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今日の読書 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き/鈴木宏昭

認知バイアスという言葉は現在かなり一般化されてきている感はありますが、バイアスとは偏りという事で偏見、先入観、思い込みというところで判断がおかしくなっている事として扱われています。

偏見や先入観というところから一般的には元々の判断基準であるとか、主観としての好き嫌いを善悪や正誤というものと混同してしまうような事として扱われる事もありますが、それだけではなく人間の脳というものは自分が思っているよりも情報処理能力に限界があるし、記憶力も限界があるし、言語化するにも限界があるし、その限界に無自覚だと自分が思っている以上に色々とおかしくなっているよという感じですかね。

元々行動経済学というものに興味を持って、関連する書籍をいくつか読んでいるときにこの認知バイアスという概念が大きく取り上げられていまして、認知バイアスがあるからこそ伝統的な経済学で想定する経済人という合理的な行動をする存在が現実世界とは乖離していて、経済学モデルと実体経済で大きくズレが生じてしまうよという話になっていたわけですが、本書はその認知バイアスというものについてだけについて脳の働きとう理系分野を軸とした解説本という事になっています。

認知バイアスというもの自体もまだまだ解明途中のものであるという感覚は読んでいて分かるわけですが、先に行動経済学というもので触れていたので理解はしやすいですし、逆にバイアスとは何か、何が理由で起こりえるのかというのについての専門性は下手に行動経済学という複合的なジャンルより分かりやすいですね。

認知バイアスというものがあるんだよという事を常に念頭に置いて、己は絶対に正しいみたいな態度で世の中にいない方が良いよって全人類に助言しておいた方が良いのではないかなとは思いますね。

第1章 注意と記憶のバイアス チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶
第2章 リスク認知に潜むバイアス 利用可能性ヒューリスティック
第3章 概念に潜むバイアス 代表性ヒューリスティック
第4章 思考に潜むバイアス 確証バイアス
第5章 自己決定というバイアス
第6章 言語がもたらすバイアス
第7章 創造(について)のバイアス
第8章 共同にかかわるバイアス
第9章 「認知バイアス」というバイアス

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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