婚礼の途中で新郎が急死してしまったことで「死神姫」と呼ばれるようになってしまった没落貴族のお嬢さん。
つづいて持ち上がった再婚話のお相手は、いろいろとよろしくない噂のある成り上がりの新興貴族サマ。
家門を守るためにも自分を「買い取ってくれた」今度の結婚を失敗させるわけにはいかず、嫁いだ先で巻き起こる騒動にもめげずに奮闘する「メガネ」+「貧乳」な幼妻の物語。
……って言うと、なんだかすごく語弊があるような(笑)。
でも没落貴族だからこそ夢にうつつをぬかさず現実を見据えて生きてきたわけで、そのことで清貧と純朴なココロを宿すことができたのは幸いかと。
毒もクセも無いおかげで、主人公「死神姫」アリシアの言動がひじょーに好感なのですよ。
ちょーっと「足りてない」ところもあるように思えたりしますけれど、世界をあるがままに受け入れられる懐の深さを感じますですよ。
そんな真っ直ぐな性根の持ち主のアリシアにあてられて、かたくなだった旦那様のライセンが少しずつ砕けていく様もたーのしー!(≧▽≦)
表の主導権はもちろん彼女を「買い取った」ライセンにあるのですけれど、夫婦としての絆は五分五分……いや、アリシアに誘導されているかもかも?(笑)
冷たくて固い氷のようなライセンのココロ。
そりゃ春の日だまりのようなアリシアに会ってしまっては、あとは融けるだけってもんですわー。
あ、とろける、かもだ(笑)。
やーもー、夫婦モノの醍醐味ですよねー。
二人の立ち位置っちうか、相互依存の関係がどうあるのか、が。
信仰を礎にしてきた神の時代から、現実に生きる人間の時代へ移り変わる頃。
旧体制と新興勢力の衝突といった社会情勢を描くあたりも小野上センセの真面目さを窺えますし、没落貴族としてつつましやかな生活を送ってきたというアリシアの設定も最後にみごとに伏線として昇華させる構成力もなかなか……。
言い回しのリズムがわたしにはちょっと合わなかったですけれど敬遠するほどではないですし、それ以上に興味のほうが強かったですしー。
そもそもリズムについては慣れていくかもです。
ちょいと楽しみな作家さんです。
――ちうかですね。
ここまで見事なメガネッ娘は、とんと久しく目にしてなかったですよ!
イイッ! すごくイイッ!!(≧▽≦)
単に「飾りとして」身につけているのではなく、きちんと「メガネのある生活」を描いているんですよねー。
眠るときはメガネを外すとか、さー。
11ページのウェディングドレス姿なんてたまらんです。
これだけで半年分くらいのメガネ分は補給できたかも(笑)。
YEAH!(≧▽≦)
なんといいますか、わたしの好物がいろいろと詰まっている作品なんですねぇ(^_^;)。