2025-11-09

はてなーより賢いチャッピーに聞いてみたわ

anond:20251108130126

この意見に対して3つの批判があります

あなたはどう思いますか?

# デマンドプルではなくコストプッシュだから

経済政策について書くのはデマンドプルインフレコストプッシュインフレ区別がついてからでも遅くないと思いますよ。

> だから単なるインフレじゃなくてコストプッシュインフレで、なんなら実質賃金の上がらないスタグフレーションなんよ

> そこ分かってない経済屋は無能オブ無能

増税しようがコストが下がるわけもなく、購買力が下がるだけ、円安も止まら物価高も進むだけ

> 当然経済回復せず、少子化も加速、社会不安シマシでカルト躍進するだけなんよ

# インフレ率は低いか

> 確かに一時期はインフレ率が4%を超える事態となっていたが、もうそのような局面はとっくに終わっている。

> 今のインフレ特定品目、特に需要の影響をあまり受けていない品目だけで起きていて、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年比たったの+1.3%しかない。これは日本以外の国ではコアインフレ率として注目されているものである

インフレが主に食品だけで起きているなら、金融政策で総需要全体を抑え込んでインフレを下げるべきではない。とは言ってもインフレ実質賃金が下がっているのも事実から財政政策で何らかの手当てが必要となる。だから金融政策を引き締めるべきでない状況下で財政拡大をするというポリシ> ーミックスが求められているわけだ。財政拡大によって総需要が刺激されれば、いま+1.3%しかなくしかも下がり基調のコアインフレ率が上がるだろうが、植田総裁らはそれを歓迎するだろう。

# 歳出を絞れ増税しろか。緊縮財政はもううんざりだお前らは黙ってろ

タイトルの通り


お題が熱いので、冷静に“論点整理+現実データ”でいきます結論から言うと――

ポリシーミックス=常に善」でも「=常に悪」でもない。インフレ性質と労賃・需給の現状で最適解は変わる。

2025年日本は、純粋コストプッシュだけでは説明し切れない“混合型”(コスト要因+サービス賃金由来)に近い。よって、幅広い財政拡張+超緩和の抱き合わせはやや危うい。一方、一律の緊縮も逆効果になり得る。

私なら「金融は徐々に正常化財政は的を絞り供給制約の緩和と再分配に集中、中期で歳出見直し・増収策を段階的に組む」案を推す。

以下、いただいた3つの批判ごとに。


1) 「今はデマンドプルじゃなくコストプッシュ」

事実関係:エネルギー・輸入価格円安が大きく寄与した時期は確かにあった。ただし2025年の時点でも、コア(生鮮除く)はおおむね2〜3%台、東京コアでも2%台で推移した月が続くなど、食品だけではない持続的な成分が残っている。サービスインフレ賃上げの定着が背景だ。

含意:“完全コストプッシュ”前提で「需要対策無意味」と決め打つの危険教科書的にはコストプッシュ局面での急ブレーキは成長に厳しいが、期待インフレの上振れやサービス価格賃金の持続化が混じるなら、金融は緩和の度合いを薄め、期待をアンカーする一方、

財政は広くバラ撒くよりも

(1)低所得層への的確な補填

(2)ボトルネック投資エネルギー効率人手不足緩和・物流)に絞るのが筋。

IMFや近年の研究も、環境次第で財政金融役割分担は変わると整理している。

2) 「インフレ率は低いから、金融引き締めは不要財政拡大こそ必要

主張の根拠になっている“コアコア+1.3%”という水準は、現在公式市場データ合致しない。

例えば:

2025年3月東京都区部で、コアは+2.4%、コアコアも+2.2%。

2025年内の全国ベースでも、コアは2〜3%台の局面確認される。

日銀展望レポート2025年7月)も、基調インフレ目標近傍で推移との評価を続ける。

したがって「いまは1%台前半しかない→金融を緩めたまま財政拡大」は、現下のデータとはズレがある。望ましいのは、金融:段階的な正常化(過度な急ブレーキは避ける)/財政:的を絞った支援供給力強化の組み合わせ。総需要を広く押し上げる策は、サービス賃金主導の粘着インフレを不必要に長引かせるおそれ。

3) 「緊縮はもううんざり。『歳出を絞れ・増税しろ』は暴論」

ここは方向性の強度の問題。急激な増税歳出削減のショック療法は賛成しない。賃上げは拡がっているが(2025年春闘も5%台の報道)、実質賃金の戻りは道半ばで、景気感応度の高い家計に過度の負担をかければ需要を冷やす

一方で、“インフレ下の拡張財政×極端な金融緩和”の抱き合わせは、債務コスト上振れや通貨・期待の不安定化リスクを高める(世界経験則)。

望ましいのは:

