踊る小児科医のblog

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東京の百人復帰は7月上旬〜中旬か。地方は東京流入者対策を再強化へ。3月連休の緩み説は根拠なし。

2020å¹´06月30æ—¥ | æ–°åž‹ã‚³ãƒ­ãƒŠ
東京の増加傾向について、質の問題の議論は後で触れることにして、とりあえず数だけを論じてみます。
その前に、現在の日本の状況は、東京では実質的な集団免疫作戦(公式には否定しているが)、地方では水際作戦・封じ込め政策という矛盾する2つの政策が説明されないまま推し進められているという点を指摘しておく。

先週の段階で、5/23の底から6/20まで増加が4週間続き、日〜火で鈍化傾向が見えたので、ピークを超えつつあるとFacebookに書きましたが、あっさり覆されてしまいました。

本日(6/29)の感染者は58人、昨日(6/28)は60人ですが、これを前日比マイナス2人と読むのではなく、前週の同曜日と比べて昨日は+26人、本日は+29人という連日大幅増の状況にあり、どこでピークを越すのか見通せなくなってきました。


グラフ①は縦軸が線形表示(等間隔)で、メディアに出てくるものと同じですが、緑の点線の補助線についてはこの後に説明します。


グラフ②は縦軸を対数表示にした片対数グラフですが、かなり印象が違ってくるのではないかと思います。

ここで、緑の補助線を、どちらのグラフでも、増加局面に入る3/13〜3/20の1週間と、再増加の底の5/23〜6/20の4週間に合わせて引いてみました。

線形グラフ①だけをみると、3/13〜3/20の期間に、7日平均で2.7から7.4に増加しただけで、緑の補助線が示す通り、その後の指数関数的な増加を予測することは困難でした。

ところが、片対数グラフ②では、3/13〜3/20を結んだ緑の補助線は、4/11の7日平均149.9まで若干の上下はあれ、ほぼこの線に沿って推移していたことがわかります。

一方、問題の現在の局面では、線形グラフ①では5/23〜6/20の緑の線から上に逸れつつあるように見えるのに対し、片対数グラフ②では緑の線よりも低めに見積もった水色(5/23〜6/25)の点線に沿って増えつつあるように思われます。

片対数グラフ②で、百人に達するのは、7/5前後(緑=都知事選投票日前)から7/12前後(水色=都知事選投票日後)と予測できます。
無論、地方の立場からすると、東京の今の状況は心底迷惑でしかなく、予想が外れて頭打ち・減少に転じてくれることを願ってはいますが。。

なお、3月下旬の3連休の緩みが、4月1週目までの大爆発を引き起こしたという説があり、専門家会議の提言にも記載されていますが、グラフ②をみれば分かる通り、その連休と関わりなく一貫して増えており、根拠を見出すことができません。

いずれにせよ、現況では、東京からのビジネス客、帰省者、観光客などを「Go To キャンペーン」などで積極的に迎えるような状況とは遠く離れつつあるということです。東京目線での「経済再生との両立」は、「東京排除」という結論にしか結びつかないのです。(これは個人的な、あるいは医学的な見解ではなく、現在の社会状況を考慮したら辿り着く、当たり前の結論です。)

<前述の質の問題と、地方での受け止め方については、次に分けて書きたいと思います。グラフを6/30現在のものに入れ替えました。>

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