踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

今後の新型コロナウイルスワクチンの予定(2023年3月9日掲載、3月13日改訂)

2023å¹´03月09æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
◎ 65歳以上/基礎疾患あり
・5月8日から追加接種開始(標準的には6回目)
 …ワクチンは現行のオミクロン対応2価ワクチン[灰色・2価]
・5月〜12月の間に2回接種(7回目はおそらく9月から)
 …7回目の使用ワクチンは未定(新しいワクチンになる見込み)

◎ 12歳〜64歳
・現行のワクチン[灰色・2価]は5月7日で終了(当院では2月上旬に終了)
・9〜12月に追加接種(標準的には5回目)
 …使用ワクチンは未定(新しいワクチンになる見込み)
・以降、年1回の予定
・2024年3月までは無料、それ以降は自己負担が生じる可能性大(全年齢で)

◎ 5〜11歳[オレンジ色・2価]
・新たな追加接種(標準的には4回目/未了者は3回目)として、オミクロン対応2価ワクチン[オレンジ色・2価]が3月下旬より接種開始(2・3回目からの間隔は3か月)
・さらに、3か月後以降に追加接種(標準的には5回目)を受けることができます(当院での接種開始日は未定)(※)
・以降、年1回になる見込み(未定)
・初回接種を2回接種していない方は追加接種を受けることはできません
・初回接種(1・2回目)[従来株]は4月以降も継続されることになりましたが、当院では3月末で終了するので、初回接種はできなくなります

◎ 生後6か月〜4歳[小豆色](従来株)
・現行の初回3回接種(2回目3週後・3回目は2回目の8週後)が継続されます
・1回目の接種日は月1回になる予定です
・4回目の追加接種の情報が今後入ってくるはずですが、現時点では未定(※)

◎ これまで[小豆色][オレンジ色]で規定回数を接種した後に上の年代になった方は、それぞれ追加接種が可能になります
・4歳:[小豆色]3回 → 5歳:[オレンジ色・2価]追加 +3か月後以降に追加1回
・11歳:[オレンジ色]3回(または2回) → 12歳:[灰色・2価]追加1回
(ただし、5月8日以降に12歳になる方への追加接種の開始日は未定です)

※ 5〜11歳[オレンジ色・2価]は新たに接種が始まったばかりなので、秋に新しいタイプが使われる可能性は低く、同じ[オレンジ色・2価]が使われるものと予想されます
※ 生後6か月〜4歳[小豆色]の4回目(追加接種)は、おそらく5〜11歳[オレンジ色・2価]のmRNA量を少なくしたタイプが出てくると予想されますが、現時点では情報は入ってきていません

新型コロナワクチンの予約は終了しました(情報が届かなかったかかりつけの患者さんには対応します)

2021å¹´09月11æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
当院では7月より12-64歳の接種を実施し、八戸市における感染急増に対応するために、8月下旬より3度に渡って追加の接種枠を増設してきましたが、本日(9/10)で予約受付を終了いたしました。

新たに12歳になった子への接種は継続する予定です。

なお、かかりつけの患者さんで、市や学校からのミスリーディングな情報により当院での予約を取りそびれた方は、ご連絡いただければ対応いたします。

http://www.kuba.gr.jp/

くば小児科クリニック:新型コロナワクチン/小児の診察予約案内(2021.8.19版)

2021å¹´08月19æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
■ 八戸市・階上町の新型コロナワクチンの予約を希望される方へ(2021.8.19)

・12~64歳の予約を受け付けております。予約は「電子メール」のみで受け付けており、電話予約は受けておりません。(受診時の申込は可)
・予約の残枠が少なくなってきたため、当院に受診歴のある方とそのご家族に限定させていただきます
・子どもの家族、教師、保育士、スポーツや塾の指導者などが接種を済ませることにより、子どもの感染リスクを大幅に減らすことができます。子ども関連のクラスターが県内でも発生しており、早期の接種をお勧めします
・現在、1回目を1日12人に枠を増やしております。かかりつけの方は早めにお申し込みください。(8/19現在、9月中旬以降の予約となります。接種は10月末までの予定で、11月からインフルエンザ接種を開始します。コロナの3回目は未定です)
・八戸市・階上町以外に住民票がある場合は、帰省や里帰り中などの場合を除いて、原則として住民票のある市町村で接種してください

以下の項目をコピペして、選択肢のどちらかを削除してメールしてください ★
・氏名(カタカナで):
・性別:男性 女性
・生年月日(西暦): 年 月 日
・電話番号:
・メールアドレス(半角で):
・内科系の持病の有無:あり なし
 ・持病ありの場合、他院のかかりつけ医:あり なし
 ・かかりつけ医で個別接種を:実施している 実施していない
・ご本人の当院受診歴:あり なし
・ご家族の当院受診歴:あり なし
・アナフィラキシー(注射・薬・食物):あり なし

メールの宛先は:[email protected]
メールのタイトル:「コロナ登録+氏名(漢字)」

ご注意 ★
・ご家族で登録する場合は、1通のメールに、上記の項目を人数分ご記入ください
・この登録メールは、予約をお約束するものではありません。また日時の希望はお受けできません(確認の連絡時に調整は可能です)
・接種予定時刻は、予約確定時に個別にお知らせします
 ・月・火・木・金 → 午前:1回目 午後:2回目
 ・水・土 → 午前:2回目と1回目
 ・2回目は1回目の3週間後です
・メールでの返信は原則として行いません。予約確定のために、こちらからお電話する予定です。電話番号は、日中連絡が可能な番号をお書きください
・お送りいただいた情報は、医療の個人情報保護原則に従って管理し、他に流用することはありません
 ・送信時のセキュリティは一般の電子メールと同じレベルになります
・他院での個別接種や、集団接種、職域接種との二重予約はかたくお断りします

