夕刊フジ、読売新聞、MSN産経などによると、民主党衆院議員で、ネクスト農相経験者の筒井信隆さん、山田正彦さん、篠原孝さんが連名で12日午前、「前原誠司民主党副代表の妄言を糾弾し、その『退場』を勧告する」と題する電子メールをすべての所属議員に送ったそうです。ちなみに全くの勘ですが、文面からしてドラフト執筆者は篠原さんだと推理します。
詳細な記事を読みましたが、前原さんは「二大政党制によるデモクラシー」を本質的に理解していないのではないかという疑問を抱かざるを得ません。
そしてもう一つ。報道が事実ならば、前原さんはどんな社会でも裏方さんを大事にしない人間は大成しないということを学ぶべきです。
あるプロ野球チームの話です。エース(21歳)が高卒3年目のシーズンオフに、ドラフト1位の大卒ルーキー(22歳)が入団しました。
エース(21)は首脳陣に申し出て、ルーキー(22)の「教育係」になりました。選手寮と球場の移動の際には、エース(21)はオフに購入した超高級自動車の助手席にルーキー(22)を乗せてあげました。そこで最初に「教育」したことは「プロに入ったら、チームの裏方さんの名前は全員覚えなければいけませんよ」。
オーナー、社長、監督、コーチだけでなく、ブルペン捕手、用具係、遠征係、スコアラー、広報係、マッサージ師、筋肉トレーナーなど全員の名前を覚えろ、と。
私が早めに家を出て、野球見物に出かけたときに、試合前練習をじっくり見ることができました。2人とも開幕からローテーションに入っていて、その試合では登板予定がなかったのですが、みんなと調整していました。
エース(21)はレフトポールとライトポールの間を何度も走っていました。裏方さんが伴走し、毎回ストップウォッチで時間を計っていました。この調整をしていたのはエース(21)1人だけでした。
ルーキー(22)は中継ぎ陣に交じり、ストレッチ、キャッチボール、球拾い。「練習時間終了」のアナウンスが流れると、外野に置いてあった巨大な「球入れカゴ」を重そうに引きずりながらベンチに引き上げていきました。
この年、エース(21)は初の最多勝、ルーキー(22)も11勝を挙げ、新人王次点に輝きます。ちなみにエース(21)と同じ高校野球部監督にしつけられた松坂大輔は、渡米1年目で、ワールドシリーズ優勝を「正夢」にしました。
プロ野球ファンの方は150キロの剛速球を投げるのにつぶれていった投手をたくさん知っているでしょう。どんな社会でも裏方さんを小馬鹿にしている人間は絶対に成功しません。新聞記者なんかも育ちが悪い人が多く、社内外を含めて裏方さんに差別的な発言をする人がよくいますが、徐々に中心から去っていきます。
そして、もう一つ指摘したいのは、前原さんの鼻柱が曲がっているということです。古舘伊知郎はフランス人F1レーサー、アラン・プロストを「鼻曲がりのダンディ」と呼んでいました。プロストは若い頃のレース中の事故で鼻が曲がってしまったそうです。マシンのトラブルで最後尾から出発しても、フィニッシュでは1位になるなどプロストの技術力は世界一でしたから、そこにのぼり詰めるまでのエピソードを膨大に収集した古舘さんは「鼻曲がりのダンディ」という一語にまとめて表現したのでしょう。
派閥争い・主導権争いは政権をとってからで十分です。なぜなら政府に入れる議員の人数には限りがありますから、そこで主流派・非主流派ができるのはやむを得ないことです。政権交代前から派閥争いをするのは、おままごとに過ぎません。
母子家庭など前原さんに同情している面もあるし、私も前原さんと同じく大学で国際政治学を専攻しましたから、前原さんに親近感を抱いていた時期もあります。
しかし、「政界再編」という名の国民目くらましを企む、与謝野馨・元官房長官と対談して、現在有効である第21回参院選マニフェストを批判するとは反党行為・利敵行為に他なりません。
今の民主党に「物が言いにくい雰囲気」があるのは確かですが、前原さんの行動は「政治ごっこ」であって、「政治」ではない。
凌雲会の会計責任者である仙谷由人さんはご苦労なさったし、枝野幸男さんの政治姿勢は好きです。
とはいえ、前原凌雲会長がこれ以上の反党行為を続けた場合、前原さんは副代表を辞すべきですし、さらに言えば民主党バスから降りてもらってもかまわないと私は考えています。
民主有志、前原に退場勧告…全所属議員にメールで配信 菓子パン投げ捨て報道にも言及(夕刊フジ)
民主党の有志議員3人が12日午前、「前原誠司民主党副代表の妄言を糾弾し、その『退場』を勧告する」と題した電子メールを全所属議員に送った。最近、前原氏は月刊誌などで小沢一郎代表や党の政策に批判を繰り返しているが、ついに所属議員らが「利敵行為が目に余る」と堪忍袋の緒を切らしたのだ。
連名でメールを送ったのは同党ネクスト農水担当相の現・前・元職の筒井信隆、篠原孝、山田正彦の3氏。
それによると、前原氏は元代表で現副代表でありながら、今月10日発売の「中央公論7月号」で、昨夏の参院での民主党マニフェストについて「仮にこのまま民主党が政権を取っても、まともな政権運営はできない」と批判。
さらに、7日の京都市内での会合で、農業者戸別所得補償制度に対して自民党が行ったバラマキ批判に「私もそういう気持ちを強く持っている」と発言したことを問題視、「精神は理解しがたい」と厳しく糾弾している。
メールでは「所得補償(直接支払)制度は前原代表(当時)自身が了承決定した」などと、前原氏の発言に対して詳細に反論しているが注目されるのは次のくだり。
「報道によれば、前原副代表は、事務所に出勤すると毎日菓子パンと惣菜パンをそれぞれ1個ずつ食べるのが日課であるが、あるとき、新人女性秘書が間違って菓子パン2個を用意したところ、激怒して『菓子パンなんか2個も喰えるか!』と大声で怒鳴り、菓子パンをごみ箱に投げ捨てたそうである」と週刊誌記事を引き合いに出し、「生命の維持に欠くことのできない食料を粗末にするような人間に食料・農業について論ずる資格はなく、議員としての資質ばかりか、その人間性に重大な問題があると言わざるを得ない」とまで問題提起しているのだ。
最後は「前原副代表の言動は、民主党の政策構築の経緯を踏まえず、自らの政策決定への関与を故意に失念し、自民党の主張に擦り寄るばかりか、食と農に対する理解の無さを天下にさらけ出したものである。これは、今まで、民主党農政の構築に知恵を絞り、汗を流してきた多くの同僚議員や民主党農政に対してご支持をいただいた国民各位に対する重大な背信行為である」と断罪。
「前原副代表におかれては、ご自身の立場、政治家として信義の在り方に思いを致し、自らの出処進退を明らかにされんことを勧告するものである」として、離党や議員辞職までにおわせる内容となっている。
民主党関係者は「前原氏の最近の言動は自民党にプラスになる利敵行為としか思えないものがある。こうした文書が出るのは時間の問題だったのでは」と語る。
この「退場勧告」について前原氏の事務所は12日午後、「本人がいないので答えられない」とコメントした。
前原氏への“退場”勧告メール、民主3議員が真意説明(読売新聞) - goo ニュース
民主に激震 「マニフェスト批判」の前原氏に筒井氏らが「退場勧告」(MSN産経)
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