当初は反目し合っていたオトコノコとオンナノコが、それぞれの確執を乗り越えて手を取り合って未来を向くお話。
ステロといえばステロなんですけれど、それだけに安心して読み進められたかなぁ。
奇をてらったところが無いというか。
でも、この作品ならではの魅力っていう点も薄い気がするのも……。
とりあえずステロにするならステロに徹してほしいような。
ステロゆえに雰囲気でわかってしまう、通じてしまうって部分が少なくなくて、もう少し細やかなところに意識を使って創り上げて頂けたら……と思うともったいなやもったいなや。
1冊のお話としては枝葉の部分になってしまうのかもですけれど、女性だけの種であるアポストリたちが繁殖のために人間の「血」を必要とするくだり。
んー……こことか、ねぇ。
両者に強制的な関わりをもたせるにしても、ならばもう少し要点として描いて欲しかったような。
おぼえている限りこの設定が展開の表面上に浮き上がってきたのって1回だけだったような。
人間とアポストリ、そして人間の学とアポストリの葉桜。
全体の関係を描くにも、個の関係を描くにも、設定が浸透していなかったように思えるのですよー。
このあたり、続刊とかで活かされてくればいーなー。
まぁ、でも、この物足りなさも、そう悪くないような?
続きを読みたいと思う程度に。
奨励賞を受賞しているってことは、レーベルの傾向としてもう1冊は出してもらえるのはないかと思いますしー(笑)。
うん、楽しみにしています。