接種当日のお願い
・ご持参いただくもの:接種券・予診票などの書類一式、保険証、お薬手帳、母子手帳、当院の診察券
・服装:半袖Tシャツ
・可能な場合は、付き添いの方と一緒に来院するか、ご家族で接種するようにしてください
・当日朝、もし熱がなくても体調が良くない時には受診を見合わせ、必ず電話で連絡してください(0178-32-1198)
・喫煙者は、接種前12時間は禁煙して来院してください(タバコ臭がする方はお断りする場合があります)
・無断キャンセルは絶対になさらないで下さい
・接種後、特にリスクのない方は院内で15分待機し、リスクが多少ある方は車に移動してから30分まで待機していただき、症状がなければご帰宅いただきます

接種後によくみられる症状について
・接種のあと、1~2日目にかけて次のような症状がみられることがありますが、ウイルスに対する免疫をつけるために生ずる生理的な反応で、時間とともに軽快していきます
 ・接種した部位の痛み、発赤、腫れ
 ・頭痛、倦怠感、発熱など
・痛み止めの塗り薬や湿布、解熱鎮痛剤の飲み薬を使っても構いません

そのほかの情報は市町村のHPをご覧ください 八戸市 階上町

■ 小児科の診察を予約したい方へ(2021.5.24)
・従来の予約フォームは停止し、電子メールを利用することにします
・これまで通り電話予約は受け付けておりますが、ワクチン予約への対応のため、電話が繋がりにくくなる可能性があります。前回受診時に予約していただくか、当日朝までにメールで予約するようにしてください

以下の項目をコピペして、選択肢のどちらかを削除してメールしてください ★
・氏名:
・診察券番号:
・受診日:
・希望時刻:
・電話番号(当日連絡がつく番号):
・メールアドレス:
・兄弟姉妹の同時受診:あり なし
・メッセージ(あれば):

メールの宛先は:[email protected]
メールのタイトル:「小児科予約+氏名(漢字)」

■ 現在の感染予防対策と診療体制についてのお知らせ<別ウインドウで画像が開きます>(2021.5.13)
・完全予約制ですので予約していない方は院内に入れません
・そのほか、詳しくは上記の画像の案内をご覧ください

くば小児科クリニック 院長 久芳康朗
031-0823 青森県八戸市湊高台1-12-26
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197 E-mail [email protected]

新型コロナワクチン:中学生は推奨、高校生は強く推奨、大学生は学生生活を取り戻すために必要、小学生は初年度ゆっくり接種、幼児は判断保留

2021å¹´06月23æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
ファイザーの新型コロナワクチンが12歳以上で接種できるようになりましたが、八戸市では未だに12-15歳のみならず、16-64歳の接種券すら発送される気配がありません。
この後、順次接種が開始され、夏休みの期間に接種を加速させなければいけません。
おそらく半年以内には、12歳未満の接種も可能になるはずです。
小児のワクチン接種について、現段階での見解をお知らせしておきます。

1)最優先は、教師、保育士、両親など
 子どもの感染のほとんどは、家庭、教師・保育士、部活指導者など、大人からもたらされ、子ども同士の感染はあっても三次感染はまれです。これら周囲の大人が接種を済ませれば、子どものリスクは大幅に低減します。

2)学校での集団接種は不可
 この点については、学会や文科省の見解も出されていますが、小児科医のほとんどは元々そのように考えていたはず。私自身も、もしそのような事態になっても協力することはないと内部で表明していました。
 問題は、ワクチンそのものの副反応ではなく、過度の不安や恐怖から生ずる症状(血管迷走神経反射)が、友人や同級生の間で連鎖的に増幅され、報道されるような社会的問題になること。

3)各年代でのワクチン接種の必要性

・中学生「推奨」
 感染時のリスクは必ずしも高くはないが、部活、遠征、宿泊行事、受験などを考えれば、多くの生徒が接種を済ませておけばリスクは限りなく低くなる。1)の教師、両親、部活指導者が優先の原則の上で。

・高校生「強く推奨」
 原則は中学生と同じで、部活や対外的な活動が拡大し、ハイティーンになると感染リスクは若者と同等になるので、必要性はより高くなる。

・大学生「学生生活を取り戻すために必要」
 現在の日本の社会では、本来あるべき学生生活である対面授業、ゼミ、サークル活動、合宿、飲み会などを取り戻すためには、ワクチン接種が最も求められる世代と言える。

・小学生(12歳未満)「初年度のみ、ゆっくり接種」
 まだ適応拡大になっていないが、数カ月以内には始まる見込み。感染時のリスクは中学生よりも更に低く、親や教師が接種済みなら、優先順位はその後でも構わない。ただし、社会的な問題(いまの日本では、コロナ流行が収束してもすぐに「何も検査しなくてもいいただの風邪」に収まる可能性が低いこと)を考えると、初年度の2回接種は済ませておいた方が良い。大人で予想される追加接種については、たぶん必要ないと考える(今のところ確たる根拠はないが)。

・乳幼児(6M〜就学前)「判断保留」
 この年代については、これから出てくる海外治験の情報を待ちたいと思うが、個人的意見としては、この年代がワクチンではなく自然感染による免疫を獲得することにより、20年後に新型コロナが旧型コロナとなる第一世代になるべきではないかと考えている。現時点では、接種の必要性はどちらとも言えません。

4)小児・若年者で副反応は強く出るのか
(追記予定)現段階の情報では大人と同等

くば小児科クリニック:新型コロナワクチン/小児の診察予約案内(2021.6.10版)

2021å¹´06月11æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
■ 八戸市・階上町の新型コロナワクチンの予約を希望される方へ(2021.6.10)

65歳以上と12~64歳(7月上旬より接種開始の見込み)の接種希望者は、「電子メール」で登録を受け付けております。
電話による申し込みはお受けしておりません。
(受診時の申込は可)
接種券・予診票が送られていない方も、登録していただければ、接種可能となりしだい連絡いたします

