一民間人としての発言ではあるが、この方が相変わらず展開して回っている持論ってば、制服を着ていた当時ときっぱり変わってなさそうなので、拾った新しい発言は保存しておく気になった。
防衛省が、田母神氏が退職後にあちこちで講演することに戦々恐々として、対策に苦慮とかなんとかって話もあるようで、それって要するに、自衛隊というのが、こういう人物が出世できる組織であることを知られたくないという意図だととられても仕方なかろう。実際、こういう人が、自衛隊で制服を着た偉いさんだったのだと、感慨深いものである。
そんな田母神前航空幕僚長が、12日に、出身地の福島県郡山市で、地元月刊誌(河北新報の報道による、毎日新聞によると「財界ふくしま」が時局講演会として招いたと)が主催した講演で、400名ほどの聴衆の前でお話になったそうだ。
田母神氏が統合幕僚学校長時代に新設した
「歴史観・国家観」講座を、浜田靖一防衛相が廃止検討していることに触れて、
「村山談話に基づいた教育訓練を徹底するというが、あんなものを徹底されては、自衛隊はこの国のために命を懸けて戦う気になれない」
…「あんなもの」って(^^;
シビリアンコントロール(文民統制)については、
「政治家と文官の言うことを何でも聞いていると、軍は弱体化する」「戦争をやりたがるのは文民。ヒトラーもムソリーニも近衛文麿も文民。軍人は自分の部下が死ぬので戦争をやりたがらない」
別紙から、「歴史観・国家観」講座に関し、
「学校で何を教えるかは制服組に任された分野で、文民が関与すれば、どんどん自衛隊は弱体化する」
公演後、記者会見があったらしく、そこでタモ氏の言動をめぐってシビリアンコントロールへの懸念が出ているとの質問を受けて、
「自衛隊が独走すると言うが、自衛隊には内局があり、文民が人事にまで口を出す。これ以上、文民統制を強化すれば隊員がやる気をなくしてしまう」
あるいは、
「日本が侵略国家だったから戦争になった訳ではない」
「文民統制が絶対の『善』とはいえない。文民統制をこれ以上強化すると自衛隊はやる気をなくし、動けなくなる」
なんだか、ネトウヨそっくりな言い回しがいっそ微笑ましくなってくるが。 …いやぁ、自衛隊って、とっても簡単に弱体化したり、やる気を無くしたりするんですねー。コミンテルンにばれないように気をつけないと。宣伝してまわるのは控えた方が良いのではないだろうか。なお、本日見かけた別の方の説によると、
『日中戦争はドイツが仕組んだ』のだそうな。戦前の日本は、いろいろと陰謀に引っかかりまくったようである。
こういう方が航空自衛隊の前航空幕僚長で、制服組ってこういう方が出世できるのかーと感心していると、拾うのが遅くなってしまったこんな話が。
防衛省が前事務次官守屋武昌被告の汚職事件など一連の不祥事を受け取りまとめた省改革の「基本的考え方」(基本方針)の全容が十日、判明した。自衛隊運用の所掌事務を内局の運用企画局から、制服組主体の統合幕僚監部に移管。統幕の副長級に背広組を充てるが、内局(背広組)の役割は大幅に縮小される。
(中略)
基本方針は「運用企画局が所掌する『自衛隊の行動の基本』は内局の所掌として維持しない」と明記。一方、内局と陸海空各幕僚監部の防衛力整備部門を一元化して、新たな部局を内局に設置。防衛政策局の次長級に制服組を充てる。自衛隊の運用に関しては「抑制的に管理する時代から的確に運用する時代に変化している」との認識を示し、統幕の権限を強める内容。具体的には運用の企画、立案や他省庁との連絡調整に制服組が当たるとしたが、国会答弁については今後の課題として持ち越した。
制服組の権限強化って見間違いかと思ってしまったが、
防衛事務次官による汚職事件後に防衛省改革有識者会議から7月に出された、「シビリアンコントロール(文民統制)が機能しているとの前提に立」った報告書に基づいて立てられた方針だから、そういう方向になったらしい。
しかし、
(略)
基本方針によると、防衛省設置法と防衛省組織令が規定する「自衛隊の行動の基本に関する」事項を運用企画局から統合幕僚監部に移す。これにより武器使用基準など自衛隊行動の立案や、ほかの府省や与野党幹部との調整、米国や国連との協議で、制服組が主導権を握ることが予想される。
「業務の重複を合理化するため運用企画局は廃止」とした有識者会議の報告書は「防衛省・自衛隊は文民統制を重視している」「自衛隊は文民統制を内面化した」と、文民統制の定着を評価する内容となっている。
