ひじを壊した中学ナンバーワン左腕が、野球への想いを諦めきれずに破滅覚悟で完全燃焼する覚悟を決めるまでのお話。
えー、あー……うーん?
「野球を題材にしたラノベ」という特異性はあっても、「野球ドラマ」としてはステロかなぁ……と思った次第。
「ひじを壊した」と言っても腕は振れるので投げられるワケで(振れると投げられるは違うというツッコミはひとまずさておいて)。
そこに「次に壊したら取り返しの付かないことになる」という前置き付きで投球数が制限されているところにガジェットとしての妙が配されている……のかもですけれど、その制限は意味薄いような。
30球だろうと50球だろうと。
「投げられる」×「投げられない」の相克では「投げられる」に向いていて、「取り返しの付かないこと」に対して葛藤が配されたとしてもそこで恐れて動かないようであるのであれば最初から野球ドラマとして成り立たないと思うのです。
つまりは物語として「失うことのないドラマ」ではないかなー、と。
そうあるべきように初めから筋道立てられている……っちうか。
一色センセが野球好きなのはわかるのですけれど、ドラマを野球に関連することだけで成立させようとしたことが物語の幅を狭めてしまっているように思ったりして。
悪いお話ではなかったのですけれど、物語の振幅を弱く感じてしまったかなーと。