以下の項目をコピペして、選択肢のどちらかを削除してメールしてください ★★★
・氏名(カタカナで):
・性別:男性 女性
・生年月日(西暦): 年 月 日
・電話番号:
・メールアドレス(半角で):
・内科系の持病の有無:あり なし
 ・持病ありの場合、他院のかかりつけ医:あり なし
 ・そのかかりつけ医で個別接種を:実施している 実施していない
・ご本人の当院受診歴:あり なし
・ご家族の当院受診歴:あり なし
・アナフィラキシー(注射・薬・食物):あり なし

メールの宛先は:[email protected]
メールのタイトル「コロナ登録+氏名(漢字)」

ご注意 ★
・ご家族で登録する場合は、1通のメールに、上記の項目を人数分ご記入ください
・この登録メールは、予約をお約束するものではありません。また日時の希望はお受けできません(確認の連絡時に調節は可能です)
・接種予定時刻は、
 ・1回目→月火水木金土:午前10時から(受付 9:45から)
 ・2回目→月火木金:午後2時から(受付 13:45から)、
      水土:午前10時から(受付 9:45から)
 ・2回目は1回目の3週間後です。1回目接種後に日時をお知らせします
・メールでの返信は原則として行いません。確認および予約確定のために、こちらからお電話する予定です。電話番号は、日中連絡が可能な番号をお書きください
・中高年の方の場合、内科系の持病がない方か、かかりつけ医がワクチン接種を実施していない方を中心に接種する予定ですが、その他の場合でも個別に相談させていただきます
・お送りいただいた情報は、医療の個人情報保護原則に従って管理し、他に流用することはありません
 ・なお、メール送信時のセキュリティは一般の電子メールと同じレベルになります
・他院での個別接種や、集団接種との二重予約はかたくお断りします

接種当日のお願い
・ご持参いただくもの:接種券・予診票などの書類一式、保険証、お薬手帳、母子手帳、当院の診察券
・服装:半袖Tシャツ
・可能な場合は、付き添いの方と一緒に来院するか、ご家族で接種するようにしてください
・当日朝、もし熱がなくても体調が良くない時には受診を見合わせ、必ず電話で連絡してください(0178-32-1198)
・無断キャンセルは貴重なワクチンの無駄になりますので絶対になさらないでください
・接種後、特にリスクのない方は院内で15分待機し、リスクが多少ある方は車に移動してから30分まで待機していただき、症状がなければご帰宅いただきます
・接種後によくみられる症状(副反応)について
・接種のあと、1~2日目にかけて次のような症状がみられることがありますが、体が免疫反応を起こしている過程で生ずるもので、ほとんどは時間とともに軽快します
 ・接種した部位の痛み、発赤、腫れ
 ・頭痛、倦怠感、発熱など
・痛み止めの塗り薬や解熱鎮痛剤の飲み薬を使っても構いません

そのほか、詳しい情報は市町村のHPをご覧ください
・八戸市:新型コロナワクチンの接種について
・階上町:新型コロナワクチンの接種について

■ 小児科の診察を予約したい方へ(2021.5.24)

従来の予約フォームはいったん停止し、当面、電子メールを利用することにします
これまで通り、電話予約は受け付けておりますが、新型コロナワクチンへの対応のため、時間帯によっては電話が繋がりにくくなる可能性があります。前回受診時に予約していただくか、当日朝までに電子メールで予約するようにしてください

以下の項目をコピペして、選択肢のどちらかを削除してメールしてください ★★
・氏名:
・診察券番号:
・受診日:
・希望時刻:
・電話番号(当日連絡がつく番号):
・メールアドレス:
・兄弟姉妹の同時受診:あり なし
・メッセージ(あれば):
・メールの宛先は:[email protected]
・メールのタイトル「小児科予約+氏名(漢字)」

■ 現在の感染予防対策と診療体制についてのお知らせ<別ウインドウで画像が開きます>(2021.5.13)
・完全予約制ですので予約していない方は院内に入れません
・そのほか、詳しくは上記の画像の案内をご覧ください

くば小児科クリニック 院長 久芳康朗
031-0823 青森県八戸市湊高台1-12-26 map
TEL 0178-32-1198 FAX 0178-32-1197 E-mail [email protected]

八戸市および医師会への要望「一般への接種券は一斉に発送して医療機関ごとに柔軟対応を/小児への拡大/モデルナの活用を」

2021å¹´06月03æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
八戸市では、一般向け接種券の発行についてなんら方針が示されておらず、現場では次の段階への対応ができない状況になっています。以下の本文にも書いたように、障がい者・施設職員、看護学生、保育士、教師、消防士などへの接種も急がなくてはいけません。要望メールの全文を掲載しますが、どうなるかわかりません。関係の方や市民の声も上げていただければ幸いです。

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先週以来、田村厚労相や加藤長官の発言・指示が矢継ぎ早に出され、八戸市・階上町でも接種券発送の準備が進んでいるはずだと思います。

医師会および市保健所にお願いしたいことはタイトルの通りで、

1)年齢ごとに段階的に発送するなどということはせず、12歳以上(16歳以上)の全年齢に一斉に発送していただきたい(政府の指示通り6月中旬までに)
2)集団接種を除けば、予約開始日を決めることなく、医療機関の態勢に応じて個別に対応するようにする
3)モデルナのワクチンを可能な限り確保し、その分浮いたファイザーのワクチンを全年齢に広く活用する

田村厚労相が語った64歳以下ワクチン接種の全貌
基礎疾患ある人もない人も「分けずに」柔軟に
2021/05/31
https://toyokeizai.net/articles/-/431567
64歳以下の接種券発送は6月中旬 厚労省が自治体に求める
2021年5月25日
https://www.fnn.jp/articles/-/187453

おそらく、多くの方も似たような認識だろうと想像しますので、説明は省きます。
当院では、6月末には供給が接種スピードを上回る見込みであることに加えて、集団接種も開始され、8月以降も多数の予約を抱えている先生方がいることなどを考慮して、6月末までで高齢者の予約を終了させていただきました。
7月からは、高齢者の倍くらいの規模である一般成人や大学生・中高生への接種が始まるはずと見越してのことです。(その次には、小学生への拡大も待っているはず)

