暴力を嫌い、言葉だけで戦うことを望む王子様。
「暴力ではなにも解決しない」とは言いますけれど、ならば解決するにはどういった手段が策として残されるのか。
それをこのミスマルカのマヒロ王子は「話し合い」だとのたまう次第。
きれい事かなー、と笑わばどうぞ。
でも、絶対に無理でなないかも……と思わされてしまったですよ。
その可能性、希望に。
武力は行使さえしなければ取引のカード。
でも目の前の答えを導き出すためにひとたび暴力に頼ってしまえば、次はさらなる暴力が襲ってきて元の木阿弥。
暴力に頼る存在は、いつかそれ以上の暴力に襲われて敗北するという。
簡単なルールなんですけれど、わかってはいても向き合うことが難しいわけで。
それは「暴力に頼ろうとする『弱さ』」なんでしょうけれど、ねー。
人間は自分の弱さを認めたがらないってことなんでしょうか……。
そこへいくとマヒロ王子は「暴力を嫌う」という自らに課したルールを命を賭けてまで守り通そうとする『強さ』がある、と。
やはり本当の力とは、人の意志、なのかなぁ。
身一つで刃と向き合う王子の姿勢に、そう思うのですよ。
「舐めるなよ帝国三番姫!!」 武勇の誉れ高い帝国のルナス姫を前にして一歩も引かずにこの言葉。
これには熱くなったわー!(≧▽≦)
よくぞ吠えた!
もちろん「話し合い」とはバカ正直に全てをさらけ出すということではなくー。
その手段のなかには相手を騙すことも含まれる次第。
騙すというのは「自分を信じさせる」と同義だと。
うはぁ、へりくつ~(´Д`)。
んでも、どれだけ屁理屈であろうと、それで誰も傷つかないのであれば、その屁理屈は立派なものだと思います。
誰かが犠牲にならなけれないけないような金科玉条よりも。
お馬鹿で軽薄なノリはいつもの林センセらしさを感じますし、うん、これは先が楽しみになってまいりました。
なにしろ問題解決に「暴力」を許さない設定ですから。
数々の作品がそれでコトをなしえてきた中で、いったいどのようにしてこの先の窮地を切り抜けていくのか、もー、期待しまくり。
もし本当に言葉だけで世界を統一できたら、そのときは名作の仲間入りを果たすのではないでしょうか?
まぁ、とまれ、そんな大層な夢物語を始めてしまうあたり、林センセらしい風呂敷の広げ方だと思いますし、夢を語ってこそライトノベル!てなもんでしょうし。
いろいろな意味で今作のこれからを楽しみにしています。
ところで今作の時間軸って、『マスラヲ』の後?
聖魔杯って、あれのこと、なのかなー……とか思ってしまうワケで。
そのあたりの関連性にも期待、なのです。