BSモールトン パコパコカックンフロントサス整備
手に入れてから2年弱、毎月300kmの通勤も含め、走行距離は1万km~2万kmくらいだろうか。今でもまたがるたびに新鮮で楽しい気分になれて、この自転車とは本当によい出会いをしたと思っている。
とはいえ実はヘッド回りをバラしたのは今回が初めてだ。というのも、サスのパコパコ症状が前回フォークの中のエラストマーを引っこ抜いてグリスアップしただけでは根治しなかったからだ。
必要な工具はヘッドを外す32mmの薄厚のスパナと32mmまで広がるモンキー、
それからアヤセサイクルさんでいいシリコングリスはないかと聞いたら教えてくれた信越化学のシリコングリス。
粘度や耐熱温度でいろんな製品があるが、ぼくは汎用的なG40m-100にした。これはホームセンターにあるようなスプレー式のシャバシャバではなく、オイルグリスのようにねっとりと潤滑してくれるのでスバラシイ。
で、BSモールトンのフロントフォークがどのようにハンドルを回転させながらサスペンションの上下動もやっているかというと、画像上のいかにも鋼材な筒がベアリングを介してフレームに固定されるところまでは普通の自転車と同じなのだが、さらにその内側で画像下のフォークが上下に動くところである。もちろん、ハンドルを切った方向にタイヤも向かないといけないので、この二つはトグルリンクで固定され、上下方向にのみ動けるように固定されている。
それからアヤセサイクルさんでいいシリコングリスはないかと聞いたら教えてくれた信越化学のシリコングリス。
粘度や耐熱温度でいろんな製品があるが、ぼくは汎用的なG40m-100にした。これはホームセンターにあるようなスプレー式のシャバシャバではなく、オイルグリスのようにねっとりと潤滑してくれるのでスバラシイ。
で、BSモールトンのフロントフォークがどのようにハンドルを回転させながらサスペンションの上下動もやっているかというと、画像上のいかにも鋼材な筒がベアリングを介してフレームに固定されるところまでは普通の自転車と同じなのだが、さらにその内側で画像下のフォークが上下に動くところである。もちろん、ハンドルを切った方向にタイヤも向かないといけないので、この二つはトグルリンクで固定され、上下方向にのみ動けるように固定されている。
オリジナルのモールトンではこのフォークにギザギザを切ったセレーション方式でかみ合わせ、上下方向にのみ動けるようにしてある。この方式では、ギザギザに砂粒がかみ込んだりしないように慎重に整備しないといけないし、ギザギザをかみ合わせる設計上のマージン分、微小ながたつきは出てしまう。
一方、ブリヂストン式のBSモールトンでは、この蝶番のトグルリンクを外せばフォークはクルクルと回る。これはブリヂストンのサイトによればブリヂストン側の提案での設計だそうだが、こうしてバラしてみてみると、どちらも甲乙つけがたい。これだけの距離を走った僕の自転車でも不快なカクカクは発生しているし、その原因はどうやらこの画像上下の筒を支持している接点で起きているようだから。
それがこの画像の3点。KOOWHOの向井さんは2点といっていたが、僕が見たかぎりでは、左の白い樹脂のカラーと、中央の黒い樹脂のカラー、それから右側の金属のリング。黒いのと金属リングは実質1箇所になるが、役割は多少違う。この金属の右側にはゴミが入らないようにするパッキンもついていて、これは蛇腹のゴムカバーを外せば外から見える部品だが、外側には回転による擦れ傷がついているようにベアリングの機能も兼ねていて、走行時のフロントタイヤから来る強い衝撃はここで受けるようになっているようだ。中央の黒いカラーもぴったりと遊びのないように収まる部品で、右側のつばのところには真っ黒なファンデーションのようなススがたっぷり付着していた。ガタつきを抑えるのに一役買っているようである。
問題は左側の白いカラーだ。この内側には上の画像の左下にあるように、金色の薄い金属板がはさまれてあって、フロントフォーク上端のくぼみに一緒に収まるようになっている。サスの動きで上下にずりずり擦れる白いカラーを外側に密着させ、微小なガタつきを抑えるための厚みの調整板がこのペラペラの金属板なのだ。セレーション方式ではできない個体差や経年変化によるガタつきもこの金属板の厚みを変えることでコンマ数mmの調整が利くし、金属板であればコンマ数mm違いのものであれ入手も容易だ。なんと凝った設計というか、すごい。
その分、擦動する樹脂部品が多いのも耐久性の面で心配だが、2万km近く走ってこの程度なのだからなんのことはない。むしろしっかり整備していれば、ローションたっぷりのアレのように艶かしいストロークを感じられるところである。信越化学さんをペペ呼ばわりして申し訳ないが。
というのも、もれなく全ての擦動箇所にたっぷり愛情と潤いを与えて組み付けて試走したところ、いや、組み付けていく途中で動きを確認するところからニヤニヤだったのだが、これはもう新車の時以上になってしまった。タイヤがコジャックというのも大きいが、アスファルトの細かいコツコツがない。かのモールトンサスっていっても振動や衝撃吸収のメインはタイヤ、なんて思っていたふしもあったが、すべすべの新しいアスファルトなんてソロソロと走っていると本当に水面だ。これは別の何かかもしれない。