次の段階では、年齢(60-64歳)や基礎疾患の有無などといった「輪切り方式」で個々の医療機関が予約を受けるのは実質的に不可能です。
(集団接種はある程度段階的に受けていかないと難しいかとは思いますが)

また、若年者であっても、発達・知的障がい者および家族・施設職員、看護学生、保育士、教師、消防士・救命救急士など、本来であれば優先順位の高い人たちへの接種も積極的にすすめるべきと考えます。

中高生への接種が開始され、さらに小学生への接種拡大となれば、成人は内科医、小児は小児科医というように役割り分担していかないと不可能ですが、子どものかかりつけ医で親が一緒に接種したり、親が内科で接種するときに子どもも一緒に接種するというような状況は当然あり得ると思います。

これまで個別接種を実施していなかった小児科でも、小児や若年者に限れば実施する医療機関が増えてくるはずだと思います。

年齢ごとに接種時期を分けるというのは非現実的なので、各医療機関の特性と受け入れ可能な状況により、個々に判断して、様々なかたちが並行しながら進めていくのが最も効率的だと考えます。
また、その場合の予約の時期や方法なども、各医療機関の裁量に委ねていただきたい。(当院では電話予約は原則として受けないことにしました)

また、専門家会議の意見の中にあったようですが、中高生(さらには小学生)の接種の際には、学校での集団接種はすべきではないと考えます。おそらく多くの先生も賛同していただけるはずだと思います。もし実施した場合でも、協力はできかねます。

秋のインフルエンザ接種も考慮に入れないといけません。
現状では、来シーズンも大きな流行にはならない可能性がありますが、やはり接種は進めるべきと思います。その際に、新型コロナとの同時接種が手段となるとは思いますが、煩雑になるので、できればその前にある程度進めておきたい。。

行政側としては、供給が許す限り、接種可能な医療機関に対して、高齢者などと並行して一般への接種を進められるようにしていただきたい。そのためには、年齢ごとに発送することはせずに、準備ができ次第、12歳以上の全年齢に発送していただきたいと要望します。

モデルナのワクチンについても、供給量にもよりますが、集団接種に用いるなどして、これまでファイザーで開始した医療機関にはファイザーのみで最後まで供給していただくことが混乱を防ぐ意味では必要かと思います。

(なお、将来的に拡大される可能性のある乳幼児への接種については、個人的には疑問もあり、考えあぐねています。まだそこまで議論する段階には至っていませんが)

早急にご検討くださいますよう、お願い申し上げます。

(追記)
誤解を与えたかもしれないので説明します。当院では、高齢者ワクチン予約を一旦打ち切りましたが、7月1日からの接種に向けて、6月15日頃から、高齢者を含めた全年齢で再開する予定です(一般への接種券発送状況により判断)。現在は、集団接種で予約してもらった方が早く接種できる可能性が高いと説明してお断りしていますが、64歳以下への接種方針が市から表明され次第、希望の方はお受けする方針です。

「陽性率と検査数の傾向を見る」それだけで感染再拡大とピーク超えは簡単にわかる

2020å¹´08月22æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
判断する材料が少なかった3月以来、一番重視してきたのはこの2つの数字で、現在の判断もこれだけで大体わかります。

<東京の陽性率と検査人数>

4/11 31.1% 323.4人(7日間平均)
5/7 4.3% 390.1人(実数1131人)
5/22 0.8% 974.9人


8/6 7.1% 4735.7人
8/19 5.4% 4040.0人

①5月の連休明けから月末にかけて、検査件数が急増した後にゆるやかに減少し、陽性率は激減した。
②5月末から8月上旬まで、検査数も陽性率も増加し続けた。
③8/6をピークに陽性率は減少に転じ、検査数も再び緩やかに減少傾向に入った。

「①流行収束→②再拡大→③ピーク超え」と簡単に見て取れます。(無論、今後の傾向を予測することまでは出来ませんが)

②の段階で、6月頃に何度かFBに警鐘を鳴らしましたが、都知事は「検査数を増やしているから」という非論理的な言い訳をし続けて、全国への感染拡大(拡散)に繋がったわけです。

昨日(8/20)の日本感染症学会における、分科会の尾身会長による「全国的にはだいたいピークに達したというのが私たちの読みだ」という発言に噛み付いている人達が、やはりいるようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200820/k10012576501000.html

本日の分科会の記者会見でも、何度も同じような質問が。。(記者の理解力が不足しているのでは? 尾身先生も押谷先生も辛抱強く繰り返し同じことを説明しているけど、途中で見るのをやめました)

一群の人達の中には、尾身先生や押谷先生のことを「戦犯」などと名指しで非難する輩がいるようですが、まず、どのような立場からの発言であれ、そのような用語を用いる人達は信ずるに値しないし、歴史的にも評価の対象外となるでしょう。

その上で、私たち医療関係者の間での評価は全く逆であり、両先生への信頼は新型コロナ流行前と変わらず、何ら揺らいでいません。
それが現実です。
おそらく感染症学会でも、より本質的な議論がなされたものと考えます。(詳細は承知していませんが)


新型コロナ:東京は8/5、全国では8/9がピーク(政府の無策に関わらず)。施設クラスター、重症、死亡例の減少はまだまだその先

2020å¹´08月17æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
以下は、公表されているデータをグラフ化(6枚)して読み解いただけで、評価の不確かな「定数」など、特殊な操作は何もしていません。また、今後の推移について明確に予測するものではありません。(ただし、もしこれらの「傾向」では説明できないデータが出て来たとしたら、それにはそれ相応の原因があるはずだと思います。)

また、極端な楽観論「緊急事態宣言・自粛は必要なかった(吉村知事)」や、極端な悲観論「来月(=8月)には目も当てられなくなる、1億総検査が必要(児玉参考人)」などの非現実的な議論には一切関わりなく、今後も関わるつもりはありません。

