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 ひとときも落ち着くことのない、賑やか続きの学園探偵ライフ!(笑)

 前作「卒業式編」で表された謎めいた部分が、展開が進むにつれて意味と重みが浮かび上がってくるという。
 「爽快なフィナーレまで一気呵成に突き進む」とのコピーに偽り無しですわ~♪


 個々の小話におけるトリックは極めてベーシックなものばかりだと思うのです。
 だもので一見すると易しいミステリかと思ってしまうトコロなのですけれど、やぱし本質を知るには「卒業式編」と併せないとダメですよね~。

 続けてみると前作と今作で「起承転結」がきっちり成されている感が。
 全体のくくりでみた「謎」は前作でしっかりと提示が済んでいて、それでいながら今作では新キャラ登場して伊神さんも居ないという急変事態からのスタートで、まさに「転」。
 さらに全てが明らかになって物語が集束していく後半は、「結」としての形が見事に表されているっちう。

 前後編として著しているのではなく「卒業式編」と「新学期編」。
 前後編となっていると後編が明らかになるまで作品としての体が成されない印象を受けるのですけれど、今作においてはそれぞれが独立して作品として独り立ちしているのですよね~。
 しかし併せてみたときはより大きな物語が形作られていることに気付くわけで……。
 アイディア賞的なトコロもあるでしょうけれど、この構成力は評価されるべきだわ。



 新キャラの希ちゃんの登場によって柳瀬先輩の立場にも緊張感が(笑)。
 攻めているようでいて確かなところまでは踏み込まない先輩の態度は、ミノが言うところの「ウチの部長もグズグズしてるから……」というセリフに集約されるものでしょうねぇ……。

 まぁでもしかし。
 柳瀬先輩って部分的にはきちんと乙女しているオンナノコですしねぇ。
 そこまでストレートには表現できたりしないですか(^_^;)。
 それにまだなにか隠している部分もあるように感じられるので、読み手が受ける気持ちがそのまま当てはまるのかも微妙なトコロかもですしー。

 葉山くんの鈍感さも少し異常なくらいでコメディ過ぎるところがあるのですが。
 でも、そういう彼でなければ柳瀬先輩の気持ちもある程度まで表面化しないといけなかったでしょう。

 物語から要請される部分があるにしても、キャラ造形がきわめて理にかなっているのだなぁ……と思わされます。



 卒業しても伊神さんは気軽に登場してきてますし、シリーズとしてはまず安泰でしょう(笑)。
 希ちゃんが代わってその役を担うかもですしー。
 あとは葉山くんがオトコを上げる展開が――(^_^;)。
 今後が楽しみなシリーズです。
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