時間的尺度
- コンピューターによる集中一括データ処理方式
- オフラインシステムという,コンピューターのデータ処理方法
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