「東京都 5日連続で200人超(NHK)」「終息する気配を見せないコロナ禍(週刊東洋経済)」などと報じられていますが、



東京では8/6以来、「前週同曜日比」でマイナス基調が続いており、唯一プラスだった8/9の1週間後である8/16もマイナスになったことで、7日間前週比マイナスが続いています。



この「前週との増減値」をグラフ化すると、「その7日間平均」がマイナスになるのは8/10からとなります。
増加数のピークは7/31の+203人で、その7日間平均のピークは8/5の88.1人でした。(それ以前に、7/15をピークにして7/30の7日平均4.0日まで減少して来た経緯がありました。)



新規感染者数の実数でのピークは8/1の472人と考えられますが、この値や日付は参考程度としておきます。
7日間平均でのピークは8/5の346.3人だったと読み取れます。



片対数グラフの緑の点線は、8/11頃に千人に達する、「目も当てられなくなる」指数関数的増加曲線(片対数グラフでは直線)ですが、1億総検査教信者の「自称専門家」の方々は、予想は外れて減少に転じたけど、1億総検査は必要と主張し続けるのでしょうか。



全国のデータ(8/16付はNHK速報値)でも、実数のピークは8/7の1595人、7日平均のピークは8/9の1372.0人と読み取れます。
8/16には7日平均で1040.7人まで減少してきています。



同様に、7日前からの増減値と、その7日間平均をグラフ化すると、増加数のピークは東京と同じ7/31の+808人、7日間平均は8/2の503.7人がピークで、8/8から増減数の実数がマイナスとなり、8/11には7日間平均もマイナスとなっています。

以上をまとめると、それぞれのピークは、
東京
 実数 8/1 7日平均 8/5
 増加 7/31 7日平均 8/5
全国
 実数 8/7 7日平均 8/9
 増加 7/31 7日平均 8/2
7日前からの増減値の7日間平均がマイナスになったのは、
 東京 8/10
 全国 8/11
ちなみに、東洋経済オンラインの速報値で、基本再生産数が1を切ったのも、
 東京 8/10
 全国 8/11
であり、一致しています。

新型コロナ:東京:「増加速度の鈍化」はほぼ間違いない。「ピークかピーク超え」はまだ判断しきれない

2020å¹´07月25æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
いま観察しているのは、自然流行(無策放置=集団免疫戦略への説明なき方針転換)において、どのような要素がピーク超えに関わってくるのか、あるいは「恐怖論者」の言うように「恐怖の結末」が待っているのか。。

判断できない不確定要素が二つあります。
一つは東京都の検査対象者のポリシー(どこまで拡大しているのか)がはっきりと公表されていないこと。
もう一つは、国や都の無策に関わらず良識派・多数派の都民がどのように行動変容(いわゆる自粛)をきたしたのか、その影響が数字に表れてくるのかどうか、という点です。

検査数拡大状況と陽性率の推移については、別に述べたいと思いますが。。

先週末にFBで「今週で鈍化(はっきりしなかった)、次週でピークかピーク超え」と希望的観測も加えて書きました。


曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

新型コロナ「経済と感染制御」ドイツは実効再生産数(Rt)=0.75を目指し、東京は数値目標を撤廃して感染拡大を放置した

2020å¹´07月16æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
It is no use crying over spilt milk 覆水盆に返らず
高校に入ったときに最初に習った英語の格言の一つですが、もしかしたら本当の最初は Cool as a Cucumber だったか。。
いま思うと、どちらも単に英語を教えるだけでなく、何か心の片隅に残って、活かされていくことを期待していたのかもしれない。。(キュウリを食べると思い出します)

6月末にNHKで放映された2本の特集番組で、いずれもドイツの経済学者と感染症学者の共同研究が紹介されていました。
BS1スペシャル「新型コロナウイルス 世界は科学で闘った」2020年6月29日放送
NHKスペシャル「新型コロナウイルス 危機は繰り返されるのか」2020年7月2日放送


GDPの損失は、Rt=0.1(厳しいロックダウン)でもRt=1.0(感染持続)でもなく、Rt=0.75のときに最も少なく抑えられる。
これは、研究で用いられたシミュレーションを詳しく知らなくても、直感的に大体そのくらいだろうと予想できる結果です。

ところが、経済学者は、

「経済にとっては、再開が早いほど良いと考えていたので、Rtを1以上にして経済を回すべきだと考えていました」とおっしゃっている。
日本だけでなく、ドイツでも経済学者というものは、感染が再度拡大しながら経済再開を急ぐべきと考えていたことに、驚くというか呆れますが。。


感染症学者「感染制御と経済活動のどちらかだけを優先する必要はなく」

Rt=1(あるいはそれ以上)では、

経済学者「結果的に経済への打撃はさらに大きくなるのです」
という当然の結論に辿り着いています。
(ただし、実際にはドイツでもRt>1となって苦戦しているようですが)

「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではなく、感染制御と経済活動は両立し得る。ただし、それはRt=0.75(感染は制御して緩やかな減少傾向にあること)が条件となります。

一方で、東京都では5月末から一貫して感染拡大が続いていたのに、東京アラートの50人を越えた途端に、自ら制定したルールそのものを変更して、目標数値を撤廃してしまいました。
試合の途中で負けそうになったからルールを変更するなどという、小さな子でもわかる愚策をとったわけであり、この過程には専門家も関与していたので、厳しく検証されるべきでしょう。

「news23」小川彩佳キャスター、東京都が新たな指標で数値目標撤廃に「ますます罹患するにしても、経済的損失も、自己責任に…」7/1(水) 7:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d79fdb2a3088a35d6813ebcce5ecb40f5db51e3

なお、実効再生産数(Rt)の速報値は、東洋経済ONLINEの「新型コロナウイルス国内感染の状況」に掲載されています。7/14現在、全国で1.42、東京で1.41ですが、7/15、7/16の新規陽性者数により、更に上昇しているはずです。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

