踊る小児科医のblog

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新型コロナ:東京:「増加速度の鈍化」はほぼ間違いない。「ピークかピーク超え」はまだ判断しきれない 

2020å¹´07月26æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
いま観察しているのは、自然流行(無策放置=集団免疫戦略への説明なき方針転換)において、どのような要素がピーク超えに関わってくるのか、あるいは「恐怖論者」の言うように「恐怖の結末」が待っているのか。。

判断できない不確定要素が二つあります。
一つは東京都の検査対象者のポリシー(どこまで拡大しているのか)がはっきりと公表されていないこと。
もう一つは、国や都の無策に関わらず良識派・多数派の都民がどのように行動変容(いわゆる自粛)をきたしたのか、その影響が数字に表れてくるのかどうか、という点です。

検査数拡大状況と陽性率の推移については、別に述べたいと思いますが。。

先週末にFBで「今週で鈍化(はっきりしなかった)、次週でピークかピーク超え」と希望的観測も加えて書きました。


曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

インフルエンザ検査「陰性」なのに「インフルエンザの可能性が高い」と説明されたが?【その理由】

2016å¹´01月30æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 インフルエンザの検査が「陰性」でも、インフルエンザを否定することはできません。(毎年同じことを書いてますが)
 同じ「陰性」という結果であっても、流行時(有病率が高い時)にはインフルエンザである可能性が高く、非流行時(有病率が低い時)にはその可能性は低くなります。
 極端な話、有病率100%なら何人陰性でも全員がインフルエンザであり(陰性的中率0%)、有病率0%の時には陰性なら全員インフルエンザではない(陰性的中率100%)、というのは数式やグラフを使わなくても直感的にご理解いただけるかと思います。
 現実には、受診した患者さんの有病率があらかじめわかっているわけではないので、流行状況を観察しながら患者さんへの説明を変えています。
 これが、同じ検査結果でも、流行時には「インフルエンザの可能性が高い」、非流行時には「可能性は低い」と、全く逆の説明になる理由です。
 実を言うと、患者さんよりも問題なのは、この「陰性的中率は有病率が高くなると低下する」ということを知らない医師がかなりいる(らしい)ことです。(知っていて「インフルエンザではない」と説明をしているのかもしれませんが、もしそうだとしたらそっちの方が大きな問題と言えます)
 こういう理屈を知らない一般の方に、検査陽性だから病気、陰性だから違う、という白黒はっきりした説明をするのは、一見するとわかりやすくて良いお医者さんのように思えるかもしれませんが、真実とは相当かけ離れた「簡略化医療」だということをご理解ください。

鳥インフルエンザA/H7N9 リンク集

2013å¹´04月15æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
パンデミックアラート http://pandemicinfores.com/
徒然日記 http://pandemicinfores.com/diary.html
同 4月-2 http://pandemicinfores.com/diarytimeline/4-2.html
H7N9鳥インフルエンザ経過と問題点のまとめ
http://pandemicinfores.com/H7N9summary.html

国立感染症研究所 インフルエンザA(H7N9)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9.html
インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染に対するWHOのリスク評価 2013 年4月13日仮訳
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3439-riskassessment-h7n9.html
WHO:中国における人での鳥のインフルエンザウイルスA(H7N9)感染症に関するQ&A 2013年4月5日更新
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3394-h7n9-qa.html

中国で発生しているインフルエンザA(H7N9)について 厚生労働省検疫所 FORTH
http://www.forth.go.jp/news/2013/04041512.html

東京大学医科学研究所アジア感染症研究拠点:中国感染症情報:鳥インフルエンザウイルスH7N9関連情報2013
http://www.rcaid.jp/news/avianflu.htm

WHO: Disease Outbreak News
http://www.who.int/csr/don/en/
WHO: Human infection with influenza A(H7N9) virus
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/
Number of confirmed human cases for influenza A(H7N9) reported to WHO
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/Data_Reports/en/

CDC: Avian Influenza A (H7N9) Virus
http://www.cdc.gov/flu/avianflu/h7n9-virus.htm

Googleニュースで「鳥インフルエンザ」「H7N9」を検索

人民網日本語版(人民日報) http://j.people.com.cn/

(4/15版)中国の鳥インフルエンザA/H7N9 「人-人感染」は限定的 野鳥から広い地域へ拡大

2013å¹´04月15æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
この暫定的・個人的なまとめは、報道やネット上の情報から現時点での判断を記したものですが、情報に不確かな点がまだ多いことに加えて、一小児科医の判断ですので誤りがある可能性があることを最初にお断りしておきます。

このページは書き換えずに、変更する必要があるときにはブログの新しいentryとして追加更新していく予定です。
(情報を追加更新していく中で、長くなり重複も多くなってしまいました)

(4/10版との主な違いは、限定的な「人-人感染」を示唆する例の存在、不顕性感染の可能性、野鳥から広い地域に拡散という推測が確認されつつあるという3点です)