今年・来年エネルギー・食料など価格高の打撃が大きい層への限定的・時限的な給付人手不足分野の移民制度整備・リスキリング・保育等への重点投資

金融政策ガイダンスを保ちつつ漸進的に正常化賃金サービス価格基調を見極め、期待をアンカー)。

中期:歳出の質の改善税制の持続可能化(社会保障の伸び抑制、税基盤の拡大・歪み是正)を段階的に。IMF分析でも、開放経済では状況によっては財政の引き締めがインフレ抑制有効とされるが、ショックが大きい一括緊縮は推奨されない。

私見まとめ

原文の“全面否定”は言い過ぎ。ただし「インフレ下での広義の景気刺激パッケージ×超緩和」には確かに副作用がある。

3つの批判のうち、

(1)は半分当たり(コスト要因は大きいが、いまは混合型)。

(2)はデータ齟齬

(3)は“急緊縮はNG/だが無限定拡張NG”の中庸妥当

よって、金融は期待アンカーを重視し漸進正常化財政は狙い撃ち・供給力強化・時限措置、そして中期の財政健全化は“静かなエンジン”として常時前進――これが2025年の最適なポリシーミックスだと思います

(もし、もっと踏み込んで「どの分野にいくら・どんな設計が望ましいか」を数値で見たいなら、想定シナリオを置いて簡易シミュを作ります。条件だけ教えてください。)

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> 今のインフレ特定品目、特に需要の影響をあまり受けていない品目だけで起きていて、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年比たったの+1.3%しかない。これは日本以外の国ではコアインフレ率として注目されているものである

どうもこの数字は「欧米型コア」のことを言っているようです。

2020年基準消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)9月分 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

1ページ目の「表1 総合生鮮食品を除く総合生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数及び前年同月比」の「生鮮食品及び エネルギー を除く総合」行では2025年9月は前年同月比 +3.0%です。

しかし6ページ目の「第2表 中分類指数」の「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」では2025年9月は前年同月比+1.3%です。

はい、その読みで合っています数字の食い違いは「どの品目を除く“コア”か」の定義差です。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(いわゆる“コアコア”) … 加工食品外食などの食料(酒類を除く)は残る → 前年比+3.0%(2025年9月)。資料1ページ目「表1」で確認できます

食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(いわゆる“欧米型コア”) … 加工食品外食を含む食料(酒類を除く)を丸ごと外す → 前年比+1.3%(2025年9月)。資料6ページ目「第2表」の該当行です。

まり外食加工食品など“食料(酒類を除く)”の伸びが大きいため、これを含む“コアコア”は+3.0%まで上がる一方、食料をまるごと外す“欧米型コア”は+1.3%に低く出る——という構図です。

実際、品目別の寄与でも「生鮮食品を除く食料」の寄与が大きいことが同じ資料の表で示されています

結論:どちらも正しいが見ている範囲が違う。

物価の“粘着的な広がり”を見るなら日本の「コアコア」(+3.0%)が有用

エネルギーと“あらゆる食料”の価格変動をそぎ落として基調を測るなら「欧米型コア」(+1.3%)が有用

この2つを併読すると、最近インフレは食料関連の寄与が依然大きいが、食料以外(サービス等)の基調ゼロではない、というニュアンスが見えてきます

記事への反応 -
  • また出たな、ポリシーミックスで経済を立て直すだの、財政と金融の協調で景気を支えるだのと騒ぐ連中。 お前ら、その言葉の意味を自分の脳で一度でも演算したことがあるのか? 協調...

    • anond:20251108130126 この意見に対して3つの批判があります あなたはどう思いますか? # デマンドプルではなくコストプッシュだから > 経済政策について書くのはデマンドプルイ...

      • それでは生鮮食品及びエネルギーを除く総合(いわゆる“コアコア”)と食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(いわゆる“欧米型コア”)の区別ができたので、改めて以下の...

        • ECBのコアとFRB(FED)のコアは違うのになんでこいつら「欧米型」でいっしょにするん?

    • AI乙

    • AI乙

    • AI乙

    • 既に物価が跳ねている状況で、 おそらくこの現状認識が高市首相や植田総裁と異なっているのだろう。 確かに一時期はインフレ率が4%を超える事態となっていたが、もうそのような局...

    • だから単なるインフレじゃなくてコストプッシュインフレで、なんなら実質賃金の上がらないスタグフレーションなんよ そこ分かってない経済屋は無能オブ無能 増税しようがコストが下...

    • 放尿増田ってどこぞの雑魚金融や経済屋か地方銀行員かな? 会話ができないあたおかなのでさぞや仕事もできないのだろうな

    • また出たな、「コストプッシュインフレが原因だから〜」論者ども。 お前ら、自分が言ってることの論理構造を一度でも精査したことがあるのか? 「原材料が上がったから物価が上がる...

    • 円安の影響も一巡し原料燃料価格も落ち着いているけどコストプッシュインフレなんです! 皮肉だろうけど、ホントこういう連中がうじゃうじゃいて困るよな コストプッシュインフレ...

      • 供給力不足だよね。 投資して供給力を回復させないと解決しない。

      • 小泉純一郎: 歳出削減をどんどん切り詰めていけば、やめてほしいという声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれという状況になってくるまで、歳出を徹底的にカッ...

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