ちょ、ちょっとーっ!
「青春ミステリーの歴史的名作」との声に偽り無しだわ!
んもーっ、んもーっ!
春一と麻子のふたりの関係がさーっ!
なんて素敵で可愛らしいの、この子たち!(≧▽≦)
ことに麻子の可愛らしさには恋してしまいそうです。
言いがかりで春一を傷つけ、それで春一が立ち去ろうとするところを彼のシャツをつかんで引き留めるとかさ、もうねもうね!
仕草がいちいち可愛いのね!
「面白くないわ、ちっとも」と、ぼくの指を自分の掌の中でいじくりながら、ふてくされた声で、麻子さんが言った。「けっきょくいつも、最後は戸川くんの言いなりで。くやしいったらないわよ」 うひゃー。
かーわーいーい~(≧▽≦)。
理不尽なことで振り回される春一も、だけれどそんな彼女を甲斐甲斐しく相手してるしさー。
麻子には「冷たい人ね」と評されてしまいますけれど、本当に本当、間違えていけない最後のトコロでは正しい行動を選ぶことができてますしね。
クールを装いながらもオンナノコを守ることにためらいが無いっちう。
ハードボイルドだね!(≧▽≦)
……ああ、そうか。
青春ミステリなんだけれど、ハードボイルドなのか。
オトコは強くあらねば?
ミステリにはわたしはふた通りあると思うのですよ。
新本格のようなトリック重視のタイプと、動機につながる心理描写を重視するタイプ。
わたしの感想では後者のほうが物語的な色づけは濃くなる気がするのですよ、どちらかといえば。
で、今作がどちらなのかと言えばもちろん後者で、事件そのものの種別などは極めてステロなんですよね~。
動機や手法も含めて、おおよそすぐに類推できてしまうという。
それでもそれ以外の部分、ことに先述のように春一と麻子のやりとりなどがとにかく軽妙でそれだけで引き込まれてしまうわけでー。
ああ、これが15年以上も前に上梓されていたなんて。
昨今のライトノベルのブームとかツンデレを筆頭とするキャラクターのラベリングとか、正直、負けてしまっていると思ってしまったり。
樋口有介という人は、そんなところを15年前に通過しているんだなぁ……と。
とにかくハートをわしづかみにされてしまったので(主に麻子の可愛らしさに)、これから樋口センセを追いかけていこうと思います。