さらばフジフィルムのネオパン、フジブロ
周知の事だがフジフィルムがモノクロ事業から撤退することに決まった。既にネオパン=アクロスの製造は中止となっており、公表では10月までの発売だというが実際の終了はもっと速いだろう。印画紙の供給は2020年までというが、これも足が速ければどうなるか分からない。これで国産の感材はオリエンタルくらいになるが、ちょっとフジフィルムの設備を買えというのは酷だろう。絶好調時のキタムラだったら譲渡という可能性がちょっとはあったと思うのだが、今となってはなあ。安倍政権の憲法改憲の如し。
今更ながらビック.comを眺めたらコダックや複数のヨーロッパ製フィルムが安くなっていたりして、案外、アクロスが無くなっても息を吸うことはできるかなとフィルムの面では思った。しかし、困ったのは印画紙である。薬剤はイルフォードの濃縮液や勿論D-76で問題ない。多少割高だとしてもフジフィルムだってありえたことだ。しかし、印画紙は別だ。もう、あちこちで書いたんだけどイルフォードの印画紙なんて高くて買えませんよ。
拙僧のような期限キレの印画紙を探すような客にもなら無いモノが言っても価値がないのだが、無くなるのはとても困る。つい先日、バリグレードも無くなってしまったので嫌な予感はあったものの、単号紙でハッピーな世の中なんて成立するわけはないよな。
去年の合同展示会でも四つ切りは全てリサイクルショップで拾った期限も風化した500円で買った100シートのフジブロFM3だった。フジフィルムからしたら迷惑な話である。それはそれで、いい感じの絵が出るのだから、やっぱりフジフィルムのノウハウは惜しいなあ。
拙僧がプアな頭を持ちながらもレンズに蘊蓄を傾ける根拠となっているのは実際に印画紙に焼くからだ。レンズのパーソナリティーというのは何かしらの曲線なんて拙僧には全く理解できないし興味もないが、印画紙をフィルム1本30枚も焼けば感じることができる。これは誰でも感じることができるだろう。なので、拙僧が撮影時に頭によぎっているのは「完成時には印画紙に焼く」というモチベーションだ。実際には1%も印画紙に焼くネガなんて無いのだが、そこはモチベーションの問題である。
今のところ、方々の方々から頂いた印画紙も残っている。しかし、六つ切りや四つ切りの印画紙は限定的で、無くなってしまう前に焼きたいネガはさっさと焼いた方がイイのではと思っている。いや、思っているだけでは何の足しにもならなくて行動あるのみだ。兎に角、フジブロが枯渇する前にガンガールズくらいは焼かないとな。
フィルムの方は複数のセラーが頑張って輸入販売してくれているようだが、印画紙や薬剤となると限定的だ。拙僧も印画紙の個人輸入を検討したが紙は嵩張って重くなるので送料を鑑みると安くならない。ここは長巻フィルムやパトローネとは異なるところだな。
とにかく、できることは目の前にあるネガを焼くことだ。幸いGWに妻がソウルに5日間くらい遊びに行くので集中的に焼くつもりだ。
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コメント
モノクロやらない私ですが 一度 モノクロで撮って知り合いに現像焼きつけを、頼んだことがありました。
信じられないくらい美しいのがでてきました。あんなふうに 自分の手で出来たらいいなあと思っているうちこの日が来てしまいました。
何かいい方法が見つかるとよいですね。
お気に入りの写真ばかりでテンションあがりました。
投稿: とりおた | 2018年4月21日 (土) 08時17分
どもども、とりおた殿。
拙僧にとっては、やっぱり印画紙に焼くというのは写真趣味につきます。洗濯バサミで吊るした印画紙の焼き具合を眺めるのは酒が進むものです。
写真を気に入って頂けてうれしいです。
できれば実際の紙を見ていただけると嬉しいのですが。
とにかく、今は残っている紙を焼き切ろうとネガを選択することですね。
投稿: Rikkie | 2018年4月21日 (土) 17時53分
どうも。これは耳の痛い話ですね。祖父がカメラ道楽で、戦前暗室家に持っていたらしく、昭和9年生まれのおやじの写真などを見ると、こりゃかなわないんですね。どうせ海外からにゆにゅひんでしょうから、大変なコストがかかっちゃっている。ゆくゆくはと中古の富士の引き伸ばし機を譲ってもらったのですが、神経質な割にいい加減でフィルムの現像もおぼつかない有様。やれ散光式だの、集光式だのフォコマートじゃないととか。アポロタゴンはいいとか。もう訳が分からなくなってリバーサルに逃げました。レンズの性質は、光とフィルムの朱里とレンズで覚えているんです。モノクロは自家用でスキャンできるようになって楽じゃわいといったなんちゃってモノクロです。せいぜいデジで美しいモノクロを作る技を身に着けたいと思います。
あとアサヒフレックスと、PEN-Fの、なんかあやうさみたいなギリギリのところを狙ってくるところにちょっと最近魅力を感じております。中判モノクロとリバーサル映像は、シグマに置き換えました。やはり白黒を焼く方が、本当に写真をやる方だと思います。
投稿: 横須賀与太郎 | 2018年4月21日 (土) 21時49分
どもども、横須賀与太郎殿。
正直なところ、拙僧は写真を撮って焼くプロセスを楽しんでいるのでデジの方が楽とかデジの方が綺麗とか興味ないんですよね。雨が降れば濡れる単車に喜んで乗るようなもので。
一方でレンズやフィルムによるプリントの仕上がりの違いには興味があります。無論、美しい方がイイですね。ペンFもミノックスもですが、条件によってはキャビネくらいならライカ判と遜色がないプリントになることがあるんですよね。なかなかスキルの壁があって上手くは行かないんですが。
投稿: Rikkie | 2018年4月22日 (日) 11時03分
どもども。
学生時代にクラブなどで暗室経験の有無が大きく関わってきますね。小生は会社に入ってからなので寮生活では場所がないのと身近に現像をしている人がいなかったので、結局暗室作業は憧れのままでした。
でも写真を最後まで自分で手掛けるって魅力だわぁ。
投稿: 大佐 | 2018年4月24日 (火) 07時44分
どもども、大佐殿。
あっしも社会人になってからの「ぼっちデビュー」です。頼りは日本カメラの「暗室技法入門」のみ。
それでも、バットに浮き上がって来る印画紙の絵はいいモノですよ。やっぱり、写真を撮ってて一番いい気分になるのは乾燥で吊るした印画紙を眺めながら酒を呑むことですねエ。
投稿: Rikkie | 2018年4月24日 (火) 12時52分
社会人デビューだったの!わお、尊敬するわぁ。
投稿: 大佐 | 2018年4月24日 (火) 19時44分
どもども、大佐殿。
社会人デビューっす、バリバリっす、シクヨロ。
投稿: Rikkie | 2018年4月24日 (火) 19時48分