宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

今夜から明朝にかけて、31年ぶりの「宮澤大政局」に衆院「自公国」と「立憲修正」どちらも成立の可能性

2024年12月11日 17時01分41秒 | 第216回臨時国会
[写真]石破選対本部長をつとめた岩屋毅外相、ことし9月、宮崎信行撮影。

 政局は、今夜から明朝にかけて、31年ぶりの「宮澤大政局」となります。衆議院で「自公国で過半数」か「立憲修正に自公が乗るか」両方ともあり得ます。この12月の決定が、来年3月の当初予算案、来年6月の内閣不信任決議案の3つの峠で同じ結果となるかあるいは反動として逆の結果になるか。今回は先議の院が少数与党だという衆参ねじれなので、政局のヤマ場がかなり早く来る心象です。一年生議員なんかさっぱり何か分からないでしょう。想像力と先輩のご指導で乗り切るしかない大政局です。

 東大法学部卒の首相、自宅から官邸に通った首相は、宮澤喜一さんが直近では最後。宮澤さんの政局音痴ぶりが歴史を動かしましたが、秘書官だった宮澤洋一さんが「複数人区選出の参議院議員」という現代のお公家として、石破首相が説き伏せられるかがポイントとなります。

 と、あおったところで、午後4時過ぎに自公国3党合意がなされました。
「合意書  自由民主党、公明党および国民民主党は、以下に合意する。
 一、いわゆる103万円の壁は、国民民主党の主張する178万円をめざし、来年から引き上げる。
 一、 いわゆるガソリン暫定税率は廃止する。
 上記の各項目の具体的な実施方法等については、引き続き関係者間で誠実に協議を進める。
 令和6年12月11日」

【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年12月11日(火)】
 「補正予算案」は3日目で、基本的質疑2日目。立憲は単独で、修正案(能登で0・1兆円増額し、基金積み増しを1・4兆円減額する補正)を提出しました。

 31年前、当時2期の石破茂さんを担いで宮澤邸に討ち入った当時1期の岡田克也さんが質問。シリア政変などの質問はなく、石破首相、岩屋毅外相に質問。衆議院情報監視審査会委員(岡田、本庄知史委員ら)だとして、安倍晋三さんの北方領土シンガポール合意について、情報の開示を求めるかもしれないとしました。岡田さんは「石破さんは私と同じで理屈っぽい」と語り、31年前の宮澤邸襲撃の歴史修正をこころみました。

 日本維新の会では前の幹事長の側近だった、三木圭恵さんが「103万円の壁」について学生部のアイディアを紹介するとして、所得税の扶養控除について議論しました。同党が予算委で所得税の恒久減税にふれたのは珍しい気がします。

 国民民主党の長友慎治さんは宮崎2区で2期。立憲神奈川に名前が似た1期生がいますが、まったく無関係です。長友さんは地方創生に関して質問し、首相は「東京一極集中は戦後の国策だ」との認識を示しました。

 衆参とも議席順の割り当てに変わった公明党。岡本三成政調会長は「墨田のハローワークはすばらしいんです、私が政治家をやめて職を探すなら、間違いなくハローワークに行こうと思うくらいすばらしいハローワークなんです」と非常にずれたことを言っていました。

 れいわ新選組は、本会議に登壇した大石あきこ共同代表に続き、高井崇志幹事長が質問。石破首相は「きめつけて反論を許さない姿勢を民主主義としてよしとしない」と述べると、高井さんは議席が増えたから今後軌道修正するかまえをみせました。

【衆・内閣委】
 川本裕子総裁の人事院勧告の説明に続いて、平将明・国家公務員制度担当相が「一般職給与法改正案」「特別職給与法改正案」「育児休業法改正案」(216閣法1、2、3号)を趣旨説明しました。

【衆・法務委】
 鈴木法相が「裁判官報酬法改正案」「検察官俸給法改正案」(216閣法7、8号)を説明しました。

●衆・総務委は水曜日は定例日外ですので開かれず。人事院の「意見」を実施する「地方公務員育児休業法改正案」(216閣法6号)はまだ審議入りしていません。また補正予算関連の地方交付税法改正案(216閣法5号)も審議されるはこびとなります。村上誠一郎大臣からの所信聴取は先週木曜日に済んでいます。

【衆・地域こどもデジタル特別委】
 「解散国会」で唯一成立した「旧優勢保護法の第2次支給法」での第三者機関の設置に関して委員長から短く報告がありました。この後、大臣の所信的あいさつ。補正予算案関連法案(216閣法4号)が審議されると思われます。