ポイントは、1)「人-人感染」の有無(感染力)、2)軽症例の有無(病原性)、3)野鳥の調査結果の3つですが、前二者はあっても限定的で、野鳥の行方はしばらくつかめそうにありません。

ウイルスの変異の情報には今後も注意が必要。

感染ルートは依然として未解明だが、「野鳥→家禽→人」でほぼ確定的。
豚が介在した可能性もまだ否定されていない。
ただし、いずれも証拠はなく、感染ルートの解明は難しそう。

現在のような感染者が増える状況はもうしばらく続き、地域も拡大していくものと思われますが、日本国内で輸入例ではなく鳥からの直接の感染例が出る可能性は小さい。(ゼロとは言えない)

■ 感染者数・死亡例

4月15日現在、感染者は61人で、13人が死亡、9人が軽症(うち1人が治癒、1人は症状なしとの情報です。
残りの38人の多くは重症のようですが詳細は未確定。
(11日のWHO発表では38人中10人死亡、19人重症、9人軽症)

4/15 61人中13人死亡 21.3%
4/14 60人中13人死亡 21.7%
4/13 44人中11人死亡 25.0%
4/12 43人中11人死亡 25.6%
4/12 38人中10人死亡 26.3%
4/11 35人中 9人死亡 25.7%
4/10 33人中 9人死亡 27.3%
4/09 28人中 9人死亡 32,1%
4/09 24人中 7人死亡 29.2%
4/07 21人中 6人死亡 28.6%

61人中13人が死亡(死亡率 21.3%)という数字は、当初より低下したとは言えまだ高い割合だが、これは中等症・軽症の感染者が少数しか診断がついていないことによる可能性が高い。
→「人から人への感染」および「病原性」

13日から15日にかけて北部の北京市で2例、内陸部の河南省で1例感染者が確認しており、今後も調べていくと中国の広い地域で発見される可能性が高い。

■ 人から人への感染の有無

WHOによると、1000人以上の接触者が経過観察されており、早期に確定された患者の接触者で症状があった人の調査が進められている。
現時点では、人から人への感染が継続しているという証拠はない。

WHOは9日、「2家族で人から人への感染が疑われる事例がある」ことを明らかにした。
13日には上海で夫婦間の感染例が確認されている(2家族のうちの1つと思われる)。
これだけで人-人感染の直接の証拠とは断定出来ず、その周囲への感染の拡大は確認されていない。

限定的な家族間感染があったとしても、それ以上拡大していなければ、過剰反応すべきではない。

インフルエンザは一般に感染力が強く、潜伏期も2~3日で、症状がある期間が1週間くらいなので、10日くらい観察すれば大体の傾向は判断できる。
既に、4月10日で最初の発表から10日が経過している。

人から人への感染の有無を確かめるためには、感染者同士の接触の有無、周囲の接触者や医療関係者の経過観察と共に、軽症者の存在も間接的な判断材料となる。

人から人への感染があるのなら、どんなに病原性が強くても、中等症や軽症で診断されないまま治っている人がピラミッド型に相当数存在するはず。
抗体検査や症状の有無などを調査すれば判断できる。
軽症者が少数しか確認されていない現状では、人から人への持続的な感染は否定的。

北京の無症状の4歳男児例(7歳女児の両親が鶏を販売した家庭)は、軽症者や感染しても発症しない不顕性感染が相当数いる可能性を示唆している。 ◎重要
発症者周囲の抗体保有状況のデータが出てこないと判断できない。

今後、新たに感染者の体内で別の変異が起こるといったことがなければ、現時点では人から人への感染性は弱く、限定的なものと推測される。

■ 遺伝子解析

遺伝子の解析で、混合した3種類のウイルスの遺伝子がいずれも鳥インフルエンザ由来だというのは良いニュースと言えるだろう。ブタの体内で鳥とヒトのウイルスとが混合してくると、2009年のようにパンデミックの恐れが出てくるが、今回のは正真正銘の鳥インフルエンザウイルス。豚が介在したという情報はない。

ただし、国立感染症研究所の分析で、このウイルスの遺伝子が人に感染しやすく変異していることが解明されているので、鳥から人への感染は今後も続く可能性はある。

上記のように患者の体内で別の変異が起きて人から人への感染性が獲得される可能性に注意が必要。

3種類の遺伝子が浙江省、韓国、長江より北という別々の地域の野鳥ウイルスに由来しており、このH7N9が野鳥の間で変異して広がり、渡り鳥または家禽を介して人に感染したものと推測できる。

■ 「鳥インフルエンザ」か「新型インフルエンザ」か

現時点で人から人への継続的な感染が認められていない状況では、感染者数や死者数がどれだけ増え続けても、「鳥インフルエンザ」に人が感染しているという判断に変わりはなく、鳥インフルエンザが変異して人から人への感染性を獲得した「新型インフルエンザ」の流行ではない。