一方、小池都知事は「夜の街、若者、軽症」を繰り返し強調し続けましたが、別の番組で専門家は、

「東京なんですけど、夜の街に目がくらんでしまっていますが」


「実は夜の街から市中へのスピルオーバー(漏れ出すこと)を心配してた」
と懸念しています。
(この spill over で冒頭の格言を思い出したわけです)

これも当然のことで、専門家でなくても、多くの医療関係者は懸念を共有していました。
そして、それが今起きている「中高年」「一般の職場・学校」「地方都市」への拡散であり、この段階まで来ると抑え込みは不可能だと考えられます。
昨日(7/15)になって「感染拡大警報」などとパフォーマンスしてみても、遅すぎます。
It' Too Late
https://denihilo.com/carole-king/its-too-late


「新型コロナウイルスに世界は科学で戦った ドイツが見出した最適バランス、日本が選ぶべき指標は?」
「活用には、政策決定者のリテラシーが大切」
「世界は科学で戦った」の最後に、政策決定者のリテラシーが大切と強調されましたが、まさにそれが現実となっているのです。
すでに流行状況の把握が難しくなっています。
自衛しかありません。

6/19の移動全解除から2週後である7/3に124人、2日連続100人突破という時点で、都民の良識的多数派が再び行動自粛に戻り、自然にピークアウトしてくれることを期待したいのですが、すでに5月末から8週目に入っており、明日からの2日のデータで明暗は分かれると考えています。

なお、今後の流行状況については、「都内の最新感染動向」の中でPCR検査数と陽性率を見ていくことが一番の指標になります。また、再増加が明らかになっている入院患者数だけでなく、重症者数も底を打って反転傾向にあり、注意が必要です。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

東京は指数関数的増加へ、7日平均55.1人。「検査数増加・重症者減少だから安心」説の問題を検証する

2020å¹´07月01æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
東京は本日(6/30)の54人<前日比マイナス4人ではなく、前週同曜日比+23人>により、7日平均では6/22の31.6人から55.1人まで8日間で23.5人増加しています。
昨日掲載した2つのグラフに本日(6/30)のデータを入れて再掲してみます。

対数グラフ②

緑の点線(5/23-6/20)よりも保守的な水色の点線(5/23-6/25)に沿って直線的(=指数関数的)に増加しているように見えます。

線形グラフ①

緑の点線(5/23-6/20)から、この5日で上方に解離しつつあるように見えます。
今週の後半でこの傾向がどちらに傾くのか、決まってくるはずだと思います。

地方の迷惑<子どもたちの無意味な難行苦行や、各種スポーツ大会などの中止>を考えれば、頭打ちになって悪い予想が外れてくれることを願いたいのですが、今のところ良い材料はありません。
(本旨と外れますが細胞性免疫に関する重要なニュースがあり注目していますが)

本来は東京の人がきちんと検証していただけたらと思うのですが、「検査を拡大していて軽症・無症状者をピックアップしているだけで、重症者は減っているので何も問題ない」という説がはびこっているようです。

上記のグラフだけでもそれは否定できるのですが、東京都発表のデータで検証してみます。

検査実施件数


たぶん、私の目が悪いせいだと思いますが、5月上旬以降、飛躍的に検査件数が増加しているようには見受けられません。5月下旬に減少して再び増加しているのは、感染者数の増加に応じて検査件数が増えていることの反映だと考えられます。

PCR陽性率


ここでの陽性率は累積ではなく毎日毎日の値ですから(これも7日平均だったはず)、3%という値がどれほど異常か東京の人は認識しないといけません。5月下旬には、やっと1%を切るまで減少したのですが、このグラフをみてその差は感じられないかもしれません。
一番の問題は、検査数を増やしているから陽性者が増えているだけだというのなら、陽性率は不変か低下しているはずですが、きちんと上昇していることです。

重症者数


この指標だけが今のところ良い指標と言えるでしょう。新たな感染者の多くが若者で無症状や軽症者なら、今後も入院患者や重症者は増えないかもしれない。

ただし、それは希望的観測です。水面下での母集団が規制のないままに増えれば、再び制御不能な形で入院患者や重症者が増加してくることがないのかどうか、懸念されます。

入院患者数


このグラフではほとんどわかりませんが、6月下旬に増加傾向に転じたように見受けられます。毎日50人超の状況が続けば、

流行のレベル(試案)


(以下、作業中)

東京の百人復帰は7月上旬〜中旬か。地方は東京流入者対策を再強化へ。3月連休の緩み説は根拠なし。

2020å¹´06月30æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
東京の増加傾向について、質の問題の議論は後で触れることにして、とりあえず数だけを論じてみます。
その前に、現在の日本の状況は、東京では実質的な集団免疫作戦(公式には否定しているが)、地方では水際作戦・封じ込め政策という矛盾する2つの政策が説明されないまま推し進められているという点を指摘しておく。

先週の段階で、5/23の底から6/20まで増加が4週間続き、日〜火で鈍化傾向が見えたので、ピークを超えつつあるとFacebookに書きましたが、あっさり覆されてしまいました。

本日(6/29)の感染者は58人、昨日(6/28)は60人ですが、これを前日比マイナス2人と読むのではなく、前週の同曜日と比べて昨日は+26人、本日は+29人という連日大幅増の状況にあり、どこでピークを越すのか見通せなくなってきました。


グラフ①は縦軸が線形表示(等間隔)で、メディアに出てくるものと同じですが、緑の点線の補助線についてはこの後に説明します。


グラフ②は縦軸を対数表示にした片対数グラフですが、かなり印象が違ってくるのではないかと思います。

ここで、緑の補助線を、どちらのグラフでも、増加局面に入る3/13〜3/20の1週間と、再増加の底の5/23〜6/20の4週間に合わせて引いてみました。

線形グラフ①だけをみると、3/13〜3/20の期間に、7日平均で2.7から7.4に増加しただけで、緑の補助線が示す通り、その後の指数関数的な増加を予測することは困難でした。