田母神問題が起きて以降、防衛省内局では「前提そのものが誤っていたのに、このまま組織再編が国会の理解を得られるのか」「唯一の武力組織である自衛隊の運用を制服組に任せていいのか」(背広組幹部)との声も上がったが、流れを変えるに至っていない。関連法案が二〇一〇年の通常国会に提出された場合、慎重な審議が不可欠だ。
…「文民統制」が定着してるって認識は誤解だったらしいと身を以て体現し続けている方がいるのだし、前提が力一杯間違っているんで、そのままの組織再編は国会もだけど、国民も理解しないぞと言いたい。
中国新聞では「流れを変えるに至っていない」とのことだが、少しだけは修正はしたようだ。再度、東京新聞の同じ記事の別の箇所から、
基本方針は、取りまとめ途中で田母神氏の問題が起きたため省内であらためて調整したが、官邸に設置された防衛省改革会議の七月の報告書を大筋で踏襲した。ただ「人事、教育・訓練部門」の項目は修正。田母神氏が統合幕僚学校長時代に「歴史観・国家観」の講座を新設し自身に近い歴史観の講師を招いたことを問題視し、バランスの取れた中立的な教育の必要性を追加する方向だ。
ということは、改めて調整する時間は、あるにはあったらしい。
しかし、田母神氏の場合、不安なのは歴史認識だけじゃなかっただろう。クラスター爆弾発言、「そんなの関係ねえ」発言もある。
さらには、
防衛省の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)が投稿したアパグループの懸賞論文「真の近現代史観」に94人の空自隊員も応募していた問題で、航空幕僚監部教育課長から懸賞の紹介のため各部隊にファクスされた書類に「部隊長の承認を得ること」と明記されていたことが、防衛省の調査でわかった。
94人は指示通りに手続きを取ったが、田母神氏は「職務に関しない」と一人だけ無届けで投稿していた。対応の矛盾が浮かび上がった。(中略)空幕長の場合、官房長に届ける必要があったが、田母神氏は「職務に関しない」として事前に届けず、投稿後に口頭で伝えただけだった。(後略)
また、
昨年7月の参議院選挙で初当選した元陸自1佐・佐藤正久参議院議員(自民)の政治資金管理団体に、田母神俊雄・航空幕僚長や折木良一・陸上幕僚長ら制服組トップを含む7人の現職幹部自衛官が、計46万円の政治献金をしていたことがわかった。政治的中立を求めた国家公務員法違反の疑いがあるだけでなく、隊員の「政治的行為」を厳しく制限した自衛隊法に違反する可能性が極めて濃厚だ。
(中略)
田母神俊雄・東京都目黒区・公務員…とある。イラク派遣の違憲判決の際に「そんなの関係ねえ」などと発言して物議をかもした現役の航空幕長の名前だ。MNJでも、先刻、自衛隊機を独占した豪華出張ぶりについて疑問を投げかける記事を掲載したばかりだった。
献金の日付は2007年6月7日。参議院選挙投票日の1ヶ月ほど前だ。この日、田母神氏は「さとう正久を支える会」に10万円を寄付した、と記載されている。
現職の空幕長が特定の候補に政治献金していたとは、予想だにしなかった。自衛隊員の政治活動は厳しく制限されていると聞いている。(後略)
というように、率先してルールを守ろうという意欲に不安のある人物が、制服組で出世できたという実績がある訳だ。そういえば、
「身内の恥は隠すもの」と、常日頃説諭されていたとも聞いている。
…制服組の権限強化って、なんの冗談だろうと思ってしまうんだが。
参考にさせてもらったいろいろ;
『西日本新聞』の2008年11月12日 21:09付『空
自隊員3人無届けで応募 処分も検討、計97人に』『
安禅不必須山水』さんの2008/11/14 12:18付『
田母神サマ 身内の恥は隠すもの』
『
かめ?』さんの2008年11月28日付『
「日本はろくな国ではなかった」=「日本はろくな国ではない」じゃあないよ、田母神さん 』
山陽新聞 12月10日14時18分付『
防衛省組織改革基本方針の要旨』
「村山談話に基づいた教育訓練を徹底するというが、あんなものを徹底されては、自衛隊はこの国のために命を懸けて戦う気になれない」
…「あんなもの」って(^^;
シビリアンコントロール(文民統制)については、
「政治家と文官の言うことを何でも聞いていると、軍は弱体化する」「戦争をやりたがるのは文民。ヒトラーもムソリーニも近衛文麿も文民。軍人は自分の部下が死ぬので戦争をやりたがらない」
別紙から、「歴史観・国家観」講座に関し、
