うええええっ!?
ここで終わりなんですかーっ!!!?
うーん……。
今巻でのまとめかたは、駆け足感をぬぐえないかなー……と思いつつ、野梨原センセってこういう結び方っちうか終盤での筆致ってあるなぁ……とも思ったりして。
なんちうか、キャラクターのそばから離れて、物語を見つめる第三者な意識が多分に現れているような。
もう、そこから先は自分の関与するところではない、みたいな。
ひとりの犠牲の上に世界の安寧が保たれるのであれば、その犠牲は認められるのか。
もちろん、その犠牲が自分の手が届く範囲でなければという条件付きで。
そんな社会に対する無責任な生き方を弾劾することって、これもまた野梨原センセの作品ではわりに見られる主張であるかなーとか。
でもって野梨原センセは、今作ではフォルミカが、そんないびつな世界など滅んでしまえと叫ぶわけで。
それはわがままかもしれないけれど、鮮烈で苛烈。
みんなで生きられないなら、みんなで死のうと覚悟を問うているわけで。
生きるも死ぬのも、みんなで分かち合うことを。
少なくとも、「n-1」の状態を「みんな」とは呼び表さないことだけは彼女はハッキリしていて、そんな矛盾を誰も指摘しない世界を悔しく思っていて。
きれい事では世の中は成り立っていないというのはわかります。
でも、「犠牲の上に成り立つ世界」もきれい事では済まされていないとするならば、「そんな世界は滅べ」と言ってしまうのも決してきれい事だけではないと思うのです。
こういう根幹に流れる野梨原センセの主張、好きー。
でも、それだけに今作と「ちょー」シリーズとか他のシリーズで描かれることとの差異化はされていなかったかなぁ……という印象が。
今作ならではの魅力っていうのでしょうか。
フォルミカの能動的なところとか、わたしには魅力的でしたけれど、でもそういうオンナノコって野梨原センセの作品では定番ですしー(苦笑)。
……それゆえに野梨原センセの作品をわたしは好きでもあるのですけれ、どっ。