ところが、片対数グラフ②では、3/13〜3/20を結んだ緑の補助線は、4/11の7日平均149.9まで若干の上下はあれ、ほぼこの線に沿って推移していたことがわかります。

一方、問題の現在の局面では、線形グラフ①では5/23〜6/20の緑の線から上に逸れつつあるように見えるのに対し、片対数グラフ②では緑の線よりも低めに見積もった水色(5/23〜6/25)の点線に沿って増えつつあるように思われます。

片対数グラフ②で、百人に達するのは、7/5前後(緑=都知事選投票日前)から7/12前後(水色=都知事選投票日後)と予測できます。
無論、地方の立場からすると、東京の今の状況は心底迷惑でしかなく、予想が外れて頭打ち・減少に転じてくれることを願ってはいますが。。

なお、3月下旬の3連休の緩みが、4月1週目までの大爆発を引き起こしたという説があり、専門家会議の提言にも記載されていますが、グラフ②をみれば分かる通り、その連休と関わりなく一貫して増えており、根拠を見出すことができません。

いずれにせよ、現況では、東京からのビジネス客、帰省者、観光客などを「Go To キャンペーン」などで積極的に迎えるような状況とは遠く離れつつあるということです。東京目線での「経済再生との両立」は、「東京排除」という結論にしか結びつかないのです。(これは個人的な、あるいは医学的な見解ではなく、現在の社会状況を考慮したら辿り着く、当たり前の結論です。)

<前述の質の問題と、地方での受け止め方については、次に分けて書きたいと思います。グラフを6/30現在のものに入れ替えました。>

1週間早すぎた緊急事態宣言解除…火種はさっそく北九州市に飛び火

2020å¹´05月27æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
東京では緊急事態宣言が1週間遅れたために医療崩壊寸前の危機に陥ったのに加えて、あと1週間待てば第一段階としての「収束宣言」を出せる(グラフ*の曲線が地べたまで到達する)ところまで来たのに、わざわざ火種を残したまま首相の独断で収束を宣言してしまいました。
(諮問会議には慎重意見もあったようですが、結論はあらかじめ決まっていた模様)


*【都道府県別】新型コロナウイルス感染者数のトラジェクトリー解析
札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_trajectory.html

いま、日本中で残りは東京23区と札幌だけなのですから、東京と北海道では宣言を継続しながら、知事の裁量で他の市町村は実質的に解除していけば良いだけの話で、最初から各都道府県の知事は自らの裁量で地域にあった柔軟な運用をすることがなかった。
(広い北海道の各地や、東京でも小笠原や奥多摩と都心を同じ規則で運用するなど最初からナンセンス)



この表は5/15に集計してFacebookに掲載したものの続きで、各国の「100万人あたりの累積死者数」の10日間の増加率を、日本人の人口に合わせて理解しやすいように「1億人あたり」に換算したものです。
代表的な国を選んだもので、全ての国の順位ではありません。(この順番は5/15時点での累積死者数)
緑が5/5-5/15、水色が5/15-5/25の10日間の平均です。

上位の欧米各国は、死者数の増加率が減速してはいるものの、1億人換算ではまだまだ想像もつかないほど多い。急増しているブラジルの問題が報道されていますが、英国やスウェーデンはそれよりまだ多い。
(どうしてみんな平気なんだろう)

問題はそこではなく、日本の死者数の増加率。
やっと「10人」を切ってきましたが、3月中旬までは1日2〜3人(実数)だったことを考えると、まだ多い。
韓国、オーストラリアに近い「2人」程度まで、あと半月以上はかかりそうです。

何が言いたいかというと、毎日相当数の死者が出ているということは、それに相応する多数の重症患者が医療機関で治療中だということを意味します。

人工呼吸器装着患者数なども出されるようになってきましたが、死者数の減少が毎日の指標となり、かつ、最終目標であったはずです。
緊急事態宣言の解除には、死者数の減少が必要不可欠であり、まだ早すぎた。

これまで書いたことをまとめると、
・新規患者数:全国で20人、東京で4人以下
・死者数:全国で2〜3人以下
が目標であり、前者はあと1週間程度、後者はまだ半月以上はかかりそうです。

(これもFacebook上に、目標として①全国100人、東京20人、②全国50人、東京10人、③全国20人、東京4人の3段階を挙げてきましたが、まだ②から③へ向かいつつある途中だったのです。)

この早すぎた1週間の火種がそのまま消えていってくれれば良いのですが、わざわざ禍根を残したと言えるでしょう。

早速、北九州市で感染源不明の感染者が連日発生していて、第二波の始まりが懸念されています。

新型コロナ感染続く北九州市 小倉城が再度休館へ
2020年5月27日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200527/k10012446831000.html
「26日まで4日連続で新型コロナウイルスに感染している人が確認され、合わせて14人にのぼっていますが、このうち13人の感染経路がわかっていません。」

また、東京都も24日以降、14人、8人、10人となり、前週の同曜日比で+9人、-2人、+5人と足踏みまたは反発の予兆がみられています。

「知事の失政」に戻ると、青森県の三村知事も同じで、昨日、八戸市の新八温泉、青森市の青森国際ホテルの破綻が伝えられましたが、青森県内では自粛や施設の休業要請などは必要のない、有害無益の政策でした。

4月上旬の時点で県内には市中感染はなく、持ち込み例も十和田の施設・院内感染を除けば封じ込めに成功しており、緊急事態宣言を受けて必要だったのは首都圏との往来をできるだけ絶つことの一点だけで、県民に対しては、県内における経済・社会活動を段階的に解除していく時期にありました。
この政権とこの県政下で、無論、そのような柔軟な運用を望むこと自体が間違いであることも承知の上なのですが。。

新型コロナ:リスク評価とかけ離れた各地の対策と一般の認識…現在の八戸(1千万分の1)は4月の東京(千分の1)の1万分の1

2020å¹´05月26æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
感染症の流行レベル(リスク)とその対策というのは、今回の感染者数の推移でわかる通り、指数関数的に上下します。その感覚というのが、政府やメディアだけでなく(というか、政府やメディアのせいで)、一般の方には全く伝わっていないということを痛感しています。