「学校で何を教えるかは制服組に任された分野で、文民が関与すれば、どんどん自衛隊は弱体化する」
公演後、記者会見があったらしく、そこでタモ氏の言動をめぐってシビリアンコントロールへの懸念が出ているとの質問を受けて、
「自衛隊が独走すると言うが、自衛隊には内局があり、文民が人事にまで口を出す。これ以上、文民統制を強化すれば隊員がやる気をなくしてしまう」
あるいは、
「日本が侵略国家だったから戦争になった訳ではない」
「文民統制が絶対の『善』とはいえない。文民統制をこれ以上強化すると自衛隊はやる気をなくし、動けなくなる」
なんだか、ネトウヨそっくりな言い回しがいっそ微笑ましくなってくるが。 …いやぁ、自衛隊って、とっても簡単に弱体化したり、やる気を無くしたりするんですねー。コミンテルンにばれないように気をつけないと。宣伝してまわるのは控えた方が良いのではないだろうか。なお、本日見かけた別の方の説によると、
『日中戦争はドイツが仕組んだ』のだそうな。戦前の日本は、いろいろと陰謀に引っかかりまくったようである。
こういう方が航空自衛隊の前航空幕僚長で、制服組ってこういう方が出世できるのかーと感心していると、拾うのが遅くなってしまったこんな話が。
防衛省が前事務次官守屋武昌被告の汚職事件など一連の不祥事を受け取りまとめた省改革の「基本的考え方」(基本方針)の全容が十日、判明した。自衛隊運用の所掌事務を内局の運用企画局から、制服組主体の統合幕僚監部に移管。統幕の副長級に背広組を充てるが、内局(背広組)の役割は大幅に縮小される。
(中略)
基本方針は「運用企画局が所掌する『自衛隊の行動の基本』は内局の所掌として維持しない」と明記。一方、内局と陸海空各幕僚監部の防衛力整備部門を一元化して、新たな部局を内局に設置。防衛政策局の次長級に制服組を充てる。自衛隊の運用に関しては「抑制的に管理する時代から的確に運用する時代に変化している」との認識を示し、統幕の権限を強める内容。具体的には運用の企画、立案や他省庁との連絡調整に制服組が当たるとしたが、国会答弁については今後の課題として持ち越した。
制服組の権限強化って見間違いかと思ってしまったが、
防衛事務次官による汚職事件後に防衛省改革有識者会議から7月に出された、「シビリアンコントロール(文民統制)が機能しているとの前提に立」った報告書に基づいて立てられた方針だから、そういう方向になったらしい。
しかし、
(略)
基本方針によると、防衛省設置法と防衛省組織令が規定する「自衛隊の行動の基本に関する」事項を運用企画局から統合幕僚監部に移す。これにより武器使用基準など自衛隊行動の立案や、ほかの府省や与野党幹部との調整、米国や国連との協議で、制服組が主導権を握ることが予想される。
「業務の重複を合理化するため運用企画局は廃止」とした有識者会議の報告書は「防衛省・自衛隊は文民統制を重視している」「自衛隊は文民統制を内面化した」と、文民統制の定着を評価する内容となっている。
田母神問題が起きて以降、防衛省内局では「前提そのものが誤っていたのに、このまま組織再編が国会の理解を得られるのか」「唯一の武力組織である自衛隊の運用を制服組に任せていいのか」(背広組幹部)との声も上がったが、流れを変えるに至っていない。関連法案が二〇一〇年の通常国会に提出された場合、慎重な審議が不可欠だ。
…「文民統制」が定着してるって認識は誤解だったらしいと身を以て体現し続けている方がいるのだし、前提が力一杯間違っているんで、そのままの組織再編は国会もだけど、国民も理解しないぞと言いたい。
中国新聞では「流れを変えるに至っていない」とのことだが、少しだけは修正はしたようだ。再度、東京新聞の同じ記事の別の箇所から、
基本方針は、取りまとめ途中で田母神氏の問題が起きたため省内であらためて調整したが、官邸に設置された防衛省改革会議の七月の報告書を大筋で踏襲した。ただ「人事、教育・訓練部門」の項目は修正。田母神氏が統合幕僚学校長時代に「歴史観・国家観」の講座を新設し自身に近い歴史観の講師を招いたことを問題視し、バランスの取れた中立的な教育の必要性を追加する方向だ。
ということは、改めて調整する時間は、あるにはあったらしい。
しかし、田母神氏の場合、不安なのは歴史認識だけじゃなかっただろう。クラスター爆弾発言、「そんなの関係ねえ」発言もある。
さらには、