一部のメディアで当初「新型鳥インフルエンザ」という用語を用いているのを目にしたが、「鳥インフルエンザ」と「新型インフルエンザ」の違いをよく理解していない人に誤解を与える恐れがあるので使わない方が良いだろう。

■ 家禽(ニワトリ、ハト、ウズラ、アヒルなど)

この点についての情報が錯綜している。

これまで、市場のハト、ニワトリ、ウズラなどでウイルスが検出され、上海市では約10万羽が殺処分されたと伝えられている。
一方で、家禽から7千以上のサンプルを調査した結果、H7N9は検出されていないという情報も報道されている。

感染者の中にも、家禽との接触が明らかではない人も含まれているようで、市場や養鶏場だけではなく、家庭で飼っている鶏や野鳥など、広い地域で複数、多数の感染源があるものと推測される。

前記の通り、豚が介在した可能性もまだ否定されていない。

■ 野鳥(ガン、カモなど)

これが一番重要なポイント。

鳥に対する病原性がなくて野鳥(渡り鳥)の間で広がっているなら手の打ちようがない。
(これだけ人の感染者が出ているなら既に相当前に変異が起きて広まっていたと推測するのが普通)

野鳥の調査も実施中だと伝えられているが、その情報がまだほとんど出て来ていない。
4月10日の報道では、検査した野鳥からウイルスは検出されていないとのことだが、今後の情報に注意が必要。

弱毒性ゆえに鳥の内臓でウイルスが増殖し血中からは検出されない、という難点もあるようだ。

4月には既に渡り鳥は北に帰ったと報じられおり、追いかけてシベリアを調査する必要があるはず。

「遺伝子」のところに書いたように、別々の地域の野鳥由来の3種類のウイルスが混合してることから、各地の野鳥がシベリアなどで交雑して変異し、それが中国に戻ってきたのではないか推測される。

だとしたら、中国の別の地域だけでなく、日本を含む東アジアにも広がっている可能性もあるのだが、当初限局した地域で発見された理由はわからない。

4月13日には北京市で両親が鶏の販売に従事している7歳女児で感染が確認され、14日に河南省、15日に北京市で4歳男児(無症状)で感染が確認されている。
やはり、中国の広い地域で野鳥(渡り鳥)から鶏などの家禽へウイルスが広まっていた可能性が高い。

日本でも野鳥の調査を開始すべきだと思うが、なぜか誰もそのことには触れようとしない。
(実際には継続的なモニタリング調査は行われているはず)

なんとなく、原発安全神話や原発事故報道を思い起こさせる。

■ 病原性は

鳥に対する病原性は低く(低病原性鳥インフルエンザ)、鳥の間で症状のないまま広がって人に感染している。
問題は人に感染した場合の病原性の程度。

61人中13人が死亡という高い割合をみると人に対する病原性が強そうに思えるかもしれないが、分母となる全体の感染者数が把握できていないため、まだ判断はできない。

「感染者数は少数にとどまり、感染すると高い割合で重症化する」可能性と、「診断されていない中等症・軽症者が多数いて、そのうちの一部だけが重症化している」可能性という二極間のどこに位置するのかが問題だが、これまでの情報からどちらかというと前者(高い頻度で重症化)に近いのではないかと推測される。

今後、軽症者の有無、抗体保有状況の結果がわかれば、この判断は変わってくる可能性がある。

現時点では、いったん感染して発症するとある程度の高い割合で重症化すると考えた方が良さそうだ。

■ 感染力は

これまで人の間で明らかな流行を起こした A型インフルエンザはH3N2(A香港型)とH1N1(スペインかぜ、Aソ連型、H1N1pdm2009)の2種類しかない。
15年以上、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の監視が続けられてきたが、H5N1が変異してパンデミックを起こすことはないのではないかというのが最近の見方だ。

今回のH7N9が人に感染しやすく変異しているという点には注意が必要だが、このタイプが大きな流行を引き起こす可能性は低いだろうと第一報の時からずっと考えている。

これまでの調査からも、人から人への感染が持続的に起きている可能性は低く、現在のウイルスのまま新たな変異がなければ、パンデミックを心配する状況にはない。
(厚生労働省の担当者も「2段階前」と表現している)

準備はあくまで「次の変異」に備えてのもの。

小児に少なく高齢者に多いことは、直接接触の程度・頻度によるものと推測される。

■ 今後の予想は

このウイルスが家禽だけでなくガン・カモなどの野鳥の間で広く浸透しているとすれば、市場の鳥をいくら殺処分しても自然界から消え去ることはなく、手の打ちようがない。
(だから、ウイルスの在り処を調べることが最も重要)

渡り鳥が北に帰ってシベリアに集まり、中国からの渡り鳥も日本からの渡り鳥も交雑してウイルスが浸透し、変異も起こる。その鳥が、また中国や日本に戻ってくる。

その中で、今後も散発的な、あるいは集団的な人への感染が繰り返される可能性が高いと考えている。

ただし、このタイプのウイルスがずっと鳥の間で優位を保って生存し続けるかは全くわからない。新しい型や元からあった型に駆逐される可能性もある。その可能性の方が高いのではないかと予想してる。

いずれにせよ、野鳥の調査結果がまだほとんどわかっていない状況では、何も判断できない。

■ 謎や特殊要因は

感染源や感染経路の証拠がほとんどつかめていないこと。
これは、単純に市場、養鶏場、野鳥のどれかに限定できず、感染源が複数、多数存在することを示唆している。
これまで書いたように、野鳥から家禽へ広く浸透してる可能性が高く、非常に厄介。
ウイルス操作(バイオテロや実験での封じ込めミス)などの人為的要因も頭の片隅には残しているが、その可能性は低そうだ。

■ 新型インフルエンザ特措法適用?

