「ノーバ」と言っても、最近お騒がせの外国語学校ではなく、また円盤生物でもありません(w ということで、今日の御題は『007/ダイヤモンドは永遠に』登場のムスタング・マッハ1です。 1971年のこの作品、一旦ボンド役を降りたショーン・コネリーの復帰作として話題を呼びました。
原作ではダイヤ密輸を目論むアメリカのギャングとの戦いを描くお話ですが、 舞台が久々のアメリカということで当初は『007/ゴールドフィンガー』の直接の続編として、 ゲルト・フレーベ扮するゴールドフィンガーの双子の弟を登場させようとしたらしいんですね。 でもやはり、前作の最後で愛妻を殺されたボンドがその復讐を果たさない訳はなく、 となるとブロフェルドとゴールドフィンガー弟というボス級の悪人が二人出てきて 話の焦点がボケるので、結局はブロフェルドがある目的でダイヤ密輸を企む話になりました。 ただ監督はガイ・ハミルトンで、全体のトーンは『ゴールドフィンガー』調のままなので、 あの大傑作『女王陛下の007』の続編としてはお気楽なお話になってますが、 上のポスターのようなゴージャスな雰囲気はタップリの娯楽編には仕上がっています。
このミニカーはコーギーの標準スケールの物で、公開当時に売られた初版です。 『女王陛下の007』ではジュニアサイズしか出さなかったコーギーだけに、 標準サイズへの復帰は有り難い限りですが、何のギミックもないただのマッハ1だし、 このミニカーの特徴でもある黒いボンネットと下部の白い塗り分けは実は、 劇中の色とは違ってたりするので、手放しでは喜べない品物です。 初版の仕様が劇中車とは違うことはけっこうコーギーにはあって、DB5、このマッハ1、 月面走行車、それからエスプリと、みんな再販で正しい色に塗られるようになりました。 細かいことを言わない大らかな時代だったせいもあるんでしょうが、 初版のミニカー的価値をとるか、再販の正確な仕様をとるか、このあたり難しい選択ですね(笑)。
上の正しいカラーに塗られた最近の商品も、左上に使われているコネリーの顔は 『ゴールドフィンガー』あたりの時代の写真なんで、厳密に言えばツメが甘いことになります。 『ダイヤモンド』の時の風貌は独特なんだから間違えないで欲しかった…_| ̄|○
話を「ウイノーバ」に戻しましょう(笑)。 この不思議な言葉は、この映画でのマッハ1の最大の見せ場である、 建物と建物の間の狭い路地をすり抜ける片輪走行の際にボンドが言うセリフです。
今回のボンドガール、ダイヤ密輸のベテランであるティファニーのマッハ1を乗り回して、 ラスベガス中をブイブイ言わせたボンドでしたが、土地勘の無いせいか、 とうとう上の写真のような袋小路に追い込まれてしまい、絶体絶命というその瞬間、 ボンドは「ウイノーバ」と一言、口にして、超絶スタント走行でその危機を脱するのです。 「ウイノーバ」とはたぶん“We know about”で、「大丈夫」とか「方法は解ってる」って意味ですね。 でも、このスタントのスゴイところは実はその片輪走行にあるんじゃなくて、 突入時と、脱出時で、地面に接しているタイヤが逆になってるところなんですね(笑)。
もちろん、これは撮影時のミスで、バックレてれば気づく人も少なかったことと思いますが、 撮影クルーはミスを認めたくなかったのか、途中でマッハ1の車内を写し、 その傾きが右から左へ移動するカットを挿入していますが、 あの狭い路地でそんなことができる訳ないので、却って傷口を広げてしまっています(爆笑)。
ショーン・コネリーは後に日本のコマーシャルで「ビーヨ、ビヨビヨ、ビヨグール」と 連呼して、「気が狂ったのか?」と思われたことがありましたが、 この「ウイノーバ」の時代からすでに、その萌芽は始まっていたのかもしれませんね(笑)。
では最後に、この名(迷?)シーンを初版のミニカーを使って再現してみましょう。 今回はサイズが大きくないのでそのままでけっこうですが、 「ウイノーバ」と言いながら御覧になると気分が出るかも知れません(爆笑)。
テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用
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