防衛省の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)が投稿したアパグループの懸賞論文「真の近現代史観」に94人の空自隊員も応募していた問題で、航空幕僚監部教育課長から懸賞の紹介のため各部隊にファクスされた書類に「部隊長の承認を得ること」と明記されていたことが、防衛省の調査でわかった。
94人は指示通りに手続きを取ったが、田母神氏は「職務に関しない」と一人だけ無届けで投稿していた。対応の矛盾が浮かび上がった。(中略)空幕長の場合、官房長に届ける必要があったが、田母神氏は「職務に関しない」として事前に届けず、投稿後に口頭で伝えただけだった。(後略)
また、
昨年7月の参議院選挙で初当選した元陸自1佐・佐藤正久参議院議員(自民)の政治資金管理団体に、田母神俊雄・航空幕僚長や折木良一・陸上幕僚長ら制服組トップを含む7人の現職幹部自衛官が、計46万円の政治献金をしていたことがわかった。政治的中立を求めた国家公務員法違反の疑いがあるだけでなく、隊員の「政治的行為」を厳しく制限した自衛隊法に違反する可能性が極めて濃厚だ。
(中略)
田母神俊雄・東京都目黒区・公務員…とある。イラク派遣の違憲判決の際に「そんなの関係ねえ」などと発言して物議をかもした現役の航空幕長の名前だ。MNJでも、先刻、自衛隊機を独占した豪華出張ぶりについて疑問を投げかける記事を掲載したばかりだった。
献金の日付は2007年6月7日。参議院選挙投票日の1ヶ月ほど前だ。この日、田母神氏は「さとう正久を支える会」に10万円を寄付した、と記載されている。
現職の空幕長が特定の候補に政治献金していたとは、予想だにしなかった。自衛隊員の政治活動は厳しく制限されていると聞いている。(後略)
というように、率先してルールを守ろうという意欲に不安のある人物が、制服組で出世できたという実績がある訳だ。そういえば、
「身内の恥は隠すもの」と、常日頃説諭されていたとも聞いている。
…制服組の権限強化って、なんの冗談だろうと思ってしまうんだが。
参考にさせてもらったいろいろ;
『西日本新聞』の2008年11月12日 21:09付『空
自隊員3人無届けで応募 処分も検討、計97人に』『
安禅不必須山水』さんの2008/11/14 12:18付『
田母神サマ 身内の恥は隠すもの』
『
かめ?』さんの2008年11月28日付『
「日本はろくな国ではなかった」=「日本はろくな国ではない」じゃあないよ、田母神さん 』
山陽新聞 12月10日14時18分付『
防衛省組織改革基本方針の要旨』
No. 5485
>あんなものを徹底されては、自衛隊はこの国のために命を懸けて戦う気になれない
なーんかこういう発言を聞いていると、やっぱり田母神みたいな人って、特定の「国家」「イデオロギー」に熱心で、国民一般を守るとかってことには根本的に関心がないんだなって気がします。といいますか、このような人物が出世するということでしょうか。
彼が出した本もあまりにひどかったので、思わず拙ブログで目次を紹介しちゃいました。ほんと驚いちゃいます。
No. 5487
>Bill McCrearyさん
やはり、自国の海岸線でクラスター爆弾を使いたがる人ですからね。。。
著作はまた、香ばしいですね。でも、例の受賞「論文」を見るに、本当に本一冊分の長文を書けるの筆力あるのかなーと思ったり。機会があったら見てみたいかも(笑)。
「第3章 日本は悪くない」は、「第3章 大日本帝国は悪くなかった」の間違いのよーな。
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「日本はろくな国ではなかった」=「日本はろくな国ではない」じゃあないよ、田母神さん
共同通信で、↓こんな記事を見つけた。
田母神氏、核武装の必要性に言及 産経新聞で
ので、早速、産経新聞を読みに行く。
また細かく分けているので読みにくいのだが
朝6時代から魚拓をとってくれたえらい方がいらっしゃるので
全部、貼っておきます。
【田...
[2008/12/16 23:45]
URL
かめ?
RS(歴史知らない)田母神俊雄
「阿呆太郎」首相がメルマガで第二次大戦と太平洋戦争をゴッチャにしたのにちなんで、RS(歴史知らない)という言葉を流行らせようかと思ってる今日この頃w さて、ブログ「Gazing at the Celestial Blue」様の15日付エントリー経由になりますが、あの田母神俊雄氏が、地
[2008/12/17 22:14]
URL
vanacoralの日記