この特措法が適用されるのは、「人-人感染」を起こす「新型インフルエンザ」または不明の感染症であって、さらに季節性インフルエンザよりも多数の死者を出すことが予想される場合に限定されます。メディアの当初の報道は法律の適用範囲を理解していないか無視した誤報。

現時点で、この「鳥インフルエンザ」対策の根拠とはなり得ません。
「鳥インフルエンザ」対策は従来の法律で行われます。

特措法自体は昨年成立して今年5月に施行予定だったので、それを1ケ月前倒しすることに大した意味はありません。
(法律自体に問題が多いのですがその議論はここではしません)

この「鳥インフルエンザ」に更に変異が起こって「新型インフルエンザ」になる可能性を想定して準備することは必要ですが、今回の「鳥インフルエンザ」対策のために特措法施行を早めたという一部の報道や政府発表は誤解を生むものです。

■ ワクチンの開発

国立感染症研究所は中国からウイルス株を入手でき次第、新たなワクチン開発に入ると発表している。米国でもワクチン開発の準備に入っている。ただし、これはあくまで人から人への感染が認められるようになった際に流行の拡大を抑制するための準備であって、現状の「鳥インフルエンザ」の段階でワクチンが接種されることはない。

(鳥に対するワクチンも開発されているらしいが情報ソース不明)

■ 抗インフルエンザ薬

抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタは試験管内で効果がみられたという。実際に治療した際の効果については、ある程度まとまった成績が発表にならないとわからない。

■ 中国への渡航

出入国とも制限する必要はありません。市中でのマスクは「鳥インフルエンザ予防」としては意味がないかと。。
鶏や野鳥に近づかないのは当然として。

また入国者に対する検疫などをし始めないか懸念されます。
2009年のときは無意味な過剰反応で世界に恥をさらした。

そうは言ってもこの国(政府・メディア・国民)では簡単には済まない。
中国から帰国した人が1人でも熱を出したら、(たとえ関係のない発熱でも)政府もマスコミも大騒ぎになるはず。。
運悪くその犠牲者になりたくなかったら、中国への渡航は避けた方が良いだろう。。(もし可能なら)

早晩「第一例」が発見されることに。。
当然、これまでに既に侵入していた可能性も十分にある。。

そのような疑いのある患者さんが来院しないことを祈るしかない。。八戸の小児科開業医に受診する可能性は限りなく低いが。。

くば小児科クリニック
久芳康朗

2013.4.15(4.16一部修正・追加)

情報のソース→別にリンク集を掲載しています。

中国の鳥インフルエンザA/H7N9 「人-人感染」はあっても限定的 野鳥に蔓延の可能性も(4/10)

2013å¹´04月11æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
この暫定的・個人的なまとめは、報道やネット上の情報から現時点での判断を記したものですが、情報に不確かな点がまだ多いことに加えて、一小児科医の判断ですので誤りがある可能性があることを最初にお断りしておきます。

このページは書き換えずに、変更する必要があるときにはブログの新しいentryとして追加更新していく予定です。
(要点だけをまとめていくつもりが長くなり重複も多くなってしまいました)

ポイントは、「人-人感染」の有無、軽症例の有無、野鳥の調査結果ですが、前二者は現時点では否定的、野鳥の情報は全くわかりません。

感染ルートは依然として謎のままです。
ウイルスはどこから出て来てどう伝わったのか。

■ 感染者数・死亡例

4月10日現在、感染者は33人で、9人が死亡、3人が軽症(うち1人が軽快)という情報がありましたが、残りの21人の重症度の詳細は未確定のようです。
(9日のWHO発表では24人中7人死亡、14人重症、3人軽症)

33人中9人が死亡という数字は相変わらず高い割合だが、これは中等症・軽症の感染者がほとんど見つかっていないことによるものと思われる。
(→「人から人への感染」および「病原性」)

■ 人から人への感染の有無

WHOによると、600人以上の接触者が経過観察されており、早期に確定された患者の接触者で症状があった人の調査が進められている。現時点では、人から人に感染が続いているという証拠はない。

まだ断定はできないが、インフルエンザは一般に感染力が強く、潜伏期も2~3日で、症状がある期間が1週間くらいなので、10日くらい観察すれば大体の傾向は判断できるはず。
(4/10現在で最初の発表から10日が経過した)