●野党委員長の参に遅れて衆で審議入り
【衆・経済産業委】【衆・国土交通委】
 大臣や公取担当大臣らの所信的あいさつがありました。参が牧山ひろえ経済産業委員長・小西洋之国土交通委員長となっていますが、昨日のうちに所信的あいさつを先にしていました。経産委は、午前中予算委で質問した岡田克也委員も出席して伊東良孝公取担当大臣と武藤容治経済産業大臣の所信的あいさつを聞きました。

【衆・財務金融委】【衆・外務委】【衆・文部科学委】【衆・厚生労働委】【衆・農林水産委】
 各大臣の所信的あいさつがありました。

【衆・政治改革特別委】
 法案の趣旨説明がありました。「216衆法2号」「216衆法6号」「216衆法7号」「216衆法8号」「216衆法9号」「216衆法10号」「216衆法11号」「216衆法12号」「216衆法13号」の9法案。領域は(1)政治資金規正法の改正(2)政党助成法の改正(3)国会法の改正(4)第三者機関設置の新法の4つとなります。趣旨説明者は、立憲代表代行で渡辺周特別委員長の党内ポストを急遽引き継いだ大串博志さん、自民党の長谷川淳二さん(愛媛3区2期)、国民の長友慎治さんの3名でした。

【衆・議院運営委員会理事会】
 旧文通費改革の歳費法改正に関して、8月1日施行に修文するなどの協議がありました。また、人事院勧告は完全実施することにして、歳費法・国会議員秘書給与法などを改正する法案も起草するはこびとなります。

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自公国が幹事長会談を開始した

2024年12月11日 13時27分11秒 | 第216回臨時国会
[写真]国民民主党の榛葉幹事長。

 自公国は午後1時から幹事長会談を始めました。
 なんらかの合意文書がとりまとめられた場合、自公国の枠組みで、補正予算案の政府原案が成立することもありそうです。恒久減税については「経済対策」には入っていますが、補正予算案の本則などには入っていません。

[追記 13:55]
 自公国は午後3時半から、きょう2度目とみられる幹事長会談を行うことにしました。

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宮澤洋一・古川元久・重徳和彦・小泉進次郎4氏がきょう政治生命の剣が峰に立つ

2024年12月11日 07時55分11秒 | 第216回臨時国会
[写真]宮澤洋一・自民党の政務調査会の税制調査会長(参議院議員)、5年前の2019年、宮崎信行撮影。

 自民党の宮澤税調会長(74歳、24年、広島2人区非改選)、国民民主党の古川税調会長(58歳、10期28年)、立憲の重徳政調会長(5期、53歳)自民党の小泉前選対委員長(6期、44歳)の4政治家が、きょう政治生命の剣が峰に立つことになりました。

 自公国は午前9時から政調会長会談、11時から税調会長会談を行うことになりました。古川さんは午後12時30分から両院議院総会にのぞみます。宮澤さんが所得税の基礎控除・給与控除の178万円の引き上げを明言すると、国民民主党は補正予算案の賛成に回り、自公国の賛成多数で衆参両院での成立が確実になります。

 立憲は補正予算案で「代表・政調会長一任」を党議決定しています。重徳会長は、基本的質疑が午後5時に終わる前後を見計らって修正案提出に動きます。この時間より前に自公国が決裂した場合は、立憲の修正案が議決される公算が高まります。

 政治改革(政規法・政党助成法・国会法の改正と第三者機関新法の4領域)は9法案が衆・政治改革特別委員会で審議入りします。なお、歳費法改正は議院運営委です。これについて、最初に誰が言ったかは不明ですが、「年内決着」とのコンセンサスができています。小泉・特別委理事は、「夜でも土日でも使いながら、議論しませんかと」と語ったとされています。夜鍋・土・日を使って委員会を開く姿勢は、追い込まれているといえそうです。

 特別委員会の土曜日開催については、「米3・11テロ」の後、日本の後方支援の法案について野党の岡田克也筆頭理事が「民間人有識者からヒアリングする参考人質疑を土曜日に開くこと」を主張し実現。岡田さんの狙いは、「賛否は別として野党・民主党も早期審議に協力する姿勢を示す」表現であって、既に大きく台頭していた岡田さんが、4期生(現在は12期)での政調会長抜擢へとさらに急速に上り坂を登るきっかけとなった故事もあります。

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