誰もこういった議論をしてくれないので、わかりやすいように次の5段階で考えてみました。

◆ リスクのレベル(試案)
レベル5:千分の1(10*-3) 0.1%
レベル4:1万分の1(10*-4) 0.01%
レベル3:10万分の1(10*-5) 0.001%
レベル2:100万分の1(10*-6) 0.0001%
レベル1:1000万分の1(10*-7) 0.00001%

3月末の東京はレベル5で、現在の東京はレベル3を切ってレベル2に届くかどうか。
八戸は3月末でもレベル2で、現在は東北・新潟の7県だけでなく全国のほとんどの地域でレベル1に相当すると考えます。
(上記のレベル区分や評価は仮説であり、定量的な裏付けまではありませんが、大きくは外れていないはずです。1年後に思い出したら再評価してみます。)

3月末の東京では一時に1万人くらい無症候者も含めた感染者がいたと考えてもおかしくない。
1万/1千万=千分の1なのでレベル5。

現在はおそらく2桁以上は下がって百人〜数十人程度になっているとすると、レベル3からレベル2に向かうところと推測します。

八戸では一貫して市中感染は発生しなかったけれど、3月末には東京からの移入例がいる可能性があったので、レベル2からレベル3に上がらないか注意深くみてきましたが、無事封じ込めに成功して、4月上旬から青森県内では新規感染者ゼロ(十和田の院内感染・家族感染を除く)が続いているので、現在はレベル1に相当するのではないかと考えます。

レベル1の「0.00001%(1千万分の1)のリスク」と言われても、私も含めて普通の人はどれくらい小さいか頭の中で測れないので、考えに入れないと思います。

例えば、予防接種後の重大な副反応として想定するのはレベル2の百万分の1より小さいことが一つの基準になります(これより高いリスクのワクチン=年間百万人生まれる赤ちゃんの1人以上=は許容されないということです)。このくらいの数字になると、たまたま接種後の時期に重なって乳幼児突然死症候群(SIDS)などで亡くなる赤ちゃん(年間百例前後)がいても不思議ではないので、そういったケースも紛れ込み事故として救済制度の対象になります。それを含めたのが、予防接種の副反応の重大事例の数字なのです。

交通事故死はかつて年間1万人発生していたので、1万分の1でレベル4に相当します。
なので、当然対策が必要となり、自動車の改良、交通ルールの徹底や厳罰化、道路・交差点の改良などにより桁が一つ下がってきましたが、まだ年間千人(レベル3)までには達していません。

ただし、運転者、歩行者、自転車などがリスクを意識して行動すること(行動変容)により、リスクのレベルは二桁くらい下げることができます。

ここに書いた新型コロナにおける数字は、そのリスク(確率)で感染者に接触するという意味で、同じように三密回避などの「行動変容」によって感染する可能性は相当に低くすることができます。

更に、もし感染したとしても、伝えられている死亡率(致死率)4%は診断がついた有症状者や接触者を分母とする数字ですから、無症候者を含む実質的な死亡率は0.1%(千分の1)のレベルになるはずです。(当初の予想の範囲内)

上記の1千万分の1に、更に千分の1を掛けると、もう数字上の遊びでしかなくなる。(100億分の1?)

更に更に、この4%という致死率は、0歳から80歳以上まで含めて平均化した数字で、20歳未満の死亡は日本ではゼロです。

では、八戸の子どものリスクは?
もう考えるのがアホらしくなってきたでしょう。

(追記)もし八戸のリスクレベルが上がってくる気配があれば、いち早くアラートを出すアンテナは張っています。

新型コロナ:十和田中央病院、陽性3名(合計4名)、陰性58名:東北新潟7県346名死亡ゼロ

2020å¹´05月01æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
①家族を含めた接触者で感染が広がっていない
②感染者は看護師4名に限られた
③元の入院患者は重症化していない高齢者が主
④青森県内では26名中死者も重症者もゼロ
⑤東北6県+新潟の346名の中でも死者ゼロ

検査人数が混乱しましたが、最初の看護師の接触者(夫を含む)と陽性となった3名の家族を含めて、合計61名にPCR検査をして、3名陽性(合計4名)、残りの58名は陰性ということで、とりあえずここで一段落。

現在、県内の陽性者26名のうち15名が退院して、11名が入院中。入院者の詳細は公表されていませんが、新たな看護師4名と、十和田の施設の入居者6名職員3名(合計9名)のうちの7名だろうと推察されます。

ポイントは、クラスター研究班の見解と同じく、この4名は家族にも感染させていないことと、感染者4名いずれもが患者に直接看護している看護師に限られたこと。

これまで、高齢者ほどウイルス排出が多いという報告が出てきており、介護を要する高齢者は、重症化していなくても看護スタッフへの感染リスクが高い。

介護を要する高齢軽症者を中核病院の感染症病棟に長期間入院させておくことそのものについて、議論が必要かと思われます。

また、全国で院内感染は多発しているが、医療スタッフが重症化したり死亡したりするケースはまだ報告されていません。今回の4名もおそらく大丈夫だと思われます。早期の回復を願います。

PCR陽性率をずっとチェックしてきたが、今回の62名を加えても、3.9%のままで上昇しなかった。十和田の施設・院内感染を除けば、依然として青森県では市中感染は起きていないものと推測される。
(GW中の帰省者などに注意が必要だが)


また、県内26名だけでなく、東北6県+新潟の7県346名で死者ゼロが続いている(4/30現在)。これは偶然や幸運だけなのか、医療機能に余力が残っているからなのか、要因はわからない。


他地域の致死率は、北海道 3.78%、埼玉 4.01%、東京 2.89%、全国 3.16%であり、もし7県で1名発生しても0.29%なので、これだけ明らかな致死率の地域差は問題の一つとして考えた方が良いのかもしれない。
(ウイルスの型の違いなども考慮)