人から人への感染の有無を確かめるためには、感染者同士の接触の有無、周囲の接触者の経過観察と共に、軽症者の存在を調査することが肝要。

人から人への感染があるのなら、どんなに病原性が強かったとしても、中等症や軽症で診断されないまま治っている人がピラミッド型に相当数存在するはず。検査診断はできなくても症状などの調査で判断できる。軽症者がほとんど確認されていない現状では、人から人への持続的な感染は否定的。

※追記→抗体検査でこの型に対する抗体保有の有無を調べられるようだ。

WHOは9日、「2家族で人から人への感染が疑われる事例がある」ことを明らかにした。実際に人から人へ感染したのか、共通の動物(鳥・豚など)から感染したのかもわからないし、他の感染症の可能性もあるだろう。

限定的な家族間感染があった可能性は否定できないが、それ以上続いていないのであれば、それだけで過剰反応すべきではない。

今後、新たに感染者の体内で別の変異が起こるといったことがなければ、現時点では人から人への感染性はないか、あっても限定的なものと推測される。

■ 遺伝子解析

遺伝子の解析で、混合した3種類のウイルスの遺伝子がはいずれも鳥インフルエンザ由来だというのは良いニュースと言えるだろう。ブタの体内で鳥とヒトのウイルスとが混合してくると、2009年のようにパンデミックの恐れが出てくるが、今回のは正真正銘の鳥インフルエンザウイルス。

ただし、国立感染症研究所の分析で、このウイルスの遺伝子が人に感染しやすく変異していることが解明されているので、鳥から人への感染は今後も続く可能性はある。

上記のように患者の体内で別の変異が起きて人から人への感染性が獲得される可能性は否定できない。

また、3種類の遺伝子は浙江省、韓国、長江より北という別々の地域の野鳥ウイルスに由来しており、このH7N9が野鳥の間で変異して広がり、渡り鳥または家禽類を介して人に感染したものと推測できる。

■ 「鳥インフルエンザ」か「新型インフルエンザ」か

現時点で人から人への継続的な感染が認められていない状況では、感染者数や死者数がどれだけ増えようとも、「鳥インフルエンザ」に人が感染しているという判断であり、鳥インフルエンザが変異して人から人への感染性を獲得した「新型インフルエンザ」の流行ではない。

一部のメディアで「新型鳥インフルエンザ」という用語を用いているのを目にしたが、「鳥インフルエンザ」と「新型インフルエンザ」の違いをよく理解していない人に誤解を与える恐れがあるので使わない方が良いだろう。

■ 家禽類(ニワトリ、ハト、ウズラなど)

この点についての情報が錯綜している。

これまで、市場のハト、ニワトリ、ウズラなどでウイルスが検出され、上海市では約10万羽が殺処分されたと伝えられている。
一方で、家禽類から7千以上のサンプルを調査した結果、H7N9は検出されていないという新たな情報も報道されている。

感染者の情報でも、家禽類との接触が明らかな人は一部に限られるようであり、市場や養鶏場だけが主な感染ルートだとは考えにくい状況にある。

■ 野鳥(ガン、カモなど)

これが一番重要なポイント。

鳥に対する病原性がなくて野鳥の間で広がっているなら手の打ちようがない。
(これだけ人の感染者が出ているなら既に相当前に変異が起きて広まっていたと推測するのが普通)

野鳥の調査も実施中だと伝えられているが、その情報がまだほとんど伝わっていない。
4/10の報道で、現時点では検査した野鳥からウイルスは検出されていないとのことだが、今後の情報に注意が必要。

「遺伝子」の項に書いたように、別々の地域の野鳥由来の3種類のウイルスが混合してることから、各地の野鳥がシベリアで交雑して変異し、それが中国に戻ってきたと考えられる。

だとしたら、中国の別の地域だけでなく日本にも既に侵入している可能性はあるのだが、この地域に限局して発生している理由はわからない。

日本でも野鳥の調査を開始すべきだと思うが、なぜか誰もそのことには触れようとしない。
(実際には継続的なモニタリング調査は行われているはず)

なんとなく、原発安全神話や原発事故報道を思い起こさせる。

■ 病原性は

33人中9人が死亡という高い割合をみると病原性が高そうに思えるかもしれないが、分母となる全体の感染者数が把握できていないため、まだ判断はできない。

感染者数は少数にとどまり、感染すると高い割合で重症化する可能性と、診断されていない中等症・軽症者が多数いて、そのうちの一部だけが重症化しているという2つの可能性があるが、これまでの情報から判断すると後者の可能性は低い。

依然として分母は不明だが、いったん感染して発症するとある程度の高い割合で重症化すると考えた方が良いだろう。

■ 感染力は

これまで人の間で明らかな流行を起こした A型インフルエンザはH3N2(A香港型)とH1N1(スペインかぜ、Aソ連型、H1N1pdm2009)の2種類しかない。
15年以上、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の監視が続けられてきたが、H5N1が変異してパンデミックを起こすことはないのではないかというのが最近の見方だ。

今回のH7N9が人に感染しやすく変異したという点には注意が必要だが、このタイプが大きな流行を引き起こす可能性は非常に低いだろうと第一報の時から考えていた。

これまでの調査からも、人から人への感染が持続的に起きている可能性は低く、現在のウイルスのまま新たな変異がなければ、パンデミックを心配する状況にはない。
準備はあくまで「次の変異」に備えてのもの。

■ 今後の予想は

このウイルスが家禽類だけでなくガン・カモなどの野鳥の間で広く浸透しているとすれば、市場の鳥をいくら殺処分しても自然界から消え去ることはなく、手の打ちようがない。
(だから、ウイルスの在りかを調べることが最も重要)

渡り鳥が北に帰ってシベリアに集まり、中国からの渡り鳥も日本からの渡り鳥も交雑してウイルスが浸透し、変異も起こる。その鳥が、また中国や日本に戻ってくる。

その中で、散発的な、あるいは集団的な人への感染が今後も繰り返される可能性は否定できない。

ただし、このタイプのウイルスがずっと鳥の間で優位を保って生存し続けるかは全くわからない。新しい型や元からあった型に駆逐される可能性もある。その可能性の方が高いのではないかと予想してる。

いずれにせよ、野鳥の調査結果がまだほとんどわかっていない状況では、何も判断できない。

■ 謎や特殊要因は

感染源や感染経路がほとんどわかっていないこと。
これは、単純に市場、養鶏場、野鳥のどれかに限定できず、感染源が複数、多数存在することを示唆している。
だとすると、非常に厄介。
ウイルス操作(バイオテロや封じ込めミス)などの人為的要因も頭の片隅には置いておいた方が良いかもしれない。

■ 新型インフルエンザ特措法適用?

メディアは法律の適用範囲をちゃんと確認しなさい。

この特措法が適用されるのは、「人-人感染」を起こす「新型インフルエンザ」または不明の感染症であって、さらに季節性インフルエンザよりも多数の死者を出すことが予想される場合に限定されます。

現時点で、この「鳥インフルエンザ」対策の根拠とはなり得ません。
「鳥インフルエンザ」対策は現行法で行われます。

特措法自体は昨年成立して今年5月に施行予定だったので、それを1ケ月前倒しすることは特に問題はありません。
(法律自体に問題が非常に多いのですがその議論はここではしません)

この「鳥インフルエンザ」に更に変異が起こって「新型インフルエンザ」になる可能性を想定して準備しておくことは大事ですが、今回の「鳥インフルエンザ」対策のために特措法施行を早めるという報道(あるいは政府発表)は明らかに間違っています。

■ ワクチンの開発

国立感染症研究所は中国からウイルス株を入手でき次第、新たなワクチン開発に入ると発表している。米国でもワクチン開発の準備に入っている。ただし、これはあくまで人から人への感染が認められるようになった際に流行の拡大を抑制するための準備であって、現状の「鳥インフルエンザ」の段階でワクチンが接種されることはない。

■ 抗インフルエンザ薬

タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬は試験管内で効果がみられたという。実際に治療した際の効果についてはまだ情報が伝わってきていない。

■ 中国への渡航

出入国とも制限する必要はありません。市中でのマスクはほとんど意味がない。
鶏や野鳥に近づかないのは当然として。

また入国者に対する検疫をし始めないか懸念されます。
2009年のときは無意味な過剰反応で世界に恥をさらした。

そうは言ってもこの国(政府・国民)では簡単にはいかない。
中国から帰国した人が1人でも熱を出したら、政府もマスコミも大騒ぎになるのだろう。
(そのような疑いのある患者さんが来院しないことを祈るしかない…八戸の小児科開業医に受診する可能性は限りなく低いが)

「新型」インフルエンザは「季節性」に

2011å¹´06月02æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 これまでもお伝えした通り、4月から「新型」は「インフルエンザH1N1(2009) 」という名称の季節性インフルエンザになりました。と言ってもウイルスが変化したわけではなく、行政上の扱いが変わるだけです。なお、それに伴って、今年秋のインフルエンザワクチンに昨年と同じような自治体からの助成が出るのか、なくなってしまうのか、今のところ情報は何もありません。

(院内報 2011年4月・5月号より)

インフルエンザ:流行の残り火 八戸市・三八地方

2011å¹´03月08æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶

インフルエンザは流行のピークが過ぎて1ヶ月たちましたが、今年は流行の規模が大きくなかったので、流行拡大期~ピークにかけてあまり流行しなかった学校で今ごろになってポツポツと流行りだしているようです。3/5の急病診療所では南部・三戸方面でB型の子がみられていましたが、当院では今のところB型の検出はゼロです。

インフルエンザ:2週連続減少 八戸市・三八地方

2011å¹´02月15æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
インフルエンザ流行のピークは予想よりも1週早い1月の最終週(第4週)となり、2月に入って2週連続で減少してきています。八戸市、青森県の傾向も同様なので、おそらくはこのままゆっくり終息に向かうものと思われますが、今月いっぱいはある程度の流行は残るでしょう。

2年前までは、シーズンの終盤にB型の流行が重なることが多かったのですが、今シーズンはまだ明らかではありません。

2010年第52週~2011年第4週のインフルエンザウイルスの検出状況(IDWRより)
 AH1pdm 82%
 AH3亜型 15%
 B型 3%

院内版感染症情報 インフルエンザはピークに  八戸市・三八地方

2011å¹´02月01æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 1月末の時点で、インフルエンザとウイルス性胃腸炎(ノロまたはロタウイルス)が流行中で、その他に結膜炎(目やに)や発熱、咳などの症状を伴うアデノウイルスもある程度みられているようです。みずぼうそうは例年この時期に多くなりますが、保育園などで小さな流行があるようです。
 ウイルス性胃腸炎は2月の厳冬期にかけて、ノロウイルスよりも乳幼児で重症化に注意が必要なロタウイルスが多くなる時期です。

 今シーズンの流行は20~30代を中心とした若い大人で、子どもの患者は多くありません。昨年末まではA香港型の方が優勢だったのですが、お正月前から逆転して、A/H1N1pdm(2009新型)がメインになっています。

 3学期が始まってから子どもでも流行が本格化し、3週目で注意報発令基準の10人を超えましたが、その後の増加の勢いが急激ではないので、2月上旬でピークを過ぎるのではないかと予想しています。
 乳幼児よりも10代の年長児が多く、親から幼児への感染も散見されます。

 小学校での流行状況をみると、新しく感染しているのは昨年インフルエンザにかからなかった子が主なようですので、同じ傾向が続くなら、子どもでの流行は大きくならないで済むかと思われます。
 逆に、A香港型やB型との混合流行になると、春先まで流行が長引く可能性もあります。

(院内報より)

インフルエンザ警報レベルには達せず(院内版) 八戸地域

2011å¹´01月29æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
今週のインフルエンザ患者は21名で、先週を上回ったものの増加のスピードが鈍り、警報発令レベルの30名には達しませんでした。

まだ来週以降の流行状況をみてみないと何とも言えませんが、校医を務める小学校での情報でも、今年かかっているのは昨年インフルエンザに罹患しなかった子が主だとのことですので、現在のAH1N1pdm(2009新型)メインの流行がこのまま続けば、流行の規模は(小児では)さほど大きくならない見込みです。
現在の流行は20~30代の大人が中心です。

インフルエンザ注意報発令(院内版) 八戸地域

2011å¹´01月22æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
今週のインフルエンザ患者数は17名に達し、注意報発令基準の「定点医療機関あたり10名」を大きく超えました。

当院も定点医療機関に指定されていますが、これまでもほぼ平均的な値で推移していたことから、八戸地域、青森県全体にインフルエンザ注意報が発令されることはほぼ確実な状況です。
(既に下北・上十三では発令されています)
速報版で「八戸地域にもインフルエンザ注意報発令」とお伝えしておきます。
ピークを過ぎるまであと1-2週かかり、2月いっぱいはある程度の流行が残るものと予想されます。

インフルエンザ:小児でも流行期に(八戸地域)

2011å¹´01月19æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
お正月までは八戸地域では20-30代の若い大人が流行の中心で、急病診療所でも小児のインフルエンザはゼロという状況でした。

お正月あけからポツポツと見られ始め、3学期が始まって今週は今日までの2日半で6名となっており、注意報発令の基準である10名(定点医療機関あたり)に達するかもしれません。(グラフの3週目は本日午前までの値です。)



当院も感染症情報の定点医療機関に指定されておりますが、これまでもほぼ平均値と一致した値となっていますので、八戸地域、あるいは全県的に本格的な流行期に入ったものと判断されます。

予想としては、2月の1週目か2週目でピークとなり、それまでは毎週倍増していくことになると思われます。

昨年中はA香港型の方が多い状況でしたが、全国的には逆転してAH1N1pdm(2009年新型)の方が多くなっているようです。
もしそうだとしたら、小中学生では昨年多くの子どもが感染したため、今シーズンの流行の規模は大きくはならないものと考えられますが、A香港型との混合流行が続けば、それなりに感染者数が増えるかもしれません。

予防接種は希望者にはほぼ終了していますが、まだ接種可能です。

インフルエンザの治療:新しい抗インフルエンザ薬も

2010å¹´12月28æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 昨シーズンは行政やマスコミなどの異常とも言える「新型」騒ぎのため、様々な規制や型にはめられた医療が行われ現場は混乱しましたが、今シーズンは例年通り、症状、経過などをみながら個別に判断していくことになります。

 新しい抗インフルエンザ薬「イナビル」が使えるようになりました。これは、1回の吸入だけでタミフルを5日間飲むのと同程度の効果が期待できるという薬です。吸入がしっかりできることが必要なので、5歳以上が目安になります。新薬なので最初から全員一律に使うということにはなりません。

 これまでのタミフル(内服薬:1歳~9歳)、リレンザ(吸入薬:吸入可能な年長児)との使い分けも、全国の小児科医の間でも統一的な基準はないため、少しずつ様子を見ながら判断していくことになります。

 点滴の薬「ラピアクタ」が小児にも投与できるようになりましたが、当院では使わない見込みです。

 いずれの年齢でも、麻黄湯などの漢方薬の効果も期待できます。抗インフルエンザ薬との併用も可能です。

 インフルエンザが疑われるような場合でも、「熱が出たら(真夜中でも)すぐ受診」ではなく、「具合が悪い、進行が早い、様子がおかしい(言動・行動の異常など)ときにはすぐ受診」という基本はどの型であっても同じです。(院内報より)

インフルエンザ流行期へ <予防接種実施中>

2010å¹´12月28æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 やはり今シーズンはA香港型が流行の中心になりそうです。A香港型は昨年流行した新型(A/H1N1pdm)よりも脳症などの合併症を起こしやすいので注意が必要です。高齢者に流行が広がると死亡例が多くなる可能性もあります。

 すでに北海道や沖縄、九州では流行が拡大してきており、秋田、東京でも流行がみられるなど、全国的に流行期に入ってきました。八戸市内では10月中に市内北部の一部で流行しましたが、いったん沈静化して、その後は明らかな流行はみられていません。例年通り年明けの3学期からになりそうな気配です。

 予防接種はできれば流行が本格化する前に終えておきたいので、2回目がまだの方は早めに接種するようにしましょう。(院内報より)

インフルエンザの予防接種のご案内 2010-2011年版

2010å¹´10月01æ—¥ | æ–°åž‹ã‚¤ãƒ³ãƒ•ãƒ«ã‚¨ãƒ³ã‚¶
 今シーズンはすでに報道されている通り、2009年に流行したA/H1N1pdm “新型” とA香港型、B型の3種類の株が入ったワクチンの接種になります。まだ「新型」の指定が解除されておらず「新・臨時接種」という扱いとなり、法律で規定されているため、例年と異なり料金などは一律の方式になります。八戸市・階上町以外の市町村では公費助成の範囲などが異なる場合がありますので、自治体からの案内も参照して下さい。

 接種開始は10月1日からで、昨シーズンのような優先順位の設定はなく、すべての方が予約順に接種できます。希望者の分のワクチンは確保できる見込みですが、例年11月頃は1回目と2回目の患者さんが重なって混雑するため、早めの予約、接種をお願いします。

 インフルエンザは新型にせよ季節性にせよ、感染力が強く合併症も多い感染症で、毎年のように小児の脳炎・脳症などによる死亡例も報告されています。インフルエンザの予防接種は感染したときに発症を防ぐ効果は高くありませんが、入院や死亡などの重篤な合併症を減らすことが期待されています。

 今年は9月から国内で新型およびA香港型の流行が報告されており、昨シーズン全く流行しなかったA香港型の流行が懸念されています。例年のようにB型との混合流行になる可能性もあります。一般に、A/H1N1(Aソ連型や新型)よりもA香港型の方が症状や合併症も強くなる傾向があり注意が必要です。

 私たちにできる対策は、個人防衛としてのインフルエンザの予防接種を進めることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。

【1】予防接種法による新・臨時接種(0歳~64歳) 10月1日~3月31日

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満:接種すれば抗体は上昇することがわかってきましたが、効果が十分確かめられているわけではないため、本人ではなく家族が予防接種を受ける方が防御効果は高いものと思われます。

○ 生後6か月以降:保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限り全てのお子さんに接種をお勧めします。
特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・医療・福祉関係者、教師・保育士、警察・消防・自衛隊関係者など、流行時
 に社会的影響の大きい立場にある方

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回
・1~5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回
・6~12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回
・13~64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回(中高生には2回接種をお勧めします)

※2回接種する場合の接種間隔は1~4週間ですが、可能なら3~4週間あけて下さい。

● 料金
・1回目:3600円 ☆
・2回目:2550円(他院で1回目を接種した場合は3600円) ☆★

☆非課税世帯、生活保護の方は無料(事前に自治体に申し込む必要あり)
★階上町民は2回目が無料(13歳未満または13歳以上で必要と認めた場合)

【2】予防接種法による高齢者への接種(二類定期接種) 10/1~3/31

● 対象
・65歳以上の方(希望者)
・60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(医師が必要と認めた場合は2回)

● 料金
・1回目:3600円(自己負担は1,000円) ☆
・2回目:2550円(他院で1回目を接種した場合は3600円) ☆

☆非課税世帯、生活保護の方は無料(事前に自治体に申し込む必要あり)

※慢性の病気で通院したり薬をのんでいる方はかかりつけ